素晴らしきDiscreet music達 TECHNO / ELECTRONICA

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TECHNO / ELECTRONICA Hausmeister Brainbug MARZ Colleen Cathode Ulrich Schnauss

Figurine
AMBIENT / CONTEMPORARY Andrew Poppy Brian Eno William basinski Johann Johannsson
 
Unbreakable Brian McBride Liam Singer




Hausmeister / Weiter
1. Ester
2. Wester
3. Lens
4. Auen
5. Freitag
6. Kleiner
7. Braun
8. Paul geht's Gut
9. Lespit
10. Sandy Says
11. Picker
12. Weiter


© Karaoke kalk
2002 Release

このアーティストもまた、最初の印象はパッとしないものでした。もちろん、私の好きなタイプの音楽だったので買ったのですが、この人の作り出す音楽の良さに気付くのにはやはり時間が必要でしたね。
ドイツのエレクトロニカアーティストのHausmeisterは、聞くところによると本業はペンキ屋さんで、音楽活動はあくまで副業だそうで、恐らく仕事の合間にパソコン上でチマチマと音楽作りに励んでいるんだと思います。
この人の作り出す音色は常に一貫しています。一言でいえば、「ほのぼの系」とでもいいましょうか? おもちゃ箱をひっくり返したようなきらびやかさは無いですが、ギスギスしていない、実にかわいらしい世界が広がっています。

エレクトロニカというと最近本当に多種多様出てきて、テクノ・ムーヴメントと一緒にしたらそれはもう全く把握しきれない状況ですが、ま、こういうタイプの音楽が出てきたのは、ホームパソコンベースで気軽に誰でも音楽を作れるようになったという背景もあるんでしょう。全体を把握しきれてないとは言え、このHausmeisterはまあ間違いなく聞きやすい非実験的部類に入るアーティストだと思われます。

このWeiterは2002年のアルバムで、キーボードとサンプリングを駆使した楽曲の他に、アコースティックギター片手に本人が歌を歌を唄っている曲もあって、こういう所もなんかほのぼのしているというか(笑)。でもこれらはみんな違和感なく並べられ、スッと聞くことが出来ます。あまりに違和感なくてそのまま聞き流してしまう訳ですけど(爆)。でもこの人の作り出す音楽も非常に想像力をかき立ててくれるのでとっても気に入っています。

彼のデビューアルバムとかもお店で試聴した記憶があるんですが、その時もまた「いい感じだけど今ひとつカナ・・」と思って購入せず。もちろんこの時はHausmeisterだとは気付いてませんでしたが、今聞けば絶対気に入っていると思うだけに、既に廃盤と化してしまったこのアルバムを買わなかった事が実に悔やまれます。
うーん、試聴というのはまさにファーストインプレッションだけでそのアルバムを判断しなければならない訳で、こうした「後からジワジワ来る地味な作品」を見逃してしまいがちなのが玉にキズ。 お、いい感じと思ったら即購入、の方針の方が後々悔やまなくて済むわけですが、しかしそんなにお金が・・・(笑)。


Brainbug / Niightmare
1. Radio Edit
2. Sinister String Mix
3. Chiller Twist Remix
4. Ingo Remix
5. Club 69 Remix
6. Tall Paul Remix
7. Burger Queen Remix
8. D&D Phat Manhattan Remix



©EMI records ltd.
1996/03 Release

ちょっと「地味系」とはかけ離れますが、色々今回自分の音楽ライブラリをひっくり返していたら、そういえば、これ、ちょっとITNしていないか? と気付いたモノがあったので紹介しておきましょう。90年代中期に突如としてクラブシーンに現れた「Brainbug」というソロユニットで、この「Nightmare」というシングルはB級SFホラーを髣髴とさせるような独特なサウンドのハウスミュージックとして当時結構話題になりました。
普段ハウスなんかにこれといって関心のない私もさすがにこのBrainbugには食指を動かされ、全体的な古典SF的イメージもあいまって結構気に入っていました。第2弾シングルとして出た「Benedictus」もほとんど前作をアレンジし直したような、バージョン違い的な内容でしたが、アレンジがより大袈裟で、個人的にはこちらの方が好みでしたね。

で、今聞いてみると、コレ、もしITNがハウスミュージック化したらよもやこんな感じになるのだろうか? と思ってしまいました。何しろオーケストレーションを巧みにサンプリングして使っている所なんぞ、いかにもって感ありますし、ITNはここまで暗い感じでは無いですけど、ゴシック風味を持ち合わせている所は相変わらずですから、やっぱり何かしら似通っている所はあるのかな、と。 うーんでもまあそういう気がするだけかもしれませんが。だってかたやクラブ系ですから。

ただいくらクラブサウンドだといってもこのBrainbugはその中でも結構異質な部類に入る訳で、今回紹介している「Nightmare」の復刻版も、様々なタイプのリミックス版がはいっていますけど、ハッキリいってオリジナル以外は皆、どうってこたないです。要するにそれらは単なるクラブミュージックであってそれ以外の何物でもない。リミックスをした人達は皆、所詮自分達のカラーに強引に染める事しか考えておらず、原曲の雰囲気や味ってものを助長して強調しようとかいう発想は無いみたいですね。
それは同時に、いかにオリジナルの楽曲がクラブサウンドとしては異質であったかを物語っているとも思います。

MARZ / Love streams
1. Introductory
2. Things Can Only Get Better
3. The Cricket Song
4. The Help Song
5. Interlude #1
6. Chelsea Boys
7. The Hysteric Song
8. The Rain Rains
9. Interlude #2
10. Love Streams
11. Everybody Had A Hard Year
12. Bars 1,2,3,4




©Karaoke kalk
2002 Release

このアルバムを紹介しようかどうか、このコーナーを設けた時にかなり悩んだんですよ。前述の「Hausmeister」とジャンル的にカブるし、同じKaraoke kalkからのリリースなんで結局見合わせてしまったんですが、ええいやっぱりこれは紹介しとくべきだ! と追加することにしました。

ドイツのアーティスト、Albrecht kunzeとEkkehard ehlersがコンビを組んで出来上がったのがこのMarzなんですが、両者ともエレクトロニカ系アーティストとはいえ、どちらかというとノンジャンル的要素の強いかなり実験的な部類の音楽をやっている人達で、現にこの後に両者が発表するソロ作品はその両者の趣味が反映された非常に実験色の強い作品がリリースされています。 これについては「ITN的サウンドを求めて」でも紹介してますんで興味があれば見てみてください。 ところがこのアルバムではそれに反してびっくりするくらい良くまとまった美しいホンワカ系のエレクトロニカ作品を提供してくれています。
もうまず一曲目でやられること必至でしょう。アコギのループをメインにした、欧州の片田舎を連想させるような牧歌的香りが実に美しい名曲です。Hausmeisterのように楽器の生音と人工的なサウンドがうまくまとまっていて、時折出てくるシンプルなボーカルもアクセントとなってとても良いですね。

基本的にミニマル要素の強い作品と言え、同じ旋律を何度もループする構成の曲が多いので、それがまあ一見地味に聞こえてしまう要因になっていると思うんですが、別に聴いててトリップ感覚に陥る事は全く無いですし、ループしている事を忘れてしまうくらい曲に聞き入ってしまっている自分がいます。まあ魅力的なミニマル作品ってのは得てしてそうなんですが、トゲも無く本当に聴きやすい作品なので、ある意味万人にお薦め出来る手堅いエレクトロニカアルバムとも言えます。
ただ難点は、このKaraoke kalkというレーベルが非常に小さいレーベルなために、すぐに廃盤となって市場から消えてしまう事と、ほとんど試聴出来る機会が与えられていない、という事。ですから今こうして宣伝してても、ネットなどを駆使して捜し回らないと到底手に入らない、というのが実情です。Karaoke kalkのサイトもあまりに簡素で、せめて試聴くらい出来るようにしてくれないと困るなあ。Hausmeisterのようなほのぼのしたエレクトロニカ作品を求めているなら、もう絶対手に入れるべき名盤ですんで、運良く見つけたのなら、いいから買っちゃいなさい。
と、思っていたら、試聴可能なサイトを発見! ここでkaraoke kalkのアルバムを試聴出来ます。Hausmeisterももちろんありますよ。

それにしてもこのユニット、その後2人とも別々に活動している身となったので、これは一種の企画物だったのかなあ、と思っていたら、なんと最近、シングルが新たに出ている? と、言うことはセカンドアルバムも出るのか? うぐおっ。 勘弁して下さい。いやおうなしに買っちゃうじゃないですか。 と思ってたらホントに出るし(笑)
セカンド「Wir sind hier」はよりポップアルバム色が色濃く出た内容になって相変わらず聴きやすい一枚になってます。こちらもお薦め。「The River」は超名曲!

Colleen / Everyone alive wants answers
1. Everyone Alive Wants Answers
2. Ritournelle
3. Carry-Cot
4. Your Heart On Your Sleeve
5. Goodbye Sunshine
6. One Night And It's Gone
7. Long Live Mice In The Metro
8. I Was Deep In A Dream And I didn't Know It
9. Babies
10. Sometimes On A Happy Cloud
11. Swimming Pool Down The Railway Track, A
12. I'm The Train With No Lights
13. Nice And Simple



©Reaf label
2003 Release

これまた何とも形容しがたいサウンド。一応エレクトロニカとかその辺の類いに入れるのが無難な所なんでしょうが、恐ろしいほど独特なサウンドであるが故に、ジャンル分けするのがとても面倒と言うか失礼というか、もう解説するのが難しい事この上ありません。公式サイトココとかで音源が聴けるので、とにかく聴いてみるのが一番。時代も場所も超越したような、非常に哀愁漂う美しいサウンドで埋めつくされています。
同名のジュエリーブランドがあるようですが、実体はCecile schottというフランス女性によるソロユニットです。最初聴いた時は全て古いレコードとかから音源を持ってきて、ACID辺りで編集した代物なのかなあと思ってたんですが、どうも見るに自分で楽器を演奏したりもしているようで、生音も少なからず入っているようです。それにしてもいかにも女性らしい繊細で、一瞬にして崩壊しかねない危うい雰囲気がアルバム全体を覆っています。

実は、正直に話すと、最初一聴した時はたしかに気に入って即買いしたんですけど、それと同時に何か得体の知れない恐怖も感じたことは事実です。その最大の要因はやはりジャケットにあります。ウネウネとした奇怪な形状の物体。恐らくペンか何かによってフリーハンドで細かく描きこまれた抽象画ですが、勿論これが一体何を表しているのかなど、ヤボな質問でしょう。多分に何も意味など無い絵なんだと思うんですが、このジャケットを見つつ音楽を聴くと、何というか、常人を拒むかのような心の病が見え隠れし、一般の人間が立ち入ってはいけないような領域に踏み込んでしまった、というような気分にさせられるのです。
しかし、その恐怖感を感じるとは言え、この痛々しさに何か共感するものもあるというのがこの音楽の不思議な所で、多分私も相当に変わり者で心が病んでる(爆)からなんだろうなあと思ったりするんですが・・・・。


ピュアで全く搾取的な物が見えないのに超独特。素晴らしい。彼女は自分の闇をかくも美しく表現しきって見せた。 いや、これは闇なのか? ひょっとすると全く逆なのかも知れない・・・。相変わらず私はどっちつかずな物が好きだね。

Cathode / Special measures
1. Be red or yellow
2. While making other plans
3. Spincycle
4. Hayling and brixton
5. Roxburgh
6. Basic assumptions
7. This just in (c90 mix)
8. Lewy body



©expanding records
2003 Release

すいません。正直言います。ジャケ買いです。だってえー。 何なんですかこの建物は一体。 油田? いや、それにしては小さいような。CGでも無さそうだし、まるで宮崎アニメにでも出てきそうな風貌ですよ。 一体どこの国のどういう建物なのか全く詳しい記載がないので(無論実在するのかどうかも不明)、想像は膨らむばかりですが、電線の鉄塔なんかをカッコイイとか思うような私がこれに食指を動かさない訳ないじゃないですか。

で、肝心の中身なんですが、超ど真ん中ストレートなエレクトロニカ作品でした。音がピコピコ、シューン、ヂリヂリみたいな。このジャケからするともうちょっと重厚な雰囲気があっても良さげだったんですが、結構軽めのサウンドです。
しかし、メロディがしっかリ作られた聴きやすいたぐいのサウンドであることは確かで、意外と掘り出し物でした。クールだけどかわいらしいというか、冷たいけどほんわかしているというか。このコーナーに忠実な、実に地味な作品ですけど、こういう雰囲気が好きな人って結構いそうな感じもしますね。レーベルサイトで少し試聴出来るので聴いてみると分かりますが、全体的にこんな感じの優しくて冷たい雰囲気な物がほとんどです。

上のcolleenもそうですが、やっぱりジャケットってなんだかんだで重要ですよ。良いジャケは想像の膨らみの手助けになりますし、おのずと手に取る回数も増えますしね。しかし返ってそれがマイナスに働き、作品をマトモに聴くことすらアホらしくさせてしまう逆効果な最悪ジャケもありうる訳で、まさに諸刃の剣。私の場合、その筆頭がエイフェックス・ツイン。あの悪趣味なジャケとビデオクリップ。ハッキリいって萎えます。良さげなメロディが流れておっと惹かれても、常にあの不気味な顔が頭の隅をチラチラと横切り、ちっとも集中出来ません。
自分でも信じられないですが、彼の音楽をほとんど聴かないし買わないのは全部ジャケットやプロモのせいなんですよ。 それだけ私がいかにジャケットや、アーティストのセンスにこだわっているか、という事なんですけど。 音楽さえ良ければ良いのか? 否。 アルバムはジャケも含めた総合芸術ですからね。やっぱり絵描き人の私としてはジャケットや総合イメージにもこだわってほしいと思うのが正直な所です。 ま、そう言う私自身は結局センスなどまったく無いんですがね・・・(爆)。

とにかくこのcathodeのアルバムはジャケットの素晴らしさをひしひしと再確認させてくれました。このexpanding recordsというレーベルもこれまた、統一的なジャケットデザインを目指しているみたいでいいですね。なぜこうもエレクトロニカ勢はセンスが良いのでしょうか。


Ulrich Schnauss / A Strangely isolated place
1. Gone Forever
2. On My Own
3. Letter from Home
4. Monday - Paracetamol
5. Clear Day
6. Blumenthal
7. In All the Wrong Places
8. Strangely Isolated Place



©City centre offices
2003 Release

とかくエレクトロニカ勢というのはドイツなど、ヨーロッパ付近に何故か集中しています。このUlrich Schnaussもドイツ発。エレクトロニカ好きな人達からは絶賛され、その筋の方々には結構有名なアーティストなのですが、その発音しにくい名前のせいか(笑)、なかなか世間には浸透してないですね。デビューアルバムも廃盤になってるみたいだし。
一見するとバンド編成のシンセユニットかと思ったのですが、実は男一人によるソロユニット。ってことは全部自分で演奏して重ねていって・・・という宅録な人なようです。

基本となるシンセサウンドにドラムやビートが重なっていく、お決まりのエレクトロニカサウンドですが、彼の場合、弱々しい叙情的なシンセラインが特徴で、例えばヴァンゲリスとかが奏でる、あの今にも息途絶えそうな空中漂う感じでしょうか。浮遊感、というのは確かにあり、幻想的で極めてニューエイジシンセミュージックに近い雰囲気を持っています。
彼の実質デビューアルバムとなる
"far away trains passing by"はそういったニューエイジ指向が強い、実に聴きやすくてさらっとした浮遊感漂う良質のエレクトロニカアルバムでしたが、今回紹介しているセカンドアルバムは、それをさらに押し進め、ポストロック的なアプローチや、とりわけシューゲイザー的なサウンドを取り入れ、前作より遥かに重厚なサウンドに進化しました。
実は個人的には、私はシューゲイザーというアプローチはあまり好きではありません。シューゲイザーといえば、My Bloody Valentine等から端を発する、エレキギターをまるで洪水のように鳴らして一種のウォール・オブ・サウンドような重厚なサウンドを形成する演奏法ですが、有名なのがMy Bloody Valentineによる「Loveless」というアルバム。とにかくアルバム全体に渡ってシューゲイザーまみれの内容で、ロックアルバムの中でも重要な一枚と評される名盤です。流れるギターの洪水の中からかすかに聞こえるボーカルのメロディは確かに美しいですし、名盤と言われるのも分かるんですけど、やっぱり私はあんまりエレキギターの音は好きじゃないので、一旦その轟音が主張しだすとさすがにちょっと聴いているのがつらいです。
このUlrich Schnaussのセカンドではあくまでシューゲイザーを思わせるようなサウンドを鳴らしているに過ぎませんが、やっぱりそのギター音がギョオオンとか主張し始めてしまうと、う〜ん、ちょっと違うんだよなあ、と思ってしまったり。


では何故今回このアルバムを薦めているのかと言えば、そんな部分を差し引いても素晴らしい内容だから。シューゲイザー等のポストロック的アプローチは全体からするとそんなに大きい要素としては占めていないですし、相変わらずこの人らしい美しいサウンドが中心。なにより一曲目の「Gone forever」が大傑作。こんな叙情的で美しいニューエイジ・エレクトロニカサウンドはそうそう滅多にあるものではありません。もう聴いてると理屈抜きに涙ぐんでしまうような大名曲。この一曲でも充分な位の素晴らしいアルバムです。

花のジャケットから分かるように、実に叙情的で耽美な内容。ITN的なサウンドとして紹介しようかと迷いましたが、結局はそんなに似てないと判断してココで紹介する事にしました。ITNは特に浮遊的じゃないし。 でも志はなんか似ている所はあるかもしれませんね。

Figurine / The Heartfelt
1. Inernational Space Station II
2. Impossible
3. Pswd:stdum
4. Rewind
5. Way Too Good
6. Stranger
7. Time (His Mix)
8. Instrumental
9. Pswd:natur
10. Our Game (Is Over)
11. So Futuristic
12. Pswd:pttrn
13. Heartfelt
14. Let's Make Our Love Song



©Monika
2001 Release

テクノポップ系が好きな人達からはもはや伝説的なユニットになってしまった感がある、デスキャブのベン・ギバードとDntelのジミー・タンボレロによるThe Postal Service。80年代テクノを髣髴とさせながらも、ベンによる美しい歌声とメロディが一体となった素晴らしいポップアルバムでした。この Postal Serviceの中心人物、ジミーがDntel名義で作品を発表する以前に、彼が率いていたユニットが、このFigurineです。
この頃から、彼らの目指していた音楽がPostal Serviceへと帰結していくのは納得、という感じのまさに”ピコピコチープポップ”だった訳ですが、ファーストはやっぱりまだ未熟という感じで、本当にチープって感じでしたが、このセカンドでいよいよそのチープ感をうまく自分達のモノにしたのが良く分かります。

音はまさに Postal Service誕生前夜、という感じの美しいポップメロディがありながら、どこかとぼけた感じのチープ感が漂う内容。でもそのチープ感は全然マイナスじゃなくて、彼らの個性に完全に繋がっています。それは Postal Serviceと同じですね。
Dntelはもっと実験的な内容も含む作品でしたが、これはやはりあくまでテクノポップをやろうとしているのが判ります。なにより本当にメロディセンスが良い。何度聴きこんでも飽きないような、そんな坦々とした感じは私好みなのかもしれません。 ま、しいて難点をあげるとすれば、やはりヘナヘナっとしたボーカルでしょうか。Postal Serviceでのベンの美声を聴いているだけに、もうちょっと何とかならなかったのかと(笑) まあこのボーカルが全体の坦々とした内容を特徴づけているんですけどね。
とりあえずMyspaceとかで試聴出来るので一度聞いてみてください。

Postal ServiceやDntelの活動が忙しくなったせいで、現在はFigurineとしての活動は停止しているようです。そんな中James Figurineという変則的な名前で新作「Mistake Mistake Mistake Mistake」を発表、これはジミーのソロ名義作品なようですが、実際の所Figurineのメンバーも参加しているらしいので事実上Figurine名義の新作と捉えていいのかもしれません。 が、やはり名前を変えてるだけあって、若干Dntel寄りな内容でした。
とは言うものの、やはりFigurine的ポップ感も濃厚だったのでオススメです。
その後はまたDntel名義で新作を出したりと、手を変え品を変え活動しているジミーですが、Postal Serviceとしての動向も気になるけど、Figurineもこれはこれでとても味のあるユニットなんで、切ったりせずにいつかは新作を出して欲しい所ですね。