◆ 今週の分子 ◆
連載95(2005/09/01〜):
DNAのG-四重らせん構造の例(PDBデータ2A5Rより)
= テロメアと『テロメアの帽子』の話題を含めて =
Chime版DNAとRNAのいろいろな姿


DNAのG-四重らせん構造例1kf1
Telomere - Wikipediaに画像掲載のデータ

 今年6月に創刊されたNature Chemical Biologyの最新トピック(無料の利用者登録が必要)の中に,

という記事が出ていたのを参考に,見慣れている二重らせん構造とは異なったDNAの一面を表現してみた。なお,四重らせん構造(四重鎖構造)は,テロメア(telomere)DNAでも見ることができ,こちらではG-四量体の中央にK+イオンが存在する。


※参考:生体分子のかたちの不思議/DNAの2つの姿


バックボーン 二次構造
全選択 タンパク質選択
DNA/RNA選択 同バックボーン選択 RNA選択 G(guanine)選択
リガンド選択 
空間充填 球棒 同(球大き目)
スティック スティック(太) 針金
DNA/RNA(ATGCU
Chain色 CPK色 | Jmol色 Rasmol色 | 濃赤 濃青
酸性・中性・塩基性区別 極性・非極性区別
疎水性インデックス順 I/O値順(特性基 R) 等電点順
コンホメーション選択性(αヘリックスβストランド#
水素結合(太) OFF
 
 
背景・黒 灰 白 
DNAのG-四重らせん構造の例 初期表示(1組のG-四量体の強調) 2A5RのModel 1(初期表示;ポルフィリン含む)
※1組のG-四量体を空間充填表示,ポルフィリン(ポルフィン)誘導体をスティック表示
2A5PのModel 1(ポルフィリンなし)
 G-四量体例選択(2A5R・2A5P共通)
  その1(6,15,19,24),その2(5,9,14,18),その3(4,8,13,17),1〜3

RNAG-四重らせん構造の例 7Q48のModel 1 G(guanine)選択

参考(ヒトのテロメアDNAの例;ヒトのテロメア反復配列はTTAGGG
1KF1* “テロメアの帽子”表示(話の種参照)
 G-四量体例選択(1KF1)
  その1(4,10,16,22),その2(3,9,15,21),その3(2,8,14,20),テロメア配列TTAGGG選択(1KF1)
  その1(5-10),その2(11-16),その3(17-22),1〜3

1K8P*
 G-四量体例選択(1K8P)
  その1(5,11,17,23),その2(4,10,16,22),その3(3,9,15,21),1〜3

8JFQのModel 1
 G-四量体例選択(8JFQ)
  1〜3


アミノ酸および特性基の親水性・疎水性Log Pをポケットに!



2A5Rより(画像はChime版で作成,クリックで拡大)


2023/08/02公開8JFQのModel 1
Structure of the Major G-Quadruplex in the Human EGFR Oncogene Promoter Adopts a Unique Folding Topology with a Distinctive Snap-Back Loop(JACS,2023/07/17)


  
〔左〕絵本「テロメアの帽子」のサイト
〔右〕1KF1データで作成したテロメアの“帽子”(テロメアの繰り返しTTAGGG×3を球棒表示,G-四量体×3とK+イオンを空間充填表示)


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