０．私と環境ホルモンとの関わり

• 生活科学，生活化学　
• インターネット上での環境情報流通
• ホームページ『環境ホルモン情報』の開設　
• 「ダイオキシン100の知識 」（東京書籍，1998/08 発行）の執筆参加　《配布資料の一部は本誌から》

１．“環境ホルモン”とは

• 内分泌撹乱物質，内分泌攪乱物質，内分泌かく乱物質，内分泌撹乱化学物質，内分泌攪乱化学物質，内分泌かく乱化学物質　《最初に「外因性」がつく場合もある》
• 定義の例
  • 厚生省の「内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会中間報告書」（1998年10月）；世界保健機関・国際化学物質安全性計画［WHO/IPCS］
    『内分泌系の機能に変化を与え、それによって個体やその子孫あるいは集団（一部の亜集団）に有害な影響を引き起こす外因性の化学物質又は混合物』
  • 1997年2月のスミソニアン・ワークショップにおける定義
    『生体の恒常性、生殖、発生、あるいは行動に関与する種々の生体内ホルモンの合成、分泌、体内輸送、結合、そしてそのホルモン作用そのもの、あるいはそのクリアランスなどの諸過程を阻害する性質を持つ外来性の物質』

２．どんなものが環境ホルモンと考えられているか

• 「環境ホルモンと疑われている化合物リストの例」（★分子モデル参照可能）
• 多くの化合物に共通点はあるのだろうか？
  • “水と油”から考える　《簡単な実験例，生物濃縮，関連図，★★［参考］ビタミンの場合》
  • 分子のかたち　《★例１，例２》
• 本格的な究明はこれから《国内の対応例：環境庁「環境ホルモン戦略計画SPEED'98」（1998/05）》

３．環境ホルモンの作用様式　−最新科学の成果−　

• 微量分析　《「タンク車６６０台分のトニックに，ジンを１滴たらした量」…“Our Stolen Future”》
• 環境ホルモンの作用様式　−“鍵と鍵穴”−
  • 作用模式図と体内での推定反応
  • ★★女性ホルモン 17β-estradiol 受容体の例　《★元データ》
  • ★シトクロームP450の戦い　《引用：NHK取材班，「NHKサイエンススペシャル 驚異の小宇宙・人体 ４ 壮大な化学工場 −肝臓」，日本放送出版会(1989)》
  • ステロイドホルモンの生合成と代謝（P450のもう一つの顔）
• 動く分子　《例：★核酸を合成する酵素の例・DNA Polymerase Beta（Movies of Protein Motionsより）》

４．食品からの摂取

• 日本人の食生活（ダイオキシンは魚からの摂取が約60％）　《参考：“調理”という人間の食生活の変化，DNA》
• 食生活のスタイル　《ダイオキシン類の場合：例１（厚生省・平成８年度食品中のダイオキシン類等汚染実態調査報告書より），例２（同・平成９年度報告書より）》
• 何を食べたらいい？　《自分たちの近くで採れるものを安心して食べられるようにすること（参考：食事と輸送エネルギー），バランスのとれた食生活，新潟の郷土料理（データ提供：丸山久子先生）》
• 母乳をめぐる不安　《インターネット上の情報例：「母乳に含まれるダイオキシン問題について」（「Environmentページ」），「母乳とダイオキシン」》

５．新潟の状況は？　

• 環境中の濃度の例
  • 北陸地方建設局管内の河川調査結果（1998年夏）　《元データ：北陸地方建設局のページデータ》
  • ★河川･湖沼・海域底質中のダイオキシン濃度，魚介中のTBT/TPT/T-DDT濃度《元データ：国立医薬品食品衛生研究所・地理情報システム》
• 「新潟市のゴミの行方」《参考：★日本の物質収支（環境庁・H10環境白書より）》

６．これからできることは？　

• リスクの定量化　《極めて簡単な例》
• “規制”の必要性と限界　《例：★ベンゼンの場合（横浜国立大学環境科学研究センター「今日のベンゼンとNOx」より）》
• 活動に不可欠な廃熱・廃物の発生　《ゴミは消えてなくならない，“過剰”と“越境”，過去の積み残しと未来への積み残し（参考：環境アンケート集計；アンケートの回答をメールで受付け中）》
• 生活者から社会システムへのフィードバック
• 自然を見習う　《例：★肝臓の働き，バイオレメディエーション》　

７．その他のキーワード

• 環境倫理学・環境経済学・環境社会学，リスクとベネフィット，情報の活用，環境教育（参考：STS教育），NPO活動（参考：「新潟県２１世紀の県行政創造運動」），地域主義

• Theo Colborn, John Peterson Myers and Dianne Dumanoski 著，長尾力 訳，「奪われし未来」，翔泳社(1997)
• Deborah Cadbury 著，古草秀子 訳，「メス化する自然　−環境ホルモン汚染の恐怖」，集英社(1998)
• Theo Colborn・養老孟司・高杉暹・田辺信介・井口泰泉・堀口敏宏・森千里・香山不二雄・椎葉茂樹・戸高恵美子，「よくわかる環境ホルモン学」，環境新聞社(1998)
• 綿貫礼子・武田玲子・松崎早苗，「環境ホルモンとは何か I 【リプロダクティブ・ヘルスの観点から】」，藤原書店(1998)
• 綿貫礼子・武田玲子・松崎早苗・河村宏・棚橋道郎・中村勢津子，「環境ホルモンとは何か II 【日本列島の汚染をつかむ】」，藤原書店(1998)
• 日本化学会 編，「ダイオキシンと環境ホルモン」，東京化学同人(1998)
• 筏義人，「環境ホルモン」，講談社ブルーバックス(1998)
• 立花隆，「環境ホルモン入門」，新潮社(1998)
• 『化学』編集部 編，別冊化学「環境ホルモン＆ダイオキシン」，化学同人(1998)
• 左巻健男・桑嶋幹・水谷英樹 編著，「ダイオキシン100の知識」，東京書籍(1998)
• 環境庁リスク対策検討会 監修，「環境ホルモン　外因性内分泌撹乱化学物質問題に関する研究班中間報告」，環境新聞社(1997)
• 大石正道，「入門ビジュアルサイエンス　ホルモンのしくみ」，日本実業出版社(1998)
• 雑誌特集『環境ホルモンの現在　―未来を取り戻すために』，科学，68(7)，岩波書店(1998)
• 渡辺雄三，「全網羅　食品添加物危険度事典」，KKベストセラーズ(1999)
• 中西準子，「環境リスク論」，岩波書店(1995)
• 上野千鶴子・綿貫礼子 編著，「リプロダクティブ・ヘルスと環境　−共に生きる世界へ」，工作舎(1996)
• 小川正賢，「序説　STS教育　−市民のための科学技術教育とは」，東洋館出版社(1993)
• S.F.Zakrzewski 著，古賀実，篠原亮太，松野康二　訳，「入門 環境汚染のトキシコロジー」，化学同人(1995)
• 白鳥紀一，中山正敏，「環境理解のための熱物理学」，朝倉書店(1995)

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