遺伝子の本体DNA(デオキシリボ核酸)は,リン酸,ペントース(デオキシリボース),および塩基からなるヌクレオチドが重合したポリヌクレオチドである。
塩基成分にはアデニン(A) , チミン(T),グアニン(G) ,シトシン(C)の4種類があり,以下のようにA-T(水素結合が2個所),G-C(水素結合が3個所)で形成される塩基対によって有名な二重らせん構造が作られ,遺伝情報が伝えられるのである。
なお,もう一種類の核酸であるRNA(リボ核酸)のペントースはリボースであり,塩基もTの代わりにU(ウラシル)を含んでいる。
アデニン(A) − チミン(T) |
グアニン(G) − シトシン(C) |
※参考(RNA)* | ||
DNA二重らせん構造の一部(4塩基対) |
◎PDBデータですのでメニューによりいろいろな表示が可能です。
《参考》 水素結合の距離,発がん性が証明されている複素芳香族アミン
(「パソコンで見る動く分子事典」付録CD-ROMに詳しい使い方を収録しました)
※A-T,G-C,A-Uの距離表示の値は,丸善「化学便覧(改訂4版)基礎編II」p.718図15・129を参照
* 上で用いたRNAのA…UのPDBデータ(au_x.pdb)では,水素結合表示のためにデータファイル中のウラシル塩基識別記号“U”を“T”に変更しています。他の目的に使う場合は,正しいデータ(au.pdb)と区別してご利用ください。