ペニシリンとD-アラニル-D-アラニンのページで,抗生物質が効かない耐性菌について以下のように記述しました。
医療関係のニュースに時々登場するMRSAはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の略で,抗生物質のメチシリン(ペニシリン系に属する)に対する耐性ができたものである。最近,医療施設内で抵抗力の下がっている患者や高齢者がさまざまな感染症にかかってしまう院内感染が問題になっているが,MRSAに感染して死亡した例もある。バンコマイシン耐性菌(VRE)の出現も脅威となっている。そのような状況の中,2001/12/09の朝日新聞に『愛知県の病院で第三の耐性菌広がる 全国波及の恐れも』(福岡大学第一内科感染免疫グループの記事参照)という記事が載り,“ほとんどすべての抗菌薬が効かない多剤耐性の細菌アシネトバクターが愛知県の病院に広がっている”とあり,この菌に有効な抗菌薬のカルバペネムもまったく効果がなかったと書かれています。
メロペネム(meropenem) |
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パニペネム(カルバペネム系)とペニシリンG(ペニシリン系)の重ね合わせ例
・色分け1(Chain):赤がパニペネム(カルバペネム系),青がペニシリンG(ペニシリン系) |
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【参考】ペニシリンG |