オフィス・ラブ [Part-2](作:慶子さん)


『プライベ−ト・タイム』

プライベートな時間、特に自分のアパートでの時間は、ほとんど女装して過ご
すようになっていました。パンティー・パンスト、ごくまれにガーターベルト
とストッキングも履きましたが、これらの下着はスーツの下に毎日着けていま
した。仕事から戻り、シャワーを浴びてその日の疲れを洗い流した後は本当の
「自分」の姿に戻れます。

パンティー・ブラ・スリップ・ストッキングを身に着けて、フレアのミニスカ
ートとシンプルなブラウス、お化粧も薄く自然な感じを損なわないようにしま
す。ファッション雑誌に目を通したり、軽い音楽を流しながら読書をしたり。
特別な事はしませんが、とっても心がリラックス出来ます。

寝る前には、少しお酒を飲みます。といっても、強いお酒は飲めないので、精
々ワインを少し飲む程度です。練る前に、お化粧を落として、栄養クリームで
肌をいたわってあげます。そして、お気に入りの白のネグリジェに着替えます。
ストッキングとスリップは脱ぎますが、ブラは着けたままの方が多いです。悲
しいですが、ペッタンコの胸をネグリジェ越しに見たく無い気持ちが有り、ど
うしてもブラは着けたまま寝る事が多くなります。 

休みの日は、ほとんど24時間「女の子」になれる大切な時間です。お掃除・
お洗濯・お料理、一通りの事は独り住まいの間に身に着けたので、一人で何で
もやってしまいます。そんな日に限って、新聞の勧誘や宅配便等の邪魔が入る
のが困りものです。新聞の勧誘等は居留守を使いますが、宅急便等はそうも行
かないので、「ちょっと待って下さい!」と返事をしてからが必死です。スカ
ートをパンツに穿き替えて、メークを落とさなければなりません。ブラは上に
何かを着てしまえば判らないので、そのままです。本当は誰にも遠慮せずに、
女の子のままで応対できれば、と思いますが、まだ勇気が有りません。 


『出張セット』

先にお話ししたように、僕には結構いろいろな所への出張が有ります。それも、
突然命令されて、そのまま目的地へ、という事もしばしば有るので、そういう
可能性の有る同僚は、皆自分のロッカーに「出張セット」と呼ばれるものを常
備しています。

下着・靴下数枚、洗面用具、クリーニング済みのワイシャツ、こんなものを小
型のボストンに入れて、ロッカーに入れています。僕のバッグの中には当然女
性下着が入っています。パンティー・ブラ・スリップ・パンスト。

出張先のホテルではシャワーを浴びた後に、これらの下着に着替えて、リラッ
クスします。でも、たまにオフィスで出番になる事も有ります。月に一度位で
すが、どうしようも無く淫靡な気持ちが押さえきれず、淫らな妄想に身を任せ
ることが有るのです。

パンティー・パンストは普段からスーツの下に着けているのですが、それだけ
では満足できません。「出張セット」から、ブラやスリップを出して、それら
を身に着け仕事をします。ビル警備の見回り時間は23時と明け方6時と決まっ
ていますから、行動するのは24時を過ぎてからです。

24時迄、精一杯仕事をこなして、時間の余裕が出来たら、いよいよ行動開始で
す。まず資料室の有るフロアへ向かいます。そして、女子更衣室のドアを開け
て中に入ります。いつも僕の頼みを聞いてくれる玲子ちゃんのロッカーは奥か
ら4番目のロッカーです。電気は点けられないので、窓から入ってくるネオン
の明かりだけでロッカーを捜します。玲子ちゃんのロッカーには彼女が今日着
ていた制服がキチンとハンガーに掛かっています。彼女はスタイルが良く、細
身なのですが、バストとヒップが大きいので、サイズ的には11号を着ていま
す。そのお陰で僕でも何とか彼女の制服を着る事が出来ます。彼女が仕事の時
に履いているローヒールと一緒に、僕は制服をハンガーごと持ちだして自分の
フロアへ戻ります。自分のデスクに戻るとネクタイを解き、男の殻を脱ぎ捨て
ます。そして、彼女のブラウス・スカート・ベストを身に着けます。ローヒー
ルを履いたら、首から上は僕ですが、肩から下は玲子ちゃんです。

そして僕は応接コーナーのソファーへ行きます。ソファーに腰を下ろし、足を
組んで、正面に座ってモジモジしている自分を想像します。ストッキングに包
まれた脚を組んでミニスカートで挑発するように座っているのはあの玲子ちゃ
んです。少し腰を浮かして、両手でスカートの裾を引き上げます。少しずつ太
ももが露出されます。組んでいた脚を戻して、少し脚を開きます。もう、正面
の僕からはスカートの奥のパンティーが見えている筈です。そのまま、今度は
ベストとブラウスのボタンを外して行きます。

「見たいんでしょ?」 

声に出して言ってみます。正面に座った僕は我慢出来ずに手を伸ばして来ます。
太ももの内側のストッキングに彼の手が触れます。

「あぁっ...。」 

思わず声が出てしまいます。やがて、その手はパンティーの中で大きく硬くな
った玲子ちゃんのクリトリスをパンティー越しに優しく愛撫し始めます。クリ
トリスの先端から湧き出した透明な液体がパンティーを濡らして、黒いシミが
広がります。突然、彼の手がウエストの方に伸びてパンストのウエストに掛か
ったと思ったら、一気に引き下げました。玲子は腰を浮かしてそれを助けます。
パンティーも前が下げられ、大きく脈打つクリトリスがテラテラと光ながら現
れます。彼の手がそれをしっかりと握り締め、優しく上下にしごき始めます。

「うぅっ、はーー。」 

どうしても声が出てしまいます。空いている片手は玲子の胸をスリップの上か
ら揉みしだいています。もう、今にも行きそうです。その時、

「玲子ちゃん、いやらしいわネ」 

耳元で誰かが言いました!! 


『見破られた痴態』

「誰?!」 

そう叫んで振り向くと、そこにはこの制服の持ち主、玲子ちゃんが立って僕を
見下ろしていました。そう、まだ僕の手はクリトリスを握ったまま、彼女に全
てを見られてしまいました。

「・・・・・」 

頭の中がパニックになり、口をパクパク動かすだけで、何も言葉が出て来ませ
んでした。 

「ねえ、奥村君、いえ、玲子って呼ばれたいのかな?」 
「・・・・・・・。」 
「私も玲子だから、少しややこしいけど、玲子にしましょう。」 
「・・・・・・・?」 
「あなたの事は薄々気付いてたのよ。時々、足を組んだ時に、ズボンの裾から
  ストッキングが見えてたし、まぁ、防寒にパンストを履く男の人も居るみた
  いだけど、あなたは1年中だものネ。特に夏場は冷房対策かもしれないけど
  外回りって決まってる日でも履いてたもの。」 
「知ってたんですか?!」 

やっと、言葉が口から出ました。

「そうね、パンストやヒールのフェチって居るって事は知ってたわ。でも、こ
  こまで徹底してるとは思わなかったけど...。」 
「済みません、こっ、これは、その...。」 
「良いのよ、別に言い訳してくれなくても。むしろ、何百人も居る女子社員の
  中から私を選んでくれて、光栄よ!」 
「じゃぁ、許してくれるんですか?」 
「うーん、それはちょっと...。そう簡単には許せないわね。」 
「えっ、じゃぁ、どうするんですか?!」 
「そうねえ...。」 

彼女は僕の正面に廻って、少し考えてから、バッグに手を入れて何かを取り出
しました。そして僕に向けると、明るい閃光が光りました。一瞬目が眩んで、

「なっ、何ですか?」 
「デジカメよ。今のあなたの姿がバッチリ記録されたわけ。」 
「エッ!」 
「だから、これを公にされたくなかったら、私と契約しなさい。」 
「契約?」 

彼女の言う、「契約」とは次の様な内容でした。
 ・僕の仕事の邪魔になるような要求はしない 
 ・それ以外の要求には全て応じること 
 ・さも無ければ、僕の恥ずかしい姿の写真を各フロアの掲示板に張りだす 
僕には拒否出来る筈も有りません。 

「判りました。言う通りにします。」 
「その方が賢明ネ。」 

「でも、玲子さんは今頃どうしてここに?」 
「家へ持って帰るデータを忘れたので、守衛室に頼んで戻って来たら、あなた
  があのフロアに居るのを見掛けたので、どうしたのかと思っていたら、女子
  更衣室へ入っていったの。
  何か、ピンと来るものが有って、声を掛けずに見ていたら、あなたは制服を
  持ちだしてこのフロアへ戻ったのよ。更衣室へ戻って確かめたら、私の制服
  とヒールが無くなってたって訳。」 
「.....。」 
「それで、このフロアへもう一度上がって来たら、この部屋だけ明かりが点い
  ていて、あな たが私の制服を着て悶えてたって訳。」 
「..........。」 

私は、顔を赤くして、俯くより他に有りませんでした。 

「まぁ、良いじゃない、契約もめでたく成立した事だし。そうそう、明日はお
  休みよネ? じゃぁ、最初の要求として、明日の午後1時に私のマンション
  に来て頂戴。」 
「明日、ですか....?」 
「そう、明日。遅れないでネ!」 
「判りました。」 
「それから、明日はあなたの一番のお気に入りの下着を着て来て頂戴。」 
「えっ、下着ですか?」 
「そうよ、嫌なの?」 
「いえ、そんな事は....。」 
「じゃぁ、判ったわね?! それから、私の制服と靴は後でロッカーに戻して
  おいてね!」 
「はい、判りました。」 
「じゃぁ、お仕事、ガ・ン・バ・ッ・テ!」 

そういうと、彼女はドアから消えて行きました。僕の気持ちはすっかり萎えて
しまって、もうとてもそんな気分にはなれませんでした。少し中途半端な気持
ちでしたが、彼女の制服を脱いで、自分のスーツに着替えてから、彼女の制服
とヒールをロッカーに戻し、その日は仕事をするのをやめて、家に帰りました。


『玲子のマンション』

翌日、寝覚めた僕は、まずシャワーを使って全身を奇麗に洗いました。 

「明日はあなたの一番のお気に入りの下着を着て来て頂戴。」 

夕べの彼女の言葉が、まだ耳に残っています。「お気に入りの下着」って行っ
ても、どうすりゃ良いんだろう。そんなものを僕に着せて、彼女は僕をどうし
ようって言うんだろう? 考えましたが、答えは見付かりません。取り敢えず、
彼女の要求に従うより他に道は無さそうです。 

バスタオルで体を乾かして、バスローブを羽織ってクローゼットを開きました。
仕方が無い、お気に入りの下着で決めるか。黒にゴールドの刺繍のあるスリー
インワン、お揃いのパンティー・ミニスリップ、そしてシーム入りのストッキ
ングを取り出しました。 

まずパンティーを穿き、スリーインワンのホックを背中で止めて、丸めたスト
ッキングのシームラインが曲がらないように注意して引き上げます。パンティ
ーの内側を通したベルトの先でストッキングを止めます。最後にミニ・スリッ
プを着て下着は完了です。

休日なので、コットンのソックスを履き、チノクロスのパンツにゆったり目の
トレーナーを着ました。そして、彼女のマンションへと向かいました。

「いらっしゃい! 時間には正確なのネ。」 

マンションのインターホンを押すと彼女の明るい声が聞こえ、エントランスの
ロックが解除されて大きなガラスの自動ドアが開きました。

「4Fの410号よ!」 

言われるままにエレベーターで4Fへ上がり、ドアの番号を見ながら410と
書かれたドアの前で立ち止まり、深呼吸してからドアをノックしました。すぐ
にドアが開いて彼女の笑顔が現れました。

「いらっしゃい、さあ、そんな所に突っ立ってないで、入ってよ。」 

彼女の横を擦り抜けて、玄関に入ると、後ろでドアの閉まる音と、ドアをロッ
クする音が聞こえました。彼女はカジュアルなタイトミニのスカートにフィッ
シャーマンズセーターという姿でした。

「さあ、上がって!」 

彼女に背中を押されて、僕はリビングまで行きました。彼女のマンションはか
なり豪華なマンションで、少なくとも3LDKは有りそうでした。リビングも
広く家具も趣味の良いものが揃えられていました。

「何か飲む?」 
「......。」 
「遠慮しなくても良いのよ。 どう? 少しアルコールが入ったほうがリラッ
  クス出来るから、軽くビールでも飲む?」 
「じゃぁ、ビールを。」 
「はいはい、そんなに脅えなくても大丈夫よ。別に取って喰おうって訳じゃ無
  いから。」 

彼女は冗談混じりにそう言って、キッチンの冷蔵庫からビールと冷えたグラス
を持って来ました。二人のグラスにビールを注いで、

「じゃぁ、これからの二人の契約に乾杯!」 
「乾杯。」 

グラスを軽くぶつけて、ビールを一口飲みました。 

「実は、私の性的嗜好も、少し普通の人とは違っているの。仕事をしていて、
  あなたとは波長が合う感じがしてたけど、そこまでは言えなかったし、あな
  たもアプローチしてくれなかった。」 
「えっ、玲子さんみたいな素敵な人が、僕なんかの事をそんな風に見ててくれ
  たんですか?」 
「僕なんか、って、奥村君、結構素敵ヨ!」 
「そんなぁ..、冗談でしょう?!」 
「冗談だったら、夕べすぐにガードマンを呼んでるわ。そしたらあなたはそれ
  でお終い。」 
「それは、そうですが....。」 
「もっと、自信を持った方がいいわヨ。」 
「そんなもんですかねぇ。」 

「ねぇ、昨日頼んだように、お気に入りの下着を着て来てくれた?」 
「ええ、一応は。」 
「じゃぁ、見せてよ。」 
「えっ、見せるんですか?」 
「何よ、もうあなたの全ては夕べ見てるんだから、恥ずかしがらなくても良い
  わよ。」 
「......。」 
「それとも、私に逆らうの?」 
「判りましたよ。」 

仕方無く、僕はソックスを脱ぎ、トレーナーを脱いだ。少し抵抗は有ったが、
最後にパンツも脱いだ。 

「ちょっと立ってみて。」 

言われた通りに立ち上がると、彼女は僕の周りを一回りして、品定めするよう
に全身をチェックしました。 

「やはり、思った通り、悪く無いわね。」 
「悪く無いって、何がですか?」 
「ううん、良いの、こっちの話し。じゃぁ、折角の下着だけど、バスルームで
  体毛を全部剃ってくれる?!」 
「えっ、剃るんですか?」 
「そう、頭髪以外の体毛を全部剃って、ツルツルにして頂戴!出来るわよネ?」
「はい......、判りました。」 
「バスルームはこっちよ。レディース・シェーバーも用意してあるから。」 

彼女に従ってバスルームへ行き、彼女が出て行くのを待って下着を脱いでバス
ルームに入りました。シェーバーもシェービングムースもちゃんと用意されて
いたので、髭・腋の下・胸毛・手足のムダ毛と剃って行きました。最後に陰毛
ですが、下腹部は何とか剃れましたが、陰嚢の部分は剃るのが難しく、剃り残
しが有るようでした。当然ながら、肛門付近を剃ることは出来ませんでした。
最後に全身をシャワーで流して剃り終わりました。

バスルームから出ると、何故か私の下着は無くなっていて、替りに別の下着が
用意されていました。裸で出るわけにも行かず、その用意された下着(繊細な
レースで飾られた純白のブラ/パンティー・ガーターベルト・ストッキングの
セットと同じ純白のミニスリップでした。

リビングに戻ると彼女はさっきまでのカジュアルな服装から一変して、シック
なビジネススーツに着替えていました。そして、何と、家の中だというのに、
アンクル・ストラップのエナメルのハイ・ヒールを履いていました。

「じゃあ、こっちに来て頂戴。」 

彼女に促されてドアをくぐると、そこは彼女の衣装部屋のようでした。壁一面
がクローゼットになっていて、ドレッサーと全身の映る鏡が有りました。

「さあ、座って。」 

僕がドレッサーの前のスツールに座ると、 

「さあ、私が女の子にして上げるネ。」 

と言って、彼女はメークし始めました。液体ファンデーション、パウダーファ
ンデーションを延ばし、顔全体に塗ります。 

「まゆ毛も少し整えましょうネ。」 

小さな鋏で僕の眉を調えます。そして、眉墨で眉尻を伸ばして、女性らしい眉
にして行きます。 

「少し、顔を上げて、目線を下げてくれる?」 

言われた通りにすると、アイラインが上瞼に入ります。 

「目線を上に。」 

次に下瞼です。その後、アイシャドウ、口紅でアクセントを付けて、最後にチ
ークカラーを薄く引いて完成です。後ろから肩までの長さのウイッグが被せら
れて、鏡の中には純白の下着を付けた女の子が居ました。

「どう?」 
「これが、僕ですか?!」 

まだ、信じられませんでした。小さい頃から、優しい顔立ちだとは言われまし
たが、鏡の中に居るのは、何年か前の「姉」に良く似た女の子でした。

「じゃぁ、立って、これを着てくれる?」 

彼女が手に持っていたのは、ミニのメイド服でした。 

「えっ、これを着るんですか?!」 
「そうよ、着てくれるわよネ?」 
「ハイ.....。」 

背中のファスナーを下げて、中に脚を入れます。ウエスト部分はウエストニッ
パーになっていて、僕のウエストをかなりきつく締め付けます。でもそうしな
いとファスナーが閉まらないのです。白いエプロンを後ろで結んで、彼女のよ
り少し低めの(それでも10cmは有りそうな)ヒールを履いて完成です。全身を鏡
に映すと、膨らんだスカートの裾から吊られたストッキングの上端が見え隠れ
しています。引き締められたウエストといい、メークされた表情といい、どう
見てもそれは女の子でした! 

「どうかしら?」 
「信じられない、これが私?!」 

いつの間にか、「僕」では無く「私」と言っていました。 

「そう、それがあなたヨ!」 
「........。」 

言葉が浮かばず、黙って鏡を見つめていました。 

「さぁ、リビングでもう少し、お話ししましょう。」 

もっと、自分の姿を見ていたかったのですが、彼女にそう言われて、リビング
に戻りました。

「じゃぁ、可愛い女の子の誕生に、もう一度乾杯しましょう!」 

それぞれのグラスにビールを注いで、もう一度乾杯です。シャワーから出て、
何も口にしていない事に気付き、興奮も手伝って咽喉が渇いていたので、グラ
スのビールを一気に飲み干しました。

「でも、ちゃんと名前を決めないといけないわね!」 
「名前?」 
「そう、あなたの女名前。何か、付けたい名前は有るの?」 
「.....、考えたことも有りません。」 
「そう、じゃぁ、私が付けてあげる。そうねえ、『翼』はどう? あまり、女
  の子らしく無いかも知れないけど、これから、大空に羽ばたくんだからどう
  かしら?」 
「翼、翼。 ええ、悪く無いわ!」 
「気に入ったみたいネ。じゃぁ、今からあなたは翼ちゃんネ!」 
「はい!」 

そう答えたときに、頭の中が急にボーッとし始め、急速に意識が薄らいで行く
のが判りました。

「アレッ........。」 

そう言って、彼女の顔を見ましたが、彼女は笑顔で私を見詰めているだけで、
その顔がグラリと揺れたと思うと、意識を失っていました。 

(続く)