◆ 分子の重ね合わせ(3)/甘味物質の秘密 ◆
Jmol版(重ね合わせデータなし,文献情報掲載)

[TOPIC] 2002/07/09,ネオテームの記事と分子モデル追加
[TOPIC] 2002/03/03,スクラロースの記事とスクロースとの重ね合わせ分子モデル追加


 上図は甘味のある物質が,甘味物質の受容体に結合するために共通して持つ構造として有名なものです。古典的なものですが,定量的構造活性相関(QSAR)という手法で人工甘味料を開発する場合などにも参考にされる場合があります。


球棒モデル  空間充填  OFF(スティック)
色分け1  色分け2  OFF(CPK)
初期化(色分け1のスティックにし,重ね合わせ元原子のみ球棒)
O原子のみ橙の球で表示  N原子のみ紫の球で表示

★以下では色分け1で各分子を個別(順次)表示・消去可能
全分子消去
選択分子スティック  選択分子球棒  選択分子CPK(光量50%)→ 光量35%→ 光量20%
α-グルコース 消去  スクロース(ショ糖) 消去
パラチノース(イソマルツロース) 消去
アスパルテーム 消去
サッカリン 消去  アセスルファム 消去

甘味分子の重ね合わせ(α-グルコース,スクロース,パラチノース,アスパルテーム,サッカリン,アセスルファム)
 



表示可能な画像例
 


球棒モデル  空間充填  OFF(スティック)
色分け1  色分け2  OFF(CPK)
初期化(色分け1のスティックにし,SchallenbergerのA[H]・B・Xを色の濃い球に)

α-グルコースとサッカリン

・色分け1(Chain):青がα-グルコース,赤がサッカリン
・色分け2(Group):主にグループ(置換基)で色分け

球棒モデル  空間充填  OFF(スティック)
色分け1  色分け2  OFF(CPK)
初期化(色分け1のスティックにし,SchallenbergerのA[H]・B・Xを色の濃い球に)

アセスルファムとサッカリン

・色分け1(Chain):青がアセスルファム,赤がサッカリン
・色分け2(Group):主にグループ(置換基)で色分け

球棒モデル  空間充填  OFF(スティック)
色分け1  色分け2  OFF(CPK)
初期化(色分け1のスティックにし,SchallenbergerのA[H]・B・Xを色の濃い球に)

α-グルコースとアスパルテーム

※アスパルテームは本ページ作者がPM3計算したもので,安定構造ではありません(下記文献「味とにおいの分子認識」p.23に結晶構造モデル図あり)。またアスパルテームのXは,「味とにおいの化学」p.119では-COOCH3の部分がしてあり,上のモデルはそのうちの炭素の一方を選んで重ね合わせたものです。

・色分け1(Chain):青がα-グルコース,赤がアスパルテーム
・色分け2(Group):主にグループ(置換基)で色分け


球棒モデル  空間充填  OFF
色分け1  色分け2  OFF

α-グルコースとキシリトール

※キシリトール(xylitol,別名キシリット Xylit)は近年虫歯になりにくい甘味料としてガムなどに含まれるようになった糖アルコールで,シラカバなどの樹木に含まれるD-キシロースを還元して得られます。α-グルコースの構造との比較,シャーレンバーガーの甘味構造と比較をしてみましょう。

・色分け2(Chain):青がα-グルコース,赤がキシリトール
・色分け1(Group):主にグループ(置換基)で色分け


いろいろな甘味分子(初期表示はα-グルコース)

空間充填  球棒モデル  スティック  OFF
Dot Surface表示  OFF |  ラベル表示  OFF
Electrostatic Potential  Lipophilic Potential  OFF
specular  OFF |  光量30%  OFF
軸表示  OFF |  bounding box表示  OFF
原子球・白  OFF(CPK)
背景・黒  背景・灰  背景・白
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α-グルコース 距離  OFF
β-グルコース 距離  OFF
マルトース
ラクトース
トレハロース
スクロース(ショ糖) 距離  OFF
スクラロース(新甘味料;Cl含有)
パラチノース(イソマルツロース) 距離  OFF
キシリトール 距離  OFF
ステビオサイド(ステビア甘味成分の例) 距離  OFF
  ※ステビア甘味成分の骨格を球棒表示 →
アスパルテーム 距離  OFF
  ※別データ(下の参考図参) →
ネオテーム(neotame) 距離  OFF
  ※別データ(下の参考図参) →
サッカリン 距離  OFF
アセスルファム 距離  OFF
  ※甘味料はアセスルファムカリウム

距離は考えられるSchallenbergerのA[H]・B・Xの例について表示
(Sculpt Modeで内部回転させながら距離表示可能)



参考図 アスパルテームとその誘導体(ネオテーム)の“L-Shaped Conformation”の例
※下記,網野裕右氏の解説(図3の化合物2がネオテーム)参照;conformationはかなり異なります.



スクロース選択  スクラロース選択

球棒モデル  空間充填  スティック  OFF
色分け1(初期表示)  色分け2  OFF(CPK)

【参考】スクロースとスクラロース(商品名スプレンダ)

・色分け1(Chain):赤がスクロース,青がスクラロース
・色分け2(Group):主にグループ(置換基)で色分け

※スクラロースは有機塩素化合物であるために代謝を受けず,残存するヒドロキシ基により水溶性を示して排泄も容易と考えられる(環境中での動態は?).


R = H(150x),F(1000x),Cl(2200x),Br(3000x),I(7500x)
※スクラロース(R = OH;甘味度 650x)とその4'-ハロゲン誘導体の甘味度.「味とにおいの分子認識」p.55より.

スクラロースに関するその他の情報


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