◆ 話題の制がん剤・抗がん剤〈Chime分子表示〉 ◆
= 分子の重ね合わせ(14)/話題の制がん剤とモルヒネ誘導体 =

※分子モデル表示にはプラグインのChimeが必要です(詳細ダウンロード方法
※詳細情報掲載のオリジナル版(分子表示はJmolによる)

 2002/02/02のNHK総合テレビ,『がん治療・副作用はなくせるか 〜アメリカ国立がん研究所の挑戦〜』において,新しい視点でのがん治療薬がいくつか取り上げられました。
 その中の,慢性骨髄性白血病に対する分子標的薬剤イマチニブ(商品名:グリベック)については,

で作用機序や開発経緯を含めて詳しく解説されています。

 さらに,2002/04/08-09にはNHK教育テレビで,『末期がんでもあきらめない』(第1回:患者が選んだ抗がん剤治療,第2回:がんとの共存・免疫療法)が放映されました。

 また,がん治療において,患者の痛みを和らげることが重要な課題となっており,モルヒネ(モルフィン)などの鎮痛薬を上手に使うことが求められています。以下の文献では,新しく開発された鎮痛薬を含めてわかりやすく解説されており,さらにそれらの薬剤にがん細胞の増殖抑制効果(制がん作用)が認められつつあることにも言及しています。

 以下では,NHKの番組や文献[1]で紹介された薬剤と,上表にあげたモルヒネ関連化合物の一部の分子モデルを示します。


球棒モデル  空間充填  OFF(スティック)
色分け1  色分け2  OFF(CPK)
O原子のみ橙の球で表示  N原子のみ紫の球で表示

★以下では色分け1で各分子を個別(順次)表示・消去可能
全分子消去
モルヒネ(morphine) 消去  ナロキソン(naloxone) 消去
KT-90 消去  KT-95 消去
 M-6-G 消去  M-3-G 消去

選択分子スティック  選択分子球棒  選択分子CPK
 選択分子ラベルONOFF
specularOFF |  光量50%  光量35%  光量20%

モルヒネ誘導体(表1)の重ね合わせ例


話題の制がん剤とモルヒネ誘導体の例(初期表示はモルヒネ)

空間充填  球棒モデル  スティック  OFF
Dot Surface表示  OFF |  ラベル表示  OFF
静電ポテンシャル  親油ポテンシャル  OFF
光沢表示  OFF |  光量30%  OFF
軸表示  OFF |  bounding box表示  OFF
原子球・白  OFF(CPK)
背景・黒  背景・灰  背景・白
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●モルヒネ誘導体の例〈表1〉
モルヒネ(morphine) →ChemFinder情報
ナロキソン(naloxone) →ChemFinder情報
KT-90
KT-95
M-6-G →ChemFinder情報
M-3-G →ChemFinder情報
●話題の制(抗)がん剤の例〈NHK番組資料,文献[1],その他より〉
メルファラン(melphalan) →ChemFinder情報
イマチニブ(imatinib) →関連タンパク質例
ゲルダナマイシン(geldanamycin) →ChemFinder情報関連タンパク質例
 ※参考 17-AAG〔17-allylamino-17-demethoxygeldanamycin〕 …現在未認可
スルフォラファン(sulforaphane) →ChemFinder情報
ゲフィチニブ(商品名イレッサ Iressa)  ニュース(2004/12)参照
●その他の制(抗)がん剤の例
アドリアマイシン(adriamycin) →ChemFinder情報
イホスファミド(ifosfamide) →ChemFinder情報
エトポシド(etoposide) →ChemFinder情報
エピルビシン(epirubicin) →ChemFinder情報
エルロチニブ(erlotinib) →関連タンパク質例
カルモフール(carmofur) →ChemFinder情報
シクロホスファミド(cyclophosphamide) →ChemFinder情報
シスプラチン(cisplatin) →ChemFinder情報  ※未計算
ソブゾキサン(sobuzoxane)
タキソール(taxol) →ChemFinder情報
タモキシフェン(tamoxifen) →ChemFinder情報
ドキシフルリジン(doxifluridine) →ChemFinder情報
ドキソルビシン(doxorubicin) →ChemFinder情報
パミドロネート(pamidronate) →ChemFinder情報
ビンクリスチン(vincristine) →ChemFinder情報
ブリオスタチン3(bryostatin 3) →ChemFinder情報
5-フルオロウラシル(5-Fluorouracil,5-FU) →ChemFinder情報
プロカルバジン(procarbazine) →ChemFinder情報
マイトマイシンC(mitomycin C) →ChemFinder情報
メソトレキセート/メトトレキサート(methotrexate) →ChemFinder情報
TS-1(胃がん用;以下の3種の混合物)
テガフール/フトラフール(tegafur/ftorafur) →ChemFinder情報
ギメラシル(gimeracil)
オテラシルカリウム(oteracil potassium)
テガフール・ウラシル/UFT(ウラシルと上記テガフールの配合剤)
ウラシル(uracil) →ChemFinder情報 ※ 両分子同時表示#
●その他(併用剤およびその候補例,研究・治験中)
アイソボリン/L-ロイコボリン(isovorin/L-leucovorin) …活性型葉酸製剤
アプリロニンA(aplyronine A;異性体あり) →理研情報
デキサメタゾン(dexamethasone) →ChemFinder情報
ペメトレキセド(pemetrexed;実際は 7水塩) →MLリソース:中皮腫アスベスト問題
ボルテゾミブ(bortezomib)
ラパマイシン(rapamycin) →ChemFinder情報Nature記事例
SU11248 …血管新生阻害薬

#印はポテンシャル表示不可
《 今後も分子を追加します 》



参考図 薬剤分子のがん細胞DNAへのインターカレーションによる制がん作用の例(adriamycinの場合);
PDBデータ/151Dから作成
遺伝子DNA/4種類の塩基参照

PDBデータ151Dの「5'-D(CpGpApTpCpG)-3'」から,「5'-D(TpCpG)-3'」とadriamycinだけ切り出した分子モデル

DNA/RNA(ATGCU)  Backbone  Termini
Ligands表示  OFF

DNA/RNA選択  Ligand選択  全選択
空間充填  球棒モデル  スティック  OFF
CPK
Dot Surface表示  OFF
Electrostatic Potential  Lipophilic Potential  OFF
Specular  OFF |  光量30%  OFF
軸表示  OFF |  Bounding Box表示  OFF
背景・黒  背景・灰  背景・白
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※上記データはProtein Data Bank (RCSB PDB)の公開データ151Dから,一部を切り取って作成したものです.詳細はオリジナルデータ情報を参照してください.
また以下の補足3も含め,モデルの表示変更に用いたスクリプトは,同ページ作者のEric Martzによるものを一部参考にしました.



参考図 がん抑制遺伝子p53;
PDBデータ/1TUPから作成

PDBデータ1TUPのDNAと3つのChain(A, B, C)から,DNAとChain Bだけを切り出した分子モデル

DNA/RNA(ATGCU)  Backbone  2oStructure  Termini
Ligands表示  OFF

Protein選択  DNA/RNA選択  Ligand選択  全選択
空間充填  球棒モデル  スティック  OFF
CPK  amino
Dot Surface表示  OFF
水素結合表示(細)  同(太)  OFF
Electrostatic Potential  Lipophilic Potential  OFF
Specular  OFF |  光量30%  OFF
軸表示  OFF |  Bounding Box表示  OFF
背景・黒  背景・灰  背景・白
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※amino表示の凡例
ASP GLU CYS MET LYS ARG SER THR PHE TYR
ASN GLN GLY LEU VAL ILE ALA TRP HIS PRO

※上記データはProtein Data Bank (RCSB PDB)の公開データ1TUPから,一部を切り取って作成したものです.詳細はオリジナルデータ情報を参照してください.


発がん性化合物の例抗生物質・抗菌剤複合分子と分子の重ね合わせPDB部分データによるコンテンツ集
「分子の形と性質」学習帳「生活環境化学の部屋」ホームページ