ビスフェノールAとポリカーボネート

bisphenol A
(C15H16O2,融点=150〜159℃)

polycarbonate
(融点=220〜230℃,ガラス転移温度=約150℃)

※分子表示plug-inについては,「分子の形と性質」学習帳の注意事項をお読み下さい.同ページから「高分子事典」へもジャンプできます.

【解説】
 ポリカーボネートは,主鎖中に炭酸エステル結合 −O−R−OCO− を持つ線状高分子で,グリコールまたは2価のフェノールにホスゲンまたは炭酸エステルを反応させて作られます.
 通常ポリカーボネートといえば,2価のフェノールとしてビスフェノールAを用いた上記の高分子をさします.ビスフェノールAは,2,2-bis(4-Hydroxyphenyl)propane の俗称で,アセトンとフェノールを硫酸または濃塩酸触媒で縮合して得られ,名前の“A”は原料のアセトンからきています.
 ポリカーボネートは耐熱性,寸法安定性,耐衝撃性に優れているほか透明性があることから,エンジニアプラスチックとして多用されています.身近なところでは,音楽用のCDやパソコンのCD−ROMの基盤,ほ乳びん,業務用食器などにも使われています.
 なお,1995年の日本のプラスチック生産量は以下のようになっています.

種族 生産量/千t 割合/%
ポリエチレン(低密度) 1,748 11.6
ポリエチレン(高密度) 1,238 8.2
ポリプロピレン 2,501 16.6
ポリスチレン 2,149 14.3
ポリ塩化ビニル 2,274 15.1
ポリエチレンテレフタレート 1,377 9.1
ポリカーボネート 227 1.5
ポリアミド系樹脂 201 1.3
その他 3,346 22.2
合 計 15,061 100.0
(通産省「化学工業統計年鑑」,1995)



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