壁掛けテレビやノート型PCのディスプレイなどの新しい発光源として,蛍光性化合物に電場をかけることで発光させる有機EL(エレクトロルミネッセンス;electroluminescence)素子が注目されています。
フルカラー表示には光の3原色(赤・緑・赤;RGB)の発光体が必要で,緑や青の発光体に比して提案が少ない赤色発光体について,七員環を有する非平面ジシアノジアゼピン系新規化合物の開発研究が以下で詳しく解説されています。
同解説では七員環をもついくつかの化合物について述べられていますが,以下はそのうちの一例です(p.42,図4の化合物5;図5に単結晶中の分子構造とスタッキング構造)。蛍光色素は通常剛直な平面構造をもつ化合物ですが,七員環をもつこれらの化合物は非平面構造であるところがユニークで,その開発に当たっては半経験的分子軌道計算プログラムが活用されたとのことです。
《追加トピック》
2002/02/20付け朝日新聞に掲載された有機EL関連の記事,
ビオラントロン(violanthrone) |