◆ ビスフェノールAが結合したエストロゲン受容体γ(環境ホルモンを考える) ◆
★今週の分子/連載110(2007/09/12):エストロゲン受容体γ(2E2Rより)

RCSB Protein Data Bankで2007/09/11に公表された新規公開データの中に,ビスフェノールAが結合したエストロゲン受容体γの構造データがありました。近年内分泌攪乱物質(環境ホルモン)に対する関心は低くなっているようですが,合成化学物質と生体分子との相互作用など,幅広い観点から詳細な研究が続けられています。

PDB 2E2RAbstract (PubMed)
※参考:Googleによる“ビスフェノールA 受容体 OR レセプター”検索結果


今,内分泌攪乱物質(環境ホルモン)の研究は?


ビスフェノールAが結合したエストロゲン受容体γ(2E2R

 2E2R ビスフェノールA 選択
【他のエストロゲン受容体の例とそのSITE部分】
※SITE情報の記載がないものは1QKUのSITE情報と同一配列番号のアミノ酸を抜き出して作成
 1EREのChain A(女性ホルモン17β-エストラジオールを含む)|SITE
 1ERRのChain A(骨粗鬆症治療薬ラロキシフェン〈raloxifene〉含む)|SITE
 3ERDのChain A(ジエチルスチルベストロール〈diethylstilbestrol,DES〉を含む)|SITE

バックボーン 二次構造
全選択 タンパク質選択
DNA/RNA選択 同バックボーン選択 RNA選択
リガンド選択 
空間充填 球棒 同(球大き目) スティック 針金
DNA/RNA(ATGCU
アミノ色 CPK色 | 濃赤 濃青
Jmol色 Rasmol色
酸性・中性・塩基性区別 極性・非極性区別
疎水性インデックス順 等電点順
コンホメーション選択性(αヘリックスβストランド#
水素結合(太) OFF
 
 
背景・黒 背景・灰 背景・白


※amino表示の凡例
ASP GLU CYS MET LYS ARG SER THR PHE TYR
ASN GLN GLY LEU VAL ILE ALA TRP HIS PRO

= 以下の表示はアミノ酸の親水性・疎水性参照 =
酸性中性芳香族〉・塩基性アミノ酸区別表示の凡例
ASP GLU GLY ALA VAL LEU ILE CYS SER THR
ASN GLN PRO MET
 PHE TYR TRP LYS ARG HIS

極性酸性塩基性〉・非極性(疎水性)アミノ酸区別
SER THR TYR CYS ASN GLN ASP GLU LYS ARG
HIS
 GLY ALA VAL LEU ILE PHE PRO MET TRP

※疎水性インデックス順
ARG LYS ASN ASP GLN GLU HIS PRO TYR TRP
SER THR GLY
 ALA MET CYS PHE LEU VAL ILE

※等電点順
ASP GLU CYS ASN PHE GLN TYR SER MET TRP
VAL GLY LEU
 ALA ILE THR PRO HIS LYS ARG

# アミノ酸のコンホメーション選択性参照。



 No.  分子名
カリックス[6]アレーン + C60
ダイホルタン
ネオテーム
メチシリン
Ca結合タンパク質の例(PDBデータ1A03より)
牛インスリンの例(PDBデータ1WAVより)  2002年ノーベル化学賞関連
マイレックス
フェンタニル
?《クイズ》
10 ラズベリーケトン
11 L-チロシン
12 PFOS(スルホン酸型)
13 HFE-254pc
14 17β-エストラジオール
15 コウジ酸
16 リシン〔ricin〕
17 ビタミンE〈トコフェロール〉
18 サリドマイド
19 DNA
20 がん抑制遺伝子p53(PDBデータ1TUPより)
21 リバビリン
22 PQQ〈ピロロキノリンキノン〉
23 ジフェニルシアノアルシン
24 ミルナシプラン
25 セドロール
26 ククルビタシン A
27 SARS関連PDBデータ例(1P9Sより)
28 L-テアニン
29 グリチルリチン
30 N-エチル-4-メンタン-3-カルボキサミド
31 エストロゲン受容体4種のSite部分重ね合わせ(PDBデータ1ERE,1ERR,3ERD,3ERTより)
32 ヒアルロン酸(繰り返し単位)
33 アラピリデイン
34 金の入ったタンパク質例(PDBデータ1HUGのSITE部分)
35 レスベラトロール
36 BCAA
37 6-ベンジルアミノプリン
38 イオンチャネルタンパク質の例(PDBデータ1BL8より)  ※2003年ノーベル化学賞関連
39 正常プリオンタンパク質例(PDBデータ1QLZより)
40 DDT,ディルドリンほか
41 パロキセチン
42 オセルタミビル(抗インフルエンザ薬関連)
43 ポリエチレンテレフタレート(PET)
44 デキサナビノール
45 シャペロニンの例(PDBデータ1GRUより)
46 カプサイシン
47 タクロリムス
48 フェンチオン
49 鳥インフルエンザウイルス関連PDBデータ例(1JSOより)  鳥インフルエンザ情報
50 インフルエンザウイルス関連PDBデータ例(1INGより)
51 アボパルシン
52 カシュメラン
53 正常プリオンタンパク質例2(PDBデータ1QM2より)
54 塩化メチル水銀  ※参考:水俣病
55 シトクロムP450の例(PDBデータ1OG5より)  ※参考:P450部分データ集
56 温室効果ガス(京都議定書の削減対象)
57 PCBの代謝酵素例(PDBデータ1LKD)
58 塩化カルプロニウム
59 ニコチンが結合したアセチルコリン結合性タンパク質(PDBデータ1UW6より)
60 抗がん剤イマチニブが結合したタンパク質(PDBデータ1IEPより)
61 メチルフェニデート
62 アトルバスタチン
63 ジクロルボス〈DDVP〉
64 最小タンパク質シニョリン(PDBデータ1UAOより)
65 エチニルエストラジオール  ※参考:低用量ピル
66 HIVプロテアーゼと阻害剤(PDBデータ1OHRより)  ※参考:HIVとエイズ
67 5-MeO-DIPT(通称フォクシー)  ※参考:薬物事典
68 ユビキチンの例(PDBデータ1D3Zより)  ※参考:ユビキチン
69 プロテアソームの例(PDBデータ1G0Uより)  ※参考:ユビキチン
70 コエンザイム Q10  ※参考:水溶性ビタミンと脂溶性ビタミン
71 ミフェプリストン  ※参考:ピルの話題 (2)
72 フィナステリド  ※参考:生活改善薬
73 アセトアルデヒド
74 アンドロステノン
75 β-カリオフィレン
76 クラスリンの例(PDBデータ1XI4より)
77 アデノシン
78 フィブリノゲンの成分例(PDBデータ1LTJより)
番外 星形分子(実在しない分子です)
79 MOLDAで組み立てたタンパク質モデル例 Jmol版
80 エテンスルフェン酸の分子振動  ※参考:分子振動データ集
81 MDMA(iモルダ掲載分子から)  ※参考:薬物事典
82 レトロウイルスのキャプシド六角環構造(PDBデータ1U7Kより)
83 スクラロース  ※参考:甘味物質の秘密
84 時計タンパク質の例(PDBデータ1TF7より)
85 ロドプシンの例(PDBデータ1L9Hより)  ※参考:PDBとSOSUIを利用した演習
86 キネシンの例(PDBデータ3KINより)
87 チミン二量体を含むDNAの例(PDBデータ1T4Iより)  ※参考:DNAの脆弱性と強靭性
88 カドヘリンの例(PDBデータ1EDHより)
89 メタロチオネインの例(PDBデータ1DMDより)  ※参考:バイオレメディエーションとファイトレメディエーション
90 タウリン
91 DESを含むエストロゲン受容体の例(PDBデータ3ERDより) …「予防原則」を取り上げた本から
92 BCAAその2;Leucine Zipperを含むタンパク質例(PDBデータ1A02より)
93 T4ファージのgp5タンパク質例(PDBデータ1K28より)
94 バクテリオロドプシン中のレチナールの例(PDBデータ1R2Nより)
95 DNAのG-四重らせん構造の例(PDBデータ2A5Rより) Jmol版
96 ヌクレオソームコアの構造例(PDBデータ1EQZより)  ※丸善「化学便覧 基礎編 改訂5版」CD-ROMに収載のPDBデータから
97 コレラ毒素の例(PDBデータ1XTCほか)
98 コラーゲンの例(PDBデータ1BKVほか)
99 ピロリ菌由来タンパク質の例(PDBデータ1JI4)  ※2005年ノーベル生理学医学賞関連
100 “知恵の輪”分子カテナンの例 …2005年ノーベル化学賞に関連して
101 糖鎖を含むタンパク質の例(PDBデータ2MSBほか)
102 対称構造を持つオリゴマータンパク質の例(PDBデータ1G31ほか)  ※参考:PQSによるタンパク質複合体構造(Jmol版)
103 紅花の色素カルタミン
104 ラメラリン α20-サルフェート(HIVインテグラーゼ阻害剤)  ※参考:HIVとエイズ
105 アプタマーの例(PDBデータ1KOCほか)

 No.  分子名
106 甲状腺ホルモンと受容体の例(PDBデータ1Y0Xほか)
107 “経口中絶薬”RU-486 を含むPDBデータ例(1NHZより)
108 RNA干渉関連PDBデータ例(2AZ0より) …2006年ノーベル生理学医学賞に関連して
109 真核生物の遺伝情報転写(1R9Tより) …2006年ノーベル化学賞に関連して
110 ビスフェノールAが結合したエストロゲン受容体γ(環境ホルモンを考える)(2E2Rより)  ※参考:環境ホルモン情報


「生活環境化学の部屋」ホームページ | 「分子の形と性質」学習帳:Jmol版Chime版「今週の分子」トップ