2000/09/28朝日新聞科学欄に,『辛いと熱いはいっしょだった/「ホット」の仕組みを解明』という話題。トウガラシの辛み成分であるカプサイシンの受容体のVR1が,カプサイシンの代わりに43℃以上の熱や酸性度の上昇でも活性化されて熱さや痛みの刺激を脳に伝える働きをしていることがわかったとのことです。これを利用して,カプサイシンを鎮痛剤として利用する研究が進展する可能性も紹介されています。米科学誌サイエンスに発表された筑波大学の富永真琴氏らによる研究です。
生物は,体の部品や分子に複数の機能を持たせるという効率的な手段を用いることがありますが,これもその一例といえるでしょう。
※Web上の資料については検索エンジンにより“capsaicin VR1”または“カプサイシン VR1”などのキーワードで検索するとよいでしょう。
《追加トピックス1/ハッカ香と冷感も!》 2002/02/11朝日新聞朝刊には,『ミントの香り、なぜクール 受容体が冷たさも感知』の記事。トウガラシと反対になるわけで,本当に興味深いところです。
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《追加トピックス2-1/コショウの香りでやせる!?》
2002/03には,グレープフルーツやコショウなどの香り成分が脂肪を燃焼させる効果があるという研究結果をもとに,それらの成分を含んだ美容液が売り出されるというニュースがありました。
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《追加トピックス3/辛くないトウガラシ》
2000/12に,日本の研究グループが“辛くないトウガラシ”を品種改良で作り出し,カプサイシンと同じように減量効果をもつ成分カプシエイト(capsiate)を発見したというニュースがありました。食品に混ぜてダイエット効果をねらう研究も進められているそうです。
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