ヘモグロビンの部分構造例
※血清アルブミン例の1e7iを追加
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amino表示の凡例
ASP GLU CYS MET LYS ARG SER THR PHE TYR
ASN GLN GLY LEU VAL ILE ALA TRP HIS PRO
※上記データは何れもProtein Data Bank (RCSB PDB)の公開データから,chain1つを切り取って作成したものです.詳細はオリジナルデータ情報を参照してください.1hhoは原子団No.を一部変更しています.
また,リンクしてある“Chime分子”表示ページはEric Martzによるもので,モデルの表示変更に用いたスクリプトも同氏のものを一部参考にしました.
【話題】オキシヘモグロビン・デオキシヘモグロビンとfMRI
fMRI(機能的磁気共鳴画像)は脳の活動を調べる神経活動計測法の一つであるが,その測定原理となっているのが,オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの磁性体としての性質の差である。
デオキシヘモグロビンの方が常磁性体としての性質をもつので,MRIの強い磁場の中において磁場を乱してMRI信号を減弱させる(Blood oxygen level dependent効果,BOLD効果)。ところが脳の活動が活発化して,網細血管にオキシヘモグロビンが流入するとMRI信号を弱めていたデオキシヘモグロビンが押し出されて信号強度が回復する。この現象による局所的なシグナルの強弱を測定して脳の活動状態を調べるのである。
参考
- 松岡香弥子,『fMRIで心のしくみを探る』,バイオニクス 2005年2月号
- 分子科学研究所 編,「分子科学者がいどむ12の謎」/9章『生体中でのタンパク質の機能をさぐる』,化学同人(2005) [NEW!] ※ミオグロビン中のヘムの構造変化について詳細に解説
- 2003年日本国際賞,医学における視覚化技術分野(磁気共鳴機能画像法の基礎原理の発見)『小川誠二 博士 脳機能を知る一つの方法』
- 矢野良治,『ブレインイメージング:神経疾患の診断・治療に向けた非侵襲技術応用研究の体制強化の必要性』
- 牧敦,『光で見たこどもの脳』,科学 2001年6月号(特集-1=こどもの脳で何がおこっているのか),岩波書店 ※fMRIではなく光トポグラフィ法
- 生化学 : ヘモグロビンを安定化する(Nature,2005/06/02)
- 医学の現場から 認知症(東京新聞,2005/02/11)