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サブネットに対応したネームサーバの設定

更新日:  2000年7月20日

はじめに

OCN等で、256個アドレス以下の16個程度のIPアドレスの割り当てを受ける場合は、ネームサーバの設定でサブネットの考慮( クラスレスなアドレススペースに対する考慮)が必要です。そこで問題になるのは、いわゆる逆引きの設定にサブネットマスクに関する指定がないことです。DNSでは、アドレスも1つの名前として検索されるのですが、OCN等に自前のネームサーバで接続しようとすると困ってしまう訳です。
このページではRFC2317に沿って上記の設定の解説を試みるものです。
(「サブネットに対応したネームサーバの設定」という言い方でいいかどうかは調べるのがおっくうなので正しい言い方が分かったら修正します。)

前提条件

あるプロバイダが、192.0.2.0 から 192.0.2.255 のクラスCのグローバルIPアドレスを取得し、会社a , b, c に次のように割り当てたとします。
192.0.2.0/25   ... a.co.jp (会社a) 0-127 128個
192.0.2.128/26 ... b.co.jp (会社b)128-191 64個
192.0.2.192/26 ... c.co.jp (会社c)192-255 64個

通常の方法

プロバイダ側のネームサーバで、次のようにPTRレコードを設定します。
$ORIGIN 2.0.192.in-addr.arpa.
   ;
   1               PTR     host1.a.co.jp.
   2               PTR     host2.a.co.jp.
   3               PTR     host3.a.co.jp.
   ;            ............
   126             PTR     host126.a.co.jp.     
   ;
   129             PTR     host1.b.co.jp.
   130             PTR     host2.b.co.jp.
   131             PTR     host3.b.co.jp.
   ;            ............
   190             PTR     host62.b.co.jp.
   ;
   193             PTR     host1.c.co.jp.
   194             PTR     host2.c.co.jp.
   195             PTR     host3.c.co.jp.
   ;            ............
   254             PTR     host62.c.co.jp.
しかし、これでは会社a のホスト名が変わる度にいちいちプロバイダに連絡して、プロバイダのネームサーバの設定を変更してもらう必要があり、管理上実用的ではありません。

解決方法

RFC2317 の Classless IN-ADDR.ARPA delegation の章を参考に、次のように各会社a,b,c が各自の管理を委任してもらえば、上記の問題は解決します。
(ここでは、OCNで公開されている設定方法を元にそれらしく似せて設定します。)
まず、プロバイダのネームサーバの設定を次のように設定します。
   $ORIGIN 2.0.192.in-addr.arpa.
   @       IN      SOA     ns.provider.xx.jp. nsmaster.provider.xx.jp. (...)
   ;...
   ;  <<0-127>> /25
   0               NS      ns.a.co.jp.
   0               NS      some.other.name.server.
   ;
   1               CNAME   1.0.2.0.192.in-addr.arpa.
   2               CNAME   2.0.2.0.192.in-addr.arpa.
   3               CNAME   3.0.2.0.192.in-addr.arpa.
   ;....
   126             CNAME   126.0.2.0.192.in-addr.arpa.
   ;
   ;  <<128-191>> /26
   128             NS      ns.b.co.jp.
   128             NS      some.other.name.server.too.
   ;
   129             CNAME   129.128.2.0.192.in-addr.arpa.
   130             CNAME   130.128.2.0.192.in-addr.arpa.
   131             CNAME   131.128.2.0.192.in-addr.arpa.
   ;.....
   190             CNAME   190.128.2.0.192.in-addr.arpa.
   ;  <<192-255>> /26
   192             NS      ns.c.co.jp.
   192             NS      some.other.third.name.server.
   ;
   193             CNAME   193.192.2.0.192.in-addr.arpa.
   194             CNAME   194.192.2.0.192.in-addr.arpa.
   195             CNAME   195.192.2.0.192.in-addr.arpa.
   ;.....
   254             CNAME   254.192.2.0.192.in-addr.arpa.

こうしておいてから、各会社のネームサーバのPTRレコードの設定を次のようにします。

会社a (192.0.2.0/25 の割り当て)
   $ORIGIN 0.2.0.192.in-addr.arpa.
   @       IN      SOA     ns.a.co.jp. postmaster.a.co.jp. (...)
   @               NS      ns.a.co.jp.
   @               NS      some.other.name.server.
   ;
   1               PTR     host1.a.co.jp.
   2               PTR     host2.a.co.jp.
   3               PTR     host3.a.co.jp.
   ;.......
   126             PTR     last.a.co.jp.
会社b (192.0.2.128/26 の割り当て)
   $ORIGIN 128.2.0.192.in-addr.arpa.
   @       IN      SOA     ns.b.co.jp. hostmaster.b.co.jp. (...)
   @               NS      ns.b.co.jp.
   @               NS      some.other.name.server.too.
   ;
   129             PTR     host1.b.co.jp.
   130             PTR     host2.b.co.jp.
   131             PTR     host3.b.co.jp.
   ;.......
会社c (192.0.2.192/26 の割り当て)
   $ORIGIN 192.2.0.192.in-addr.arpa.
   @       IN      SOA     ns.c.co.jp. postmaster.c.co.jp. (...)
   @               NS      ns.c.co.jp.
   @               NS      some.other.third.name.server.
   ;
   193             PTR     host1.c.co.jp.
   194             PTR     host2.c.co.jp.
   195             PTR     host3.c.co.jp
   ;.....

これで、各会社の設定も自社内のネームサーバで設定でき、管理も可能になります。
ただし、インターネットに接続する前に、PTRレコードのテストを実施したい場合は注意が必要です。
例えば会社c の社内で実施するとして、
192.0.2.193のホスト名を知りたい場合は当然、
193.192.0.2.192.IN-ADDR.ARPA.
を指定する必要があるからです。

終わりに

上記に設定では、プロバイダのネームサーバの設定がどうなっているかで話は変わってきます。少数個のIPアドレスを提供して、自前のネームサーバを許すプロバイダは、顧客のネームサーバの設定方法を公開すると同時に、自社のネームサーバの設定で顧客に関する部分がどうなっているかを公開する必要性があると思います。

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