ダブルエックス[part3]


僕と真砂子は琴美さんに連れられて入国手続きに向かった。手続き場所は本館
に隣接された別棟の一階にありカウンターは総合病院の受付のようである。
所定の記入用紙にプロファイルなどを記入しカウンターに提出する。するとそ
れがコンピュータに入力されIDカードが発行される仕組みである。国民はこ
のID番号で管理されているらしい。

「二人とも女性とてし登録されますのでこちらの用紙に記入してください」
琴美さんは僕と真砂子に同じピンクの記入用紙を手渡した。
「それとパートナーの所には真砂子さんは黒川省吾の名前を書いてください。
  ID番号は7354256です」
「それって真砂子のご主人様を黒田さんにするってことかい?」
「そうです。そのように手続きするよう言われました」
「いいのか?真砂子」
「えぇ。食事の後にロビーで男に品定めされるよりは・・・・」
「そりゃ、そうか。僕はどうするばよいのかな」
「森川さんはフリーにチェックを付けて下さい。それと・・・名前ですが真人
  では無く真由子と記入して下さい」
「真由子?それも黒川さんの指示かな?」
「はい」
「・・・・・・・・」

僕と真砂子は揃ってカウンターに用紙を提出しピンクのIDカードを発行して
もらった。IDカードと一緒に、入国に当たっての規程を渡され僕と真砂子は
指示された用紙にサインをしカードを受け取った。受付の女性は何の不信感も
持たず僕を女性として国民登録したのであった。

「間違いがないか確認してください」
琴美さんに言われ僕は自分の受け取ったカードを再確認した。確かに名前は”
森川真由子”に性別は”女”と記載されていたのである。真砂子はと見ると彼
女はカードを見つめて固まっている。

「どうかしたの?」
「ううん、別になんでもないわ」
彼女のカードを見ると僕のカードには記載されていなかった所有者の欄に黒川
省吾の名前が書かれていたのだ。

「真砂子は黒川さんに所有されてるのか・・・」
「そうみたい」
真砂子の顔は引きつっているように見えた。
「私のカードにも同じように記載されています」
それを見ていた琴美さんが自分のカードを出して見せてくれた。
「本当だ・・・・」
「パートナーが居るかどうかで待遇がちがう場合があるんです」
「食事の後とか?」
「そうです。カードの提示を求められることがあるので必ず携帯して下さい」
「はい」
「この後、カウンセリングと健康診断が有ります。その二つに合格すると正式
  にそのカードが利用出来ます」
「じゃ、このカードはまだ仮登録みたいなものなんだ?」
「はい」

「ところで、僕のように男なのに女性として登録する人は多いんですか?」
琴美さんに尋ねた。
「そうですね。5人に1人は」
「そんなにいるんですか」
「ホルモン治療や性別再判定手術を施しますから1年もすると、わからなくな
  ります」
「ホルモン治療?性別再判定手術ってなんですか?」
「簡単に言うと森川さんのようなマゾ男性は、この国で生活する為に性転換を
  していただくことになっているんです」

琴美さんは僕をマゾ男と決め付けているのである。その言葉には男性を敬う感
情がすっかり無くなっていた。

「・・・・・・・・・・・・・」
「森川さんにも身体的な問題が無ければホルモン治療が始められます」
「そんな事、聞いてないよ」
「そうですか?先程、サインして頂いた誓約書には記載されておりますが。規
  約書にも書いております」
「なんとかならないのかな」
「特別扱いはしないと聞いております」
「・・・・・・・・・・・」

今度は僕が固まってしまった。
「でも、通常でしたら手術は最低6ヶ月のホルモン治療の後ですから1〜2ヶ
  月の体験でしたら危惧することは無いと思います」
「それでもホルモン治療はされてしまうんでしょ?」
「はい」
「オッパイが膨れたり、生殖能力が無くなったりするんじゃ?」
「詳しいことはわかりませんが1〜2ヶ月程度なら元に戻るハズです」
「・・・・・・・・・・・」
「くれぐれも言っておきますが、体験入国であることは誰にも知られないよう
  にして下さいね。そのような事を認めたのが露見すると規律上大きな問題に
  なってしまいます」
「わかってます」

「それでは私は事務所に戻ますので、健康診断とカウンセリングを受けて下さ
  い」
「はい、ありがとうございました」




「森川君、大丈夫?言い出したのは私なんだから君まで付き合わなくても」
「大丈夫だよ。真砂子一人を置いて帰るわけには行かないよ。男として」
「その・・・男じゃ無くなっちゃうのよ。笑」
「あはは、琴美さんも言っていたじゃないか1〜2ヶ月なら問題無いって」
「・・・・・・・」

「嶋崎さん、嶋崎真砂子さん。カウンセリング室にお入りください」

スピーカから流れる声に話しは中断された。
「それじゃ、行ってくるね」
「頑張って!ここで待ってるから」

真砂子には強がったが僕の頭の中は不安な気持ちでいっぱいになっていた。彼
女が居なかったら、すぐに入国は取りやめて逃げ帰っていただろう。もしかし
たら彼女も僕の手前後には引けなかったのかも知れない。


30分も待っただろうかドアから出て来た彼女はすっかり疲れた顔をしていた。

「どうだった?なんだか顔色が悪いよ」
「たいへんなところに来てしまったかも知れないわ」
「なにか言われたの?」
「私のマゾ性についていろいろ質問されたの」
「うん」
「先生がそれを分析してコメントしてくれるんだけど、先生の言うには私は典
  型的なマゾだって言うの、ただ、潜在的な罪悪感から拒否する殻のような物
  が強いので入国に当たっては、しばらく強制治療が条件だそうなの」
「条件?」
「そう、入国の条件だと言われたのでしかたなく承諾したわ」
「その強制治療ってなんなの?」
「具体的には・・・・」

「森川さん、森川真由子さん。カウンセリング室にお入り下さい」
「僕だ、後で話しを聞かせて」

僕はカウンセリングのドアを開けて中に入った。先生はデスクの資料を眺めて
いた。

「失礼します」
「はい、そこに掛けて」

資料に目を通しながら僕には目もふれずに椅子に坐るように言った。しばらく
して顔を上げると僕の方を向いて質問を投げかけて来たのである。

「森川真由子さんだね」
「はい」
「いつから女性への変身願望を持つようになったんだね」
「・・・・・中学校の時です」

僕は姉に隠れてブラジャーを着けた時のことを思い出していた。

「具体的に説明してくれるかな」
「はい、私には2歳年上の姉が一人いるんですがいつの日か姉を女性しとて意
  識したんです。恋愛感情とかではなくて膨らんだ胸や大きなお尻、丸みを帯
  びた身体に女性を発見したんです」
「続けて」
「普通ですと異性を求める感情が高ぶるんでしょうが、僕の場合はそれを自分
  の身体に対して求めていました。ある日、着ている衣服によってそれは求め
  られるのではないかと思い誰も居ない時、コッソリと姉の衣服を身に着けて
  みました。そして鏡に写る自分を見ながらオナニーをしてしまったのです」
「成長過程ではよくあることだね。それからは?」
「しばらくして、雑誌のヌード写真を友達の家で一緒に観ました。友達は異性
  のヌードを見て男として興奮していたようなのですが、僕はそこに映ってい
  る女性が自分だったらと考えて興奮していたのです」
「なるほど」
「家に帰ったら誰も居なかったもので、さっそく姉のショーツとブラジヤーを
  身に付けてみました。しかし、鏡に写った自分は衣服の時と違って明らかに
  女性のそれとは違っていて、胸に膨らんだものが無い変わりに股間が膨らん
  でいたのです。醜い自分にゲッソリしてしまいどうしたら女性のような身体
  になれるか考えていました」
「君は自分自身が憧れる女性の身体になりたいわけだ」
「はい」
「君の場合、見るからにキャシャな体格で身長も170cmは無いかな?十分
  身体的な素質はあるようだな。話しを続けて・・」

確かに僕の身長があと10cmも高くて体格がよければこのような事は考えな
かったかも知れない。僕は先生に促されて話しを続けた。

「また、しばらくするとその友人にSMマガジンを見せられました。以前より
  も興奮してしまいました。それ以来、オナニーをする時は女性の身体になっ
  自分が縛られたりしている所を必ず想像するようになりました」
「この国は君の理想郷だな」
「はい」
「しかし、空想通りには行かないことが多いかも知れないよ」
「どう言うことでしょうか?」
「君の空想は君の望んだ時にしか見ないだろ?、しかし、現実はいつもその状
  況に置かれるんだよ」
「はい」
「君は自分で犯されたいと思う時に犯される空想をするが、現実はそんな事を
  考えていなくても犯されるかも知れない」
「覚悟は出来ています」
「見たところ、仕種や身だしなみは普通の男性のようだが」
「仕事柄仕方が無いんです。本当は髪の毛や爪も奇麗に伸ばして見たいと思っ
  ています」
僕はカウンセリングで入国が取り消されないように少し嘘もついていた。

「ところでホルモン治療はいつから始めているのかね」
「いえ、なにもしていません」
「そうかね、肌が奇麗なので女性ホルモン摂取をしていると思ったよ」
「いえ」

僕はホルモン摂取をしていない事を強調した。先程の琴美さんの話しにあった
ホルモン治療を始めてから6ヶ月で性転換手術と言う言葉が頭の中にこびり付
いていたのだ。調子に乗って嘘をつくと明日にでも手術をさせられかねないと
思ったのである。

「君はテストステロンの量が少ないのかな?」
「なんですか?そのテスト・・・なんとかって」
「男性ホルモンだよ。一般的に女性はエストロゲンとプロゲステロンを男性よ
  り多く持っていて、男性はテストステロンを多く持っているんだ」
「そうなんですか」
「普通より早く性別再判定手術が可能かも知れないよ」
「・・・・・・・」
「性別再判定手術って・・・」
僕は念のため確認した。

「一般的には性転換手術と言っているが、いろいろな手術を総称して言ってい
  るんだよ。具体的には乳房切断術、乳房縮小術、去勢、精巣切除術、陰茎切
  断術、腟形成術、子宮切除術、卵管切除術、腟切除術、卵巣除去術、陰茎形
  成術や豊胸手術、喉頭隆起(喉ぼとけ)削減手術などがある」
「一度に言われてもよくわかりません」
「その時が来たら詳しく説明してあげるよ。ただ、睾丸摘出手術はホルモン治
  療の状況によっては1ヶ月くらいでしてあげられるかもしれないな」
「一ヶ月ですか」
「あはは、すぐに手術が出来ると思っていたのかね。まっ、検討してみるよ」
「・・・・・・あっ、ありがとうございます」
「取りあえず、ホルモン治療から始めるからね」
「・・・・・・はい」

(睾丸摘出って・・玉を取ってしまう事だよな・・・・)
(一ヶ月後には去勢されてしまうのか・・・・・・・・)

「それと君は普段、女性として生活をしていなかったようだから、細かい事は
  同室の益田恵子に相談に乗ってもらいなさい。彼女には私から頼んで置くよ」
「はい」
「とにかく、今日から君はフルタイムで女性だ。女性特有の周期もホルモンで
  体感させてあげるから。笑」
「女性特有の周期ですか?」
「身体的に問題が無ければ周期的に酢酸メドロキシプロゲステロン(プロベラ)
  5.0mgを飲ませてあげよう。黄体ホルモンのひとつだよ」
「はい、よろしくお願いします」

僕はこの時、何を言われているのかわからなかったのであるが、先生の口調か
ら僕に対する好意だと思ったのである。

「ふむ、良い心がけだ。身体の検査に問題が無ければ良いな」
「はい」




カンウセリング室を出ると真砂子の姿は無かった。すでに検査に行ってしまっ
たようである。

「森川さん、森川真由子さん、B検査室にお入り下さい」
スピーカから流れる指示に従って僕は続いて検査室に入った。

「失礼します」
その部屋には白衣を来た男性の先生とお尻が見えそうな極端に短いピンクの衣
服を着た女性がいた。

「森川真由子さんですね」
「はい」
「全裸になってこれに着替えてください」
女性は看護婦なのであろう。彼女から薄いピンクの衣服を受け取った。

「早くして下さい」
「ここで・・・ですか?」
「そうですよ」

僕は看護婦さんに背を向け全裸になって渡された衣服を着た。人間ドックなど
で着るものと同じ薄い布で作られた衣服であるがズボンが無い、上着だけでは
膝上20cmくらいの丈しかなく下着も穿いていないのでとても心もとない。

「では、説明します」
紙を受け取ると看護婦さんは検査項目を早口で説明しだしたのである。身長、
体重に始まって血圧、尿検査、血液検査、心電図、超音波、レントゲン、CR
など僕の知りうる全ての検査項目が羅列されていた。

「このカップに線のところまでお小水を取って来てください。トイレはドアを
  出て右に行った突き当たりです」
「はい」

この棟は病院も兼ねているのだろうか検査室を出てトイレに行く廊下で2人の
男性と擦れ違ったが二人とも薄いブルーの同じような衣服を身につけていた。
もちろんズボンを穿いていたのである。この服は明らかに女性用である。僕は
顔から火が出るような思いを抑えて早足で歩いていた。
トイレは検査室から20m位のところにあったが、入り口のマークは赤で描か
れた、お馴染み女性用を表すトイレであった。近くを見回すが男性ようが見当
たらないのである。その時、女性用トイレの中から僕と同じ服を着た女性が出
て来たのである。やはり僕の着ている衣服は女性用の衣服であったのだ。僕は
そんなことを思いながら彼女にトイレの場所を尋ねる事にした。

「すみません」
「はい?」
「男性用のトイレはどこですか?」
「この建物の反対側よ」
僕は指示された方向と逆に来てしまったようである。
「えっ、そうなんですか。看護婦さんに言われて来たんですが」
「じゃ、ここで良いんじゃないかしら?お小水の採取でしょ?」
「はい」
「ここが女性用ですから」
「あっ・・・・・・・・」

僕は女性として入国していることを忘れていたのである。彼女は容姿ではなく
着ている衣服で僕を女性と判断したのであろう。
「今日、来たばかりなのね。頑張りなさい」
「はい、ありがとうございます」

女性が離れて行くのを見て僕は女子トイレに入っていった。幸い中には誰も居
ないようである。当然、男性トイレにあるような小便器は並んでいない。一番
手前の個室に入り僕はお小水の採取をして急いでトイレを出たのである。

流れるように検査は進んだ。

「それではそこのベットに寝て横向きになって下さい」
「はい」
「ちがうわよ。あっちを向いて下さい」
「あっ、すみません」
「先生、準備が出来ました」
「おぅ」

ゴム手袋をしながら先生が近づいて来た。指にゼル状のものをつけ終えると僕
の衣服を捲し上げたのである。

「力を抜いて」

お尻を二人の視線に曝されているのがわかる。開かれたお尻は肛門を露にして
いると考えると恥ずかしくて仕方が無かった。

「ほぅ、奇麗なアヌスだな。もしかして未使用かな?」
「・・・・・・・」
「どうなんだ?」

僕が黙っていると先生は返事を諦めて検査を続けた。

「まぁ、いい。長年やっていると私には判るんだよ。たまに使い古しのマゾ男
  が来るんだが、君の場合は奇麗だから調べ甲斐があるな。笑」
「・・・・・・・」
「どうだ?ここが感じるだろ」

先生は僕の肛門の回りをクルクルと円を描くように撫で回すのである。
「・・・・やめてください」
「うん?気持ち良くなってしまったか?」
「恵子君、前を調べなさい」
「はい」

そう言うと恵子と言われた女性が僕の前を覗き込みペニスの勃起を確認するの
である。

「感じているようです」

恥ずかしいことに僕の息子は自分の意志に反してアアスを撫でられ勃起してし
まったのである。

「やはりな。バージンだからこれだけで感じるんだよ。笑」
「恵子は咥えたくなったんだろ?」
「・・・・・・・・・・・・はい」

恵子と呼ばれている看護婦もマゾとして調教されているようであった。先生の
質問に対して一瞬、躊躇したようであるが、それが命令であるかのように僕の
ペニスを掴んだのである。

「おいおい、恵子も淫売だな。今は仕事中なんだから自重しなさい」
「すみません」
明らかに先生は看護婦を弄んでいるのである。

「すみませんね。真由子さん。すぐに検査を終わらせますから、そうしたら恵
  子と遊んでやって下さい」

そう言ったと思うと指を僕の中に侵入させて来たのである。

「う〜ん、締りも良いようだな。でも少し拡張して置かないと壊れるかも知れ
  ないぞ」
「恵子君、例のものを」
「はい、大きさは?」
「一番小さいもので良いよ。徐々に大きくするから」
「はい」

僕は何を準備しているのか気になって振り向いた。
「気になるかね?」
「はい」
「この国の毒牙から君を守ってあげるんだよ」
「どうぞ」

看護婦が先生に何かを渡したようである。先生の指が僕の中から出て行ったの
がわかった。

「もう一度力を抜いて」
何かが肛門にあたった。そのモノは先生の指より少し太いのであろうか、先程
より圧迫感がある。

「はい、そのまま立って」

僕は言われるままに立ったがお尻からは黒い布がぶら下がっているのである。
布の先には金具のようなものも付いている。

「装着して」

看護婦は指示されるとその布を僕の股間を通して装着しだしたのである。
「失礼」

そう言うと看護婦は僕のペニスを手で掴み布の切れ目に通した。装着されて初
めて分ったのであるが、それはハイウエストのTバックのようなものでパンテ
ィーからペニスのみがニョッキリと出たようになっている。キツク絞り上げら
れている為にアヌスに入れられた栓はそのまま動こうとはしなかった。その上、
二つの玉までもが居所を失い体内に上がってしまっているのである。

「・・・・これは・・・」
「今のままでは、今夜、心無い男にアヌスを壊されてしまうので、そうやって
  防御してあげたんだよ。徐々に太いものを挿入して少し訓練する必要がある
  からね。その後、一般公開にしような」

先生の話しでは例の規則により食事の後にパートナーの居ない僕は男から指名
される可能性があるらしい。その時に心無いサド男は強引に調教と言うことで
僕の肛門を弄ぶ可能性があると言うのである。

昨日、食事の後、見た光景が男性である僕の身に降りかかるとは考えていなか
ったのである。

「お風呂に入る時は貞操帯は外しても良いがアヌス栓は外したら駄目だよ」
「トイレはどうしたら」
「下痢止めを出してあげるよ。便秘にってしまうが・・・まぁ、女性だったら
  よくあることだ」
「・・・・・・・・・」
「それとプレマリンを出すから朝、昼、晩と寝る前に飲むように」
「そのプレマリンってなんですか?」
「女性ホルモンの一種で卵胞ホルモン製剤だよ。黄体ホルモンは今から注射す
  るからね。島田先生の所見に書いてあったが女性特有の周期を体感したいん
  だろ?」
「・・・・・・・・・」
「違うのか?」
「いえ、そうです」

拒否すると前の先生が嘘をついていることになる為、否定は出来なかったのだ。
黄体ホルモンを注射され僕はお尻の穴に栓をしたまま、検査室を後にした。




ロビーに戻ると真砂子がソファーに坐って僕を待っていた。遠目には下を向い
て泣いているようである。

「どうだった?」

真砂子は声を掛けられるとビックリしたように僕を見上げた。目が真赤である。

「もう終わったの?」
「あぁ、なにかあったのか?目か真っ赤だけど」
「うぅん、ちょっと欠伸をしたから涙が出てきちゃっただけ」
「そうか?」

僕は明らかに泣いていたと思ったのだが僕はそれ以上追求をしなかった。

「ところで、さっき途中で話しが途切れた・・・強制治療ってなんだい?」
「・・・・・・・・」
「黙ってないで、なんでも僕に話してくれよ。僕には聞く権利があるだろ?」
「そうね、私に付き合ってくれてるんだものね」
「あぁ」
「・・・・・・・・子宮の中を検査されたりしたの」
「そうなんだ・・・」
「それはまだ仕方ないんだけど・・・・・」

真砂子はそれでも話すことを躊躇しているかのようであった。

「言いたくないんだったら言わなくても」
「その時に機械のようなモノを入れられて・・これを黒田に渡すようにって」

リモコンスイッチのようなモノを真砂子は僕に見せた。
「なんだい?それ」
「よくわからないんだけど・・・私をマゾとして調教するものだって」
「・・・・・・・」
「先生は治療機器だと言ってたけど・・・・」
「黒田に渡す前にどんなモノか知っておきたいけど自分じゃスイッチを入れる
  勇気がなくて・・・・森川君、スイッチを入れてくれる?」
「壊してしまえば?」
「そう思うけど、演技はしないとすぐにバレテしまうでしょ?」
「それはそうだが・・・・」
「一度は体験しておかないと、、、ねっ、お願い」
「そう言うことなら・・・」

僕はリモコンを受け取りスイッチをいれた。真砂子の身体が一瞬ビクッとした
ようだったが顔は平静を装っている。

「どうだい?」
「中で振動しているみたい。ピクピクするの」
「バイブレータか」
「レベルのようなものがあるでしょ。強くしてみて」
「いいのかい」
「えぇ」

僕はリモコンスイッチのレベルを一つ上げてみた。

「彼女の顔が少し引きつっている」
「ピクピクが大きく早くなったわ」
「もうやめよう」
「もっと、強くして」
「OK」
「・・・・・・・・・・・・・・」

真砂子は声を出せなくなってしまった。彼女は僕の服を握って一生懸命堪えて
いるのだ。
「だ・・・め・・・・」

彼女はバックから慌ててハンカチを取り出すと自らスカートの中に手を入れた
のだ。引き出したハンカチには溢れんばかりの愛液が染み付いているではない
か。

「一番、つ・・・よ・・・く」
「OK」

真砂子は僕がレベルを最高にするとすぐに失神してしまったのてある。
「おい!しっかりしろ」

すぐにスイッチを切ったが彼女の下半身はしばらくヒクヒク動いていた。僕が
慌てて彼女の頬を数回軽く叩くとうなされるように目を開けたのである。

「よかった。大丈夫か?」
「・・・・・・・・・・」
「おい」
「・・・・・・・・・・下半身に激痛が走って」
「・・・・・・・・・・」
「目の前が白く光ったと思ったら真っ暗に・・」
「これは危険だよ」
「その前のレベルは、感じると言うより、分泌線の栓が壊れたみたいに・・・」
「どうする?」
「もちろん壊すわよ」
「そうじゃなくて・・・辞めた方が良くないか」
「ここまで恥ずかしい思いをしたのよ。最後までやり遂げるわ」
「しかし・・・・・」
「森川君は帰ってもいいわよ。オカマになった君を見たくないし。笑」
「笑い事でも無いんだけどな」
「もしかして・・・・・・・」
「僕はすぐにでも犯されるかも知れない立場なんだ」
「なんとか貞操は守りなさいね。男で入られなくなるわよ。笑」

アヌスを棒状の栓で今も犯されていることを真砂子には告白できなかったので
ある。

「ところで、女性特有の周期って月のモノだよな」
「そうでしょ」
「どうな感じなんだろ」
「どうして?急に・・」
「いや、先生が僕に体感させるって」
「あはは、それは是非、お願いしたいわね。女の気持ちが判るから」
「・・・・・・・・なんだか、熱っぽいような眠くてダルイような」
「そうそう、笑。後・・・お腹も痛くなるわ」
「えっ・・・・」
「頑張ってね」
「人の不幸で元気になるなよな」