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[TOPIC] 本ページ内容について,日本化学会第81春季年会で発表しました(講演番号:3PB-002,2002年3月28日12:30〜14:00,ポスター発表→転載要旨).
甘味物質の秘密
ホタルの光の秘密 [NEW!]
香り分子と高分子の出会い
エストラジオールとDES,テストステロン
エストロゲン受容体4種のSite部分重ね合わせ
ダイオキシンとインジゴ(ダイオキシン毒性研究のトピックス)
オクタクロロスチレンのコンホメーション
ペニシリンとD-アラニル-D-アラニン
カルバペネム系抗菌薬と多剤耐性菌
「亀-C-C-N」結合で見る脳と分子
話題の制がん剤とモルヒネ誘導体
モルヒネ(モルフィン)とペチジン
セロトニン作動性薬理作用団
向精神薬のフェノチアジンとブチロフェノン
トロンボキサンA2と拮抗剤
神経ガスと有機リン系農薬
DNAとRNAの塩基
アミノ酸の例(2001年度ノーベル化学賞/不斉触媒合成)
バンコマイシンとアボパルシン
シアル酸と抗インフルエンザウイルス薬ザナミビル(鳥インフルエンザ情報)
包接化合物/カリックスアレーンとチアカリックスアレーン
人工ホスト分子/アゾビス(ベンゾクラウンエーテル)
※その他
タンパク質とDNAの基本構造: タンパク質の高次構造(α-ヘリックスとβ鎖),遺伝子DNA/4種類の塩基
異なる繰り返し単位が混在する高分子の例: ビニロン,ポリウレタン系弾性繊維(ポリウレタン部分+ポリエーテル部分タイプの例) → 繊維の種類(2)
はじめに Web上に様々な分子関連データベースが登場し,多くの3D分子を参照できるようになった。本サイトでは教材的なコンテンツを多数公開し,そのような多様な分子の見方の基本を呈示してきたが,分子の比較という視点が分子の形の意味を知るには有効と考え,複数の分子を1つのデータにして表示したり,類似構造がわかるように分子の重ね合せデータを作成したりして,Chimeのscript機能を活用してボタンで表示形式を変えて参照できるコンテンツを作り始めている。ここでは,そのような分子データの作成方法について概説する。
●Chem3Dによる複合分子(包接化合物など)の作成方法 ※分子の組み立て(ChemDrawとChem3Dによる)参照
Chem3D(ここではver.4.0を使用)で組み合わせたい2種類の分子を組立てるか,すでに保存済みの2つの分子データを開く。一方の分子を全選択してコピーし(CTRL+A,CTRL+C),他方の分子の窓に移ってペーストする(CTRL+V)。2つの分子それぞれから適当な原子を1個ずつ選んで(複数選ぶときはShiftキーを押しながら選択),CTRL+Lで表示される表に2原子間の距離を適当に入力して相対距離の初期値を設定する。
その後MM2計算により,2分子の可能な相対位置を求めてデータを任意の形式で保存する。
なお,Chem3Dにはモデルのドッキングという機能もあるので,目的に応じて利用するとよい。
●Alchemy 2000による重ね合わせ分子の作成方法
■Chem3Dにはオーバーレイによるモデルの比較という機能があるが,ここではAlchemy 2000(ver.2.05を使用)のRMS Fit機能を利用した分子の重ね合せについて説明する。以下は,サッカリンとアセスルファムの重ね合わせの例である。
重ね合わせたい2分子を表示し,一方を全選択して(Select→Allまたは分子選択ボタン)コピーし,他方にペーストする。前の分子の全選択は解除しておく(Select→Deselect All)。この時点で併置した各分子は別々に移動・回転ができるので作業しやすいような位置関係に置く。
分子の番号を表示させ(Display→Labels→Number),モデリングツールバーのRenumberツール(下図○印)を押し,重ね合わせの元になる原子の番号を同じにする。以下は→印の各3原子を1,2,3に付け替えているところである。
■次に,モデリングツールバーのSelect Atomツール(下図○印)で,重ね合わせる原子をすべて選ぶ(○印がつく)。
■プルダウンメニューのComputeでRMS Fitを選択する。
■表示されるダイアログボックスで,2つの分子の重ね合わせる原子の番号が表示されていることを確認し,Moveボタン(下図○印)を押してOkボタンを押す。
■重ね合わせられたデータは,Brookhaven PDB形式(拡張子はentでなくpdbにする)で保存する。