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●データ引用:八島栄次,『分子のらせん構造の自己修復』,化学と教育,2001年3月号,p.126

◆ らせん分子の自己修復/DNA ◆
(2001年5月11日掲載)
 生物の世界の化合物の多くに,分子の“右手”・“左手”という鏡像体の一方だけが存在していることはよく知られており,それらがつながってできるらせん構造を有する高分子のらせんにも右巻き・左巻きがあります。代表例がDNAとタンパク質で,これらはどちらも右巻きのらせんになっており,構造に自己修復性があることやその構造が分子の働きと密接に結ぶついていることもよく知られています(例えばタンパク質の加熱などによってこの自己修復性が消失して機能が失われるのが変性です)。
 今回取り上げた記事は,人工的にそのような(高)分子を作る研究について詳しく解説したものです。代表的ならせん高分子の紹介から始まり,著者らが見出したポリフェニルアセチレン誘導体のらせん誘起とその記憶1),その他の誘起らせん分子についてわかりやすく書かれています。
(詳しくは上記解説と参考Webページをご覧ください)


天然のらせん分子の代表例のDNA部分構造とその鏡像体(アニメ画像)。どちらが本物の右巻きらせんDNAでしょう?

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