◆ 気候変動と適応 ◆
※旧タイトル:温室効果ガス
※分子モデル表示はMicrosoft EdgeのInternet Explorerモードで可能です。
温室効果ガスの寿命と地球温暖化指数オゾン層破壊物質のODPとGWPドライクリーニング溶剤参考文献・Webページニュース(適宜更新)


温室効果ガスの分子モデル例(初期表示は二酸化炭素)
赤字は京都議定書(環境省資料)で削減対象となったガス6種(二酸化炭素,メタン,一酸化二窒素,HFC,PFC,SF6

空間充填 球棒 球30% スティック スティック(太) 針金
Jmol色 Rasmol色
  
背景・黒 灰 白 
ガス GWP〔100年〕
二酸化炭素 1(基準)
メタン 23
一酸化二窒素* ※オゾン層破壊作用も判明 296
CFC-11 4,000
CFC-12 8,500
CFC-113 5,000
CFC-114 9,300
CFC-115 9,300
Halon1301 5,600
HCFC-22 1,700
HCFC-123 93
HCFC-124 480
HCFC-141b 630
HCFC-142b 2,000
HFC-23 12,000
HFC-125 3,400
HFC-134a 1,300
HFC-152a 120
HFC-227ea 3,300
パーフルオロメタン(PFCの例) 6,300
パーフルオロエタン(PFCの例) 12,500
四塩化炭素 1,400
1,1,1-トリクロロエタン 110
ジクロロメタン 9
クロロホルム 5
六フッ化硫黄(SF6 22,200
トリフルオロメチル五フッ化硫黄 約18,000
【参考】京都議定書(環境省資料)で削減対象となったガス6種の同時表示
二酸化炭素,メタン,一酸化二窒素,HFC(HFC-23),PFC(C2F6),SF6
【参考】NEDO開発の新規冷媒等の例(PDF資料参照)
HFE-245mc(冷媒) 590
HFE-143m(冷媒) 680
HFE-254pc(発泡剤) 330
HFE-347pc-f(洗浄剤) 870
HFE-55-10mec-fc(洗浄剤)
【参考】その他(ドライクリーニング溶剤)
HCFC-225ca 170
HCFC-225cb …異性体あり 530
HFC-365mfc 910
HFE-7100〔ハイドロフルオロエーテル〕 320
テトラクロロエチレン(パークロロエチレン,パークレン)〔塩素系〕
1-ブロモプロパン〔臭素系〕
デカメチルシクロペンタシロキサン〔シリコーン油,環状シロキサン〕
デカメチルテトラシロキサン〔シリコーン油,鎖状シロキサン〕
d -リモネン〔“フルーツドライ”溶剤〕
* 結合形式はChemFinderによる。NISTでは別形式.


表1 温室効果ガスの寿命と地球温暖化指数〔GWP〕
※GWP:単位重量の二酸化炭素の放出による温室効果を1とした場合の,各気体を単位重量放出したときの温室効果の比
ガス  寿命/年  GWP
20年 100年 500年
二酸化炭素 * 5 - 200 1 1 1
メタン * 12 62 23 7
一酸化二窒素 * 114 275 296 156
ハロカーボン類
 CFC-11 50 5,000 4,000 1,400
 CFC-12 102 7,900 8,500 4,200
 CFC-113 85 5,000 5,000 2,300
 CFC-114 300 6,900 9,300 8,300
 CFC-115 1,700 6,200 9,300 13,700
 Halon1301 65 6,500 5,600 2,200
 HCFC-22 13.3 4,300 1,700 520
 HCFC-123 1.4 300 93 29
 HCFC-124 5.9 1,500 480 150
 HCFC-141b 9.4 1,800 630 200
 HCFC-142b 19.5 4,200 2,000 630
 HFC-23 * 260 9,400 12,000 10,000
 HFC-125 * 29 5,900 3,400 1,100
 HFC-134a * 13.8 3,300 1,300 400
 HFC-152a * 1.4 410 120 37
 HFC-227ea 41 4,500 3,300 1,100
 パーフルオロメタン * 50,000 4,100 6,300 9,800
 パーフルオロエタン * 10,000 8,000 12,500 18,000
その他の化合物
 四塩化炭素 42 2,000 1,400 500
 1,1,1-トリクロロエタン 5.4 360 110 35
 ジクロロメタン 0.41 28 9 3
 クロロホルム 0.55 15 5 1
 六フッ化硫黄 * 3,200  15,100   22,200   32,400 
 トリフルオロメチル五フッ化硫黄 # 3,500  約18,000 
【参考】NEDO開発の新規冷媒等の例(PDF資料参照)
 HFE-245mc(冷媒)$ 4.5 1900 590 190
 HFE-143m(冷媒)$ 4.9 2200 680 210
 HFE-254pc(発泡剤)$ 1100 330 100
 HFE-347pc-f(洗浄剤)$ < 6.0 2800 870 270
 HFE-55-10mec-fc(洗浄剤)$ < 5.0
*
http://www.eia.doe.gov/oiaf/1605/ggrpt/tbl3.html (2000)
#http://www.earthfuture.com/stormyweather/greenhouse/
$http://www.nedo.go.jp/iinkai/hyouka/bunkakai/21/1/7-1.pdf
他は http://www.eia.doe.gov/oiaf/1605/95report/chap1.html (1995)
最新情報例は http://www.grida.no/climate/ipcc_tar/wg1/130.htm#tab41aCDIAC


図1 各ガスの地球温暖化指数(100年;縦軸は対数目盛)

CFC(クロロフルオロカーボン)の命名法の基礎
本間・川端,「パソコンで見る 動く分子事典」,p.212,講談社ブルーバックス(2007) より

 フロンは日本独自の命名で,炭素数の少ない炭化水素の水素をフッ素や塩素で置き換えたものの総称で正しくはクロロフルオロカーボン(CFC)と呼ぶ。フロンの後に付けられている番号には以下の意味がある。

  100位の数字:Cの数−1(Cが1個の場合は記載しない)
   10位の数字:Hの数+1
   1位の数字:Fの数

※HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)は C,F,Cl,H からなり,HFC(ハイドロフルオロカーボン)は C,F,H からなる。

HCFC−(炭素数-1)(水素数+1)(フッ素数


表2 オゾン層破壊物質のODPとGWP
オゾン層破壊物質の使用と放出より作成(2002年版パンフレット「オゾン層を守ろう」(環境省)収録)
※新しい年度のパンフレットが出るとURLが変更になるので,つながらない場合は地球環境局から
名称ODPGWP主な用途
CFC(クロロフルオロカーボン)0.6〜1.04600〜14000電気冷蔵庫(CFC-12)
カーエアコン(CFC-12)
業務用冷凍空調機器(CFC-11)
発泡剤(CFC-11,12)
洗浄剤(CFC-113)
ハロン3.0〜10.0470〜6900消火剤
四塩化炭素1.11800一般溶剤
研究開発用
1,1,1-トリクロロエタン0.1140部品の洗浄剤
HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)0.01〜0.552120〜2400ルームエアコン(HCFC-22)
業務用冷凍空調機器(HCFC-22)
発泡剤(HCFC-141b,142b)
洗浄剤(HCFC-225)
臭化メチル0.6土壌の殺菌・殺虫剤
《参考》
HFC(ハイドロフルオロカーボン)

HFCは代替フロンの一種でオゾン層破壊物質ではない

 
0
 
12〜12000
 
電気冷蔵庫(HFC-134a)
カーエアコン(HFC-134a)
業務用冷凍機(HFC-134a)
発泡剤(HFC-134a)
※オゾン破壊係数(ODP):CFC-11の単位重量あたりのオゾン破壊効果を1とした場合の相対値
※地球温暖化係数(GWP):二酸化炭素の単位重量あたりの地球温暖化効果を1とした場合の相対値で、下表では積分期間100年の値
◎臭化メチルについてはChime分子分子振動アニメーションのブロモメタン参照


表3 ドライクリーニング溶剤
分類化合物沸点/℃ODPGWP
石油系
(第4類第二石油類)
デカン(C10H22),ドデカン(C12H26)など各種炭化水素の混合物150〜210  
塩素系テトラクロロエチレン(パークレン)121  
1,1,1-トリクロロエタン740.1110
フッ素系CFC-11347.60.85000
HCFC-225ca51.10.25170
HCFC-225cb56.10.033530
HFC-365mfc40.20890
HFE-7100〔ハイドロフルオロエーテル〕610320
臭素系1-ブロモプロパン71  
シリコン(ケイ素)系
(シリコーン油)
デカメチルシクロペンタシロキサン210  
デカメチルテトラシロキサン195  
二酸化炭素
(超臨界状態または高圧液化状態)
二酸化炭素(昇華点-78.50℃;1atm) 1
※以下の文献など複数から作成(資料により値が異なるものもある)
◎高坂孝一,『ドライクリーニング溶剤の行方』,洗濯の科学,2003年5月号,pp.9-13,洗濯科学協会
◎本間善夫・川端潤,
「パソコンで見る 動く分子事典」,pp.208-209,講談社ブルーバックス(1999)



「生活環境化学の部屋」ホームページ「分子の形と性質」学習帳JmolによるPDBデータ表示(Jmolコンテンツリスト)

  1. 無料アクセス解析