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チューダーは5連のリンクブレスレットを組み合わせたモデルを発表した。

チューダーは5連のリンクブレスレットを組み合わせたモデルを発表した。

31mmから41mmまで展開している。それにカラーチェンジや新しいムーブメントも登場した。だが日常的にうれしい改良点には、クイックアジャストクラスプの採用が挙げられるかもしれない。

チューダーコピーは定番のブラックベイコレクションを一新し、31mm、36mm、39mm、41mmのケースに、さまざまなCOSC認定済みの自社製キャリバーと、“T-fit”セーフティキャッチ付きフォールディングクラスプを備えた、5連のリンクブレスレットを組み合わせたモデルを発表した。

チューダー ブラックベイの正面カット
 この新しいスティール製ブラックベイは、ブルー、アンスラサイト(ブラックに金色のインデックス)、ライトシャンパンカラーのサンレイダイヤルというアレンジラインナップが特徴だ。自社製キャリバーは約50時間のパワーリザーブを持つ31mmモデルを除き、すべて約70時間のパワーリザーブを確保している。

チューダー ブラックベイのリストショット
 ラインナップの大幅な刷新ではないが、これらの微妙な変更を加えることで、ブランドはこれまでのブラックベイ 58やペラゴスラインの人気と成功を前に、1950年代に見られたダイバーズのインスピレーションを尊重することに重きを置いている。価格は31が47万7400円(税込)、36が49万600円(税込)、39が50万3800円(税込)、そして41が51万8100円(税込)と、サイズに応じて段階的に変わっていく。

我々の考え
チューダーコレクターの多くは、これらのアップデート、特に自社製ムーブメントがブラックベイの中心的な部分を占めるようになるのを待っていたはずだ。

チューダー ブラックベイのリストショット
 シルバーダイヤルが姿を消したことで、確かにシャンパンダイヤルが新作において最もホワイトやシルバーダイヤルに近いといえるだろう。ブラック文字盤のインデックスも、シルバーからゴールドに切り替わっている。

チューダー ブラックベイの5連リンクブレス
 COSC認定ムーブメントが31mmサイズに対応したことも大きなニュースではあるが、ジュビリースタイルのブレスレットに、簡単に素早く調節ができる“T-fit”クラスプを採用したことのほうが、日常的なインパクトとしては大きい。“T-fit”が徐々にチューダーの時計に搭載され始めているのは、同ブランドが世間の声に耳を傾けていることの表れだろう。チューダーのラインナップのなかで、ブラックベイ 58に軍配が上がるかどうかは、これからの実機レビュー次第だ。

基本情報
ブランド: チューダー(Tudor)
モデル名: ブラックベイ 31/36/39/41(Black Bay 31/36/39/41)
型番: 79600(31mm)、79640(36mm)、 79660(39mm)、79680(41mm)

直径: 31mm、36mm、39mm、41mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: ブルー、アンスラサイト、ライトシャンパン
インデックス: 丸形
夜光: グレードAのスイス製スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: SS製5連リンクブレスレット、“T-fit”セーフティキャッチ付きフォールディングクラスプ

チューダー ブラックベイ、ダイヤインデックスタイプのイメージカット
ムーブメント情報
キャリバー: MT5201(31mm)、MT5400(36mm)、MT5602(39mm)、MT5601(41mm)
機能: 時・分・秒
直径: 20mm(MT5201)、30.3mm(MT5400)、31.8mm(MT5602)、33.8mm(MT5601)
厚み: 5mm(MT5201、MT5400)、6.5mm(MT5602、MT5601)
パワーリザーブ: 約50時間(MT5201)、約70時間(MT5400、MT5602、MT5601)
巻き上げ方式: 自動巻き
石数: 26(MT5201)、27(MT5400)、25(MT5602、MT5601)
クロノメーター: COSC認定
追加情報: スクリュー調整式可変慣性テンプ、マイクロアジャストスクリュー、非磁性シリコン製ヒゲゼンマイ

価格 & 発売時期
価格: 31mmが47万7400円、36mmが49万600円、39mmが50万3800円、41mmが51万8100円。すべて税込

セイコーは数多くのダイバーズウォッチを手がけてきたことで、その名を世に知らしめてきた。

特に昨今において重要なモデルと思われるのが、発表されたばかりのプロスペックスSBDC195(北米ではSPB451)とSBDC197(北米ではSPB453)だ。60年代にインスパイアされたプロスペックスのダイバーズウォッチラインを、より幅広い層に向けてアレンジしたモデルである。SBDC101(北米ではSPB143)によって確立された大人気シリーズ、その第2世代となるこの新しいプロスペックス ダイバーズは、リシャールミルスーパーコピー代引き優良サイト日常使いのダイバーズウォッチとしてより充実したソリューションを提供するべく若干の見直しがなされている。

“2年目のジンクス”(ブレイクした翌年に伸び悩んだり、一転して不振に陥ったりする現象)の恐怖が忍び寄っているいま、SBDC195のこれまでの歩みを振り返ってみる価値があるだろう。ご心配なく、簡潔に説明する。今年の3月、SBDC197(ブラック)、SBDC195(ブルー)、そして限定モデルのSBDC199(ブラックにゴールドのアクセント)の3モデルが発表された。この3モデルはいずれも、セイコー初のダイバーズウォッチである62MASを2020年に美観の面から再編集した、いわゆる“20MAS”の改良版である。

20MASシリーズはその後さまざまなカラーバリエーションを展開するまでに成長したが、その中核となったのはグレー文字盤のSBDC101だった。僕は昔も今もSBDC101の大ファンであり、セイコーが過去数年間に発表したモデルのなかで最高のもののひとつだと思う。SBDC101については何度も書いたが、このHands-On記事を執筆した理由の一部は、僕がSBDC101とともに過ごしたWeek On The Wristで確立した考えに基づいている。

この新たな24MASダイバーズのトリオではほぼ同じスタイルを踏襲しながら、その一方でセイコーはデザインの核となるいくつかの要素に手を加えている。この新モデルで見られた変更点は、ケースの小型化、日付位置の変更、新ムーブメントの搭載、ブレスレットのデザイン変更などである。

セイコーは今作のケース寸法を直径40mm、厚さ13mm、ラグトゥラグを46.6mmとしている。手持ちのノギスで測ってみると、40.2×13.4×46.6mmだった。ラグは引き続きドリルラグで(素晴らしい)、ブレスレットの幅20mmのエンドリンクにフィットしている。ケースバックはスチール製のクローズドタイプだが、新たな設計によって防水性は300m(前作は200m)に向上した。

ブレスレットはクラスプの部分で幅18mmまで細くなるデザインで、手首をより快適に包み込むことができるよう、短いリンクと小さめのクラスプを採用している。ケースとブレスレットにはセイコー独自の“スーパーハードコーティング”が施され、ベゼルにはアルミニウム製インサート、風防にはサファイアクリスタルが使用されている。

スペックに目を向けると、この新たなダイバーズはセイコー製のCal.6R55を搭載している。このムーブメントは自動巻きで、72時間のパワーリザーブ(ゆえに文字盤には“Automatic 3 Days”と記されている)を備え、2万1600振動/時で時を刻む。このムーブメントの大部分の設計は前世代のCal.6R35とほぼ同様だ。のちほど、このムーブメントの精度について解説しよう。

前作から大幅に変更されたのは文字盤のデザインだ。よりオーソドックスなカラー&テクスチャーを採用するとともに、日付表示を3時位置から4時30分位置に変更した。僕はセイコーのような規模の会社に対してノンデイトのモデルを作ることを常々推奨しているが、彼らは今回の4時30分へのデイトの移動でその利点を最大限反映していると思う。3時位置にフルサイズのインデックスがくるようにしてISO6425に準拠するべく、セイコーは日付を移動させることを決定したと述べている(これは、オリジナルの後のバージョンで夜光マーカーを追加した理由でもある)。

それを差し置いても、4時半位置の日付窓は命取りになり得る。しかしセイコーはデザインプロセスにおいてそのようなユーザーの気持ちに配慮し、控えめで、文字盤上のほかの要素とフォントを揃えた日付表示を採用した。完璧とは言えないが、少なくとも配慮と思慮が感じられる。多くの場合4時30分位置の日付表示とは、3時位置に表示されるべくデザインされたカレンダーディスクを見るためにさりげなく穴を開けたような、後付けのようなものにすぎない。

このモデルは違う。SBDC197の日付は判読可能だが、一方でまったく目立たない。ブルー文字盤のSBDC195ではカレンダーディスクは(ブルーではなく)ブラックで、ちょっと非合理的なチョイスにも思えるが、絞りが非常に小さくほとんど影に隠れているためによく見ないと気づかない。これは妥協からきた産物のようにも見えるが、僕からすると決して致命的なソリューションではない。しかし繰り返しになるが、ノンデイトの提案にはそれなりの確証がある。

そして手首に乗せてみればよく分かると思うが、SBDC197はSBDC101と非常に似通っている。そして、それはそんなに悪いことではない(というか、まったく悪いことではない)。ブレスレットのアップデートは間違いなくつけ心地を向上させ、そしていまやセイコーダイバーズにとって定番となったブラックの文字盤とベゼルは、セイコーのダイバーズウォッチに求められる優れた視認性と輝きを備えている。ベゼルとリューズはどちらも丁寧に作られている。ベゼルは軽いクリック感のある力強い作りで、文字盤の要素との整合性もよい(文字盤とベゼルの奥行きを比較すると、時折ズレて見えることがあるが)。

もしSBDC101の装着感に満足しているのであれば、この次世代機のつけ心地をさらに快適に感じるであろうことは想像に難くないが、そのプレゼンスに大きな差はない。3人の弟を持つ男から言わせてもらえば、ハンサムで成功を収めていて、広く愛される兄を持つのは幸運なことだ。セイコーのダイバーズウォッチとして、SBDC197は先達のモデルと同じコンセプトを持ち、20MASが成功を収めたことで得られた恩恵を受け継いでいる。

SBDC101と酷似したモデルだが、現在は2020年当時よりも競争は激化しており、発売されるタイミングという点でもよく似ている。SBDC197(およびその兄弟モデル)の定価は、税込17万6000円。2020年当時、ラバーストラップのSBDC105は税込12万1000円だった(ブレスレットのSBDC101は税込14万3000円)。そして、この価格設定は過去4年間で発売された同キャリバー搭載モデルとしてはかなり妥当なものだといえるが、SBDC197には近年一般的になってきたいくつかの特別な機能は搭載されていない。

ブレスレットのクイックリリースや、一部のクラスプに見られる工具不要のマイクロアジャストのことだ。僕はダイバーだが、ダイビングに適したウェットスーツ用エクステンション(SBDC197に搭載されている)のものから、日常使いしやすいマイクロアジャスト付きのクラスプに交換したいと思っている。現状、この新作のクラスプにはわずか2カ所の調整ポジションしかない。気になる人もいるだろうから書いておくと、これらの新作で調整可能なブレスレットの最小サイズは、すべてのリンクを外した状態で11.1cm(4.37インチ)だ。その状態では、その大部分をクラスプとケースが占める。

ブレスレットにケチをつけているように見えていることを承知で、僕の意見を明確にしておこう。僕はブレスレットについてはちょっとうるさいのだが、SBDC197にブレスレットを付けて装着することはほどんどなかった。ブランドがこのブレスレットを装着しやすいように改良したのは素晴らしいことだが、それでも10年前に見られたセイコーのブレスレットをより頑丈で洗練されたものにしたような感じがする。ウェットスーツ用のエクステンションは、手持ちのオレンジモンスターのブレスレットに付いているものとそっくりだし、リンクは割りピンでを固定されている。ブティックブランド(マイクロブランドともいう)が1000ドル以下の腕時計のブレスレットに片側ねじ込み式リンク(クイックチェンジやマイクロアジャスト機能については言うまでもない)を提供している時代であるにもかかわらず、である。

上記の点から、ふたつのことを主張したい。第1に、セイコーはラバーストラップのバージョンを999ドル(日本円で約15万5500円)で提供すべきだ。きっと売れるだろうし、このケースはストラップとも非常に素晴らしくマッチする。第2に、ブレスレットを刷新するつもりがあるなら、この価格帯では当たり前になってきている機能をすべて提供することだ。

さて、数年前にSBDC101に注力していたときに僕が一番受けた問い合わせ、つまりムーブメントの精度について取り上げよう。僕のSBDC101はかなり精度の高い個体だったけれど、ちょっとググればCal.6R35やそれに類するムーブメントであまり精度が出ないと困っている人たちをすぐに見つけられると思う。

僕は時計の精度なんてちょっと速くても遅くても気づかない程度にしか関心がない。だが、これは機械式時計にとっては極めて重要な問題であり、いまや2007年とは違うのだ。Cal.7S26を搭載したセイコーのために110ドル(日本円で約1万7000円)を払う人は、もういない。結果としてSBDC197も195も僕の精神的なしきい値を超えることはなかったが、このふたつの時計を歩度測定器にかけたところ、その精度の高さに驚かされた。もちろんこのデータはサンプル数の面から裏づけに乏しいが、この個体はセイコーから直接送られてきた最初期のものである。

僕は、6つの姿勢と3段階の巻き上げ残量(フル、24時間後、55時間後)で計測を試みた。すなわち全18とおりの測定を行った結果、(短時間ではあるが)まずまずの精度であると判断できた。SBDC197(黒文字盤)の場合、3段階巻き上げ残量において6姿勢で計測した平均は-5秒/日(フル)、-12秒/日(24時間後)、-15.8秒/日(55時間後)となった。青文字盤のSBDC195では、-4秒/日、-6秒/日、-11.8秒/日だった。

つまり、1回フルで巻き上げたときのSBDC197の平均日差は-10.9秒、SBDC195は-7.3秒ということだ。セイコーはCal.6R55の精度を日差-15秒から+25秒までとしていることから、これらの時計はどちらもムーブメントの規定範囲内に収まっていると言えるが、どちらもやや遅れる傾向にあった。あえて推察するに、セイコーはこれらのムーブメントを文字盤上または文字盤下の姿勢で調整しているのだろう。というのも、このふたつの姿勢では、どちらのムーブメントも格段に高い精度を誇っていたからだ。

これらの数字が購入の決断にどの程度影響するかは、あくまでも個人の考え方によるだろう。僕からすると、いずれもとても気に入った時計を諦めるほどの要因にはならない。とはいえ、同価格帯での競争が激化し、主要なブランド(セイコー含まれる)がより精度を重視した取り組みを主導しつつあるいま、セイコーはムーブメントの精度をどのように管理、保証するかについて見直しを行うべきだとは思う。

この新しい24MAS世代について僕は、まるで素晴らしいデビューを飾ったブランドについて再認識させてくれるフォローアップアルバムであるかのように考えている。ここでいうレーベルはセイコーであり、バンドにあたるのが20MASスタイルの時計であり、sbdc197(およびその兄弟モデル)はファーストアルバムのカルト的な成功に応えなければならない待望のセカンドアルバムといったところだ。

SBDC197は、すでにSBDC101(またはそれに類するもの)を知っている人であれば、まったく違和感なく受け入れられるだろう時計だ。確かに、このセカンドアルバムの8曲目「We Moved the Date Window」はあまり好きではないだろうし、もしかしたらこのアルバムの展開を少しスローに感じるかもしれない。しかし、セイコーのダイバーズウォッチとしての主題がきっちりと集約され、思わず手放せなくなるような腕時計に仕上がっている。いや、まあ完璧ではない。でも、ピンク・フロイドだってそのためにアルバム10枚分近くを費やしたじゃないか。

セイコーは、SBDC101が持っていた長所を損なうことなく、より洗練されたモデルに進化させるという、非常に難しい課題に取り組んだ。SBDC197(および類似モデル)においては、中核となるテーマを損なうことなくその完成度を高めることに成功していると思う。そしてハンサムかつ堅牢で、ツール的に使える普段使いのダイバーズウォッチであることに変わりはない。すでに完成されているものにあえて手を加えることなく、素晴らしい仕事をしている。

春の時計オークションから学んだ7つのこと、

不完全かつ非常に主観的ではあるが、最初の大きなオークションシーズンが終わったので、いい結果も悪い結果も含めていくつかのリザルトについて話すときが来た。

昨年も書いたように、最近の大規模なオークションは今日における真の市場を示すのと同時に、マーケティング活動としての側面も持っている。昨年の春と違って今年はジュネーブに行かず、クリスティーズ、サザビーズ、フィリップス、アンティコルのオークションをライブストリームで視聴し、ほかの人たちをとおして間接的に体験していた。遠くから見ると、数字や結果に注目してしまい、実際の時計のことを忘れてしまいがちだ。

数字が示すとおり、総売上3590万スイスフラン(日本円で約55億1065万円)を売り上げたフィリップスは、5本の時計が100万スイスフラン(約1億5350万円)以上で売れるなど、市場をリードし続けていることがわかる。クリスティーズは依然ウェブサイトがダウンしているにもかかわらず、2280万スイスフラン(日本円で約34億9980万円)まで到達し、パテックフィリップスーパーコピー代引き優良サイトサザビーズはオンラインセールでまだ数百万が未決ながら1100万スイスフラン(日本円で約16億8850万円)を売り上げた。

ただこれらは単なる数字に過ぎず、全体の物語を伝えるものではない。今回は、そこからより詳しく見てみることにする。数字の末尾にあるゼロをすべて無視して、春のジュネーブオークションから学んだ7つのことを紹介しよう。

1.コップはすでに半分空なのか、それとも半分も満ちているのか?
先日、妻がある投資目論見書(ウォール・ストリート・ジャーナルに気をつけろ!)を評価していたとき、私は冗談で“目論見書が右肩上がりのグラフでいっぱいでないなら、十分に頑張っていない証拠だ”と言った。

このかわいい小話のポイントは、私がおもしろい(?)冗談を言ったことではなく、ジュネーブオークションの結果についても基本的には同じように感じているということだ。価格は明らかに玉石混交であり、それがいいか悪いかは、結局“コップはすでに半分空なのか、それとも半分も満ちているのか”という視点の問題に過ぎない。金曜日には、延期していたOnly Watchチャリティーオークションが週末の雰囲気を決定づけた。上位(パテック フィリップ、ジュルヌ、ヴティライネン、レジェピのような有名な独立時計師から、オフレ、ペテルマン・ベダ、シルヴァン・ピノーなどの新進気鋭まで)の業績は好調で、大半の結果は平均的なものだったが、一部の悪い結果が全体の感情を押し下げた。

これは何よりも、この市場がいかに薄く、潜在的に脆弱であるかを物語っている。SJXが指摘したように、過去2回パテックOnly Watchエディションを落札した入札者は、今回の入札に参加しなかった。もし彼がそこにいたら、この(依然として華やかな)1730万ドル(日本円で約23億3896万円)のスティール製ソヌリ&ミニッツリピーターは、あと数百万ドル高くなっていたかもしれない。

2.優れたヴィンテージウォッチは、ほとんどの場合、今でも優れたヴィンテージウォッチである
これを続ければ続けるほど、私は“市場”の状況について包括的な発言をするのにためらうようになる。収集の分野には多くの小さなコミュニティが存在し、それらはほとんど関連性を感じさせないほどである。

では、ヴィンテージウォッチから始めよう。一般的に、状態のいい希少なヴィンテージウォッチが好調であった。当たり前のように聞こえるかもしれないが、決してそうではない。

まず、この週末の最大の成果は、アンティコルムにて330万ドル(日本円で約4億4616万円)で落札されたピンクゴールドのパテック ワールドタイマーだ(上のヒーローイメージを参照)。プレビューでも触れたので詳細は割愛するが、これは私が幸運にも手にすることができたヴィンテージウォッチのなかで、間違いなく3、4本の指に入る最も素晴らしいヴィンテージウォッチのひとつだ。クロワゾネエナメルダイヤルを持つRef.605はこれが3本目で、スペインにある本家から市場に出たばかりの個体である。

とはいえ、非常に良好なコンディションのパテック 1463 “タスティトンディ”は29万3750スイスフラン(日本円で約4510万円)で売れ、ユニークなプラチナ製レクタンギュラーのパテック 439は5万2500スイスフラン(日本円で約806万円)で売れた。どちらもプレビューで際立っていた時計で、1463はその状態、439はその希少性で注目されていたため、さらに高い評価を得てもおかしくなかった。来週公開のHodinkee Radioのエピソードでお聞きいただけると思うが、ディーラーのエリック・クー(Eric Ku)氏は1463の結果を“少し残念だ”とさえ言っている。

そのほか、サザビーズでデイトナ “ジョン・プレイヤー・スペシャル”が売れ残ったが、その数時間後のフィリップスでは150万ドル(日本円で約2億280万円)で落札されていた。販売された個体は、はるかにいいコンディションであった。サザビーズは売れ残った品のリストを削除するという奇妙なことをしているので、その違いを見せることができないが、サザビーズのほうのJPSは60万スイスフラン(日本円で約9210万円)という低い見積もりを超える関心を得ることができなかったようだ。

フィリップスのほうのJPSは、少なくとも過去数シーズンで見たなかで3番目にいい個体だ。昨年の春、私たちはサザビーズ・ジュネーブで記録を破った例(223万スイスフラン、当時の相場で約3億4155万円)と彼らのニューヨークセールでのもうひとつの好例(150万ドル、当時の相場で約2億1230万円)を取り上げたので、真剣にJPSを手に入れたいコレクターなら、今春のサザビーズで売られたような状態が劣るものよりも、優れた状態の例のひとつに目をつけたのだろうと想像する。全般的に、ジュネーブで成功するはずだった時計はそのとおりの結果を出した。

これらのJPSの結果は、より大きなポイントを示している。希少性は重要だが、現代のコレクターにとっては状態の伴わない希少性だけではあまり意味がないということだ。

3.不必要で、余分で、美辞麗句的な形容詞は控えよう

ちょっと余談になるが、オークションハウスはいつも形容詞を多用してきた。その理由は理解できる。しかし、少しやりすぎなところもある。週末のオークションで見た、私のお気に入りロットについての説明文をいくつか紹介しよう。

このパテック カラトラバ 2577は、“信じられないほど希少”で“驚異的な”時計と表現されている。確かに、私はこの2577をポッドキャストのプレビューで、今シーズンお気に入りのヴィンテージパテックのひとつとして取り上げた。エナメル文字盤を採用した数少ないヴィンテージカラトラバのひとつで、ほかのカラトラバ(2526や3428)とは異なり、2577は手巻きムーブメントを搭載している。しかし、どうして腕時計が驚異的と表現されるのだろうか?
ダイヤモンドをセットしたこちらのヴァシュロンは、“言葉では言い表せないほど美しく、非常に収集価値がある”と評されている。この、言葉では言い表せないほどレアな時計は、残念ながら週末のオークションで落札されなかった。私は多くのヴィンテージヴァシュロンを愛しているが、それらが常に過小評価されていると感じているので、この美しい時計がふさわしい持ち主に出合うことを心から願っている。真面目な話、ダイヤモンドがセットされたゲイ・フレアー社のブレスレット、そして同じK1071キャリバー(JLCのエボーシュをベースに、ヴァシュロンが独自の仕上げを加え、ジュネーブシールの基準までチューニングしたもの)を持つ別のリファレンスを所有していた経験から、同クラスのなかで最も印象的なヴィンテージムーブメントのひとつだと言える。しかし、なぜこれが言葉では言い表せないのだろうか?

マーク・トウェイン(Mark Twain)の名言を思い出した。“『非常に』と書きたくなるたびに『ちくしょう』に置き換えなさい。そうすれば編集者がそれを削除して、文章は本来あるべき姿になるだろう”。オークションハウスも同じことをするときが来た。これらの時計について事実に基づいた説明をし、形容詞は控えるべきだ。

2025年に注目すべきブランドや時計とは?

70周年となるGMTマスターでは“コークベゼル”モデルがいよいよ登場するのではないか、そしてデイトジャストが誕生から80周年であることからアニバーサリーエディションが登場するのでは? という予想を披露したが、ロレックス以外にも2025年にアニバーサリーを迎えるブランドやモデルは数多くある。本稿では、そのなかでも特に大きな節目、気になる周年となるブランド、モデルを5つ取り上げた。いずれも個人的に注目しているものであり、多分に妄想を含んでいるが、読者のみなさんはどんなブランドやモデルに注目しているのだろうか? ぜひとも意見を聞かせて欲しい。

A.ランゲ&ゾーネ 1815/30周年

A.ランゲ&ゾーネ 1815 クロノグラフ。画像はこちらの記事から。

1815は、A.ランゲ&ゾーネ復興コレクション発表の1年後の1995年に登場したもので、2025年に30周年を迎える。読み取りやすいアラビア数字インデックスにブルースティール針、そしてベゼルに沿ってぐるりと走るレイルウェイ風ミニッツトラックなど、創業者フェルディナント・アドルフ・ランゲ(F.A.ランゲ)時代の懐中時計に採用されていた伝統的要素が多数盛り込まれたダイヤルが1815の特徴だ。さらに1815コレクションは手巻きモデルのみのラインナップであるということも特徴だ。自動巻き時計への関心が高まったのは20世紀に入ってからであり、手巻きモデルのみというのもやはりF.A.ランゲ時代の懐中時計へのオマージュゆえだ。

そもそも1815コレクションの名は、創業者のF.A.ランゲの誕生年にちなんでつけられたものであるが、F.A.ランゲがドレスデン郊外のエルツ山地にある小さな町で時計工房を開業したのは1845年のこと。そう、2025年は(一時期失われていた時期があるにせよ)創業から180周年のアニバーサリーイヤーでもあるのだ。2024年にA.ランゲ&ゾーネは復興の年に誕生したランゲ1の30周年記念を祝う限定モデルをリリースしている。1815は登場から30周年、そして創業180周年というダブルアニバーサリーである2025年に限って、何の周年モデルを発表しないということはないだろう。

ブランドの詳細は、A.ランゲ&ゾーネ公式サイトへ

オメガ METAS認定モデル/10周年

画像は記事「Breaking News オメガ ラボラトワール・ドゥ・プレシジョンを設立し、COSC以上の高精度となるまったく新しいクロノメーター認定を発表」より

オメガとスイス連邦計量・認定局(METAS)が共同で制定した新しい精度認定制度「マスター クロノメーター」が2025年でスタートから10年となる。2015年当初、マスター クロノメーター認定モデルはグローブマスターのみだったが、毎年拡大を続け、いまやオメガのほぼすべてのラインナップがマスター クロノメーター認定を受けるに至った。また、METASのテストはオメガ以外の時計メーカーも受け入れており、2021年にはチューダーが初のマスター クロノメーターモデルをリリース。そのライナップは拡大し、新たな品質基準として認知を広げつつある。オメガはこの10年、マスター クロノメーター認定モデルの拡大に努めたが、それを記念するような限定モデルなどはリリースしていない。精度に並々ならぬこだわりを見せるオメガ。10年の節目に特別なモデルが登場しても不思議ではない。

マスター クロノメーター10周年ということもあるのだが、2025年はオメガから“高精度”に関する何らかのモデルが登場するのではないかという期待がある。というのも、オメガは2023年に、特許取得の新しいスピレート™技術を開発。±0.1秒の微調整を可能とし、日差0〜+2秒の圧倒的な精度を実現させた(詳細は記事「In-Depth オメガの新しい精度調整機構、スピレート™システムの仕組みを徹底解説!」を読んでいただきたい)。そして2024年にラボラトワール・ドゥ・プレシジョン(LdP=Laboratoire de Précision)を設立し、新たなクロノメーター検査制度の導入を発表したのだ。LdPはオメガによって設立されたが、完全中立の独立機関として運営され、オメガに限らず、 すべてのブランドやムーブメントメーカーにクロノメーターテストの機会を提供するという(LdPの詳細は、こちらの記事をチェックして欲しい)。LdP設立のニュースを発表以降、特に目立った動きもないため、個人的には今年は新しい動きがあるのではないかと思っている。

ブランドの詳細は、オメガ公式サイトへ

シャネルJ12スーパーコピー代引き/25周年

シャネル マドモアゼル J12 ラ パウザ。J12の特徴的なスタイルでありながらも生粋の時計メーカーとは一線を画す斬新なクリエイティブを発揮している。

プルミエールや、ボーイフレンドなどシャネルにはさまざまなスタイルのアイコンウォッチがラインナップされているが、時計愛好家にもよく知られるコレクションといえば、やはりJ12をおいてほかにはない。デビューは2000年。当時シャネルのアーティスティックディレクターを務めたジャック・エリュによって生み出されたJ12は、その後幾度かのマイナーチェンジを重ねた。一方、2カウンタークロノグラフのJ12 スーパーレッジェーラ(2005年)、ポインター式のデイトとムーンフェイズ表示を備えたJ12 ファーズ ドゥ リュヌ(2013年)などの派生モデルも生まれたが、2019年に現シャネル ウォッチメイキング クリエイション スタジオ ディレクターであるアルノー・シャスタン氏の手によってJ12は大きなモデルチェンジを受けてさらなる進化を遂げた。

登場以降、J12はシャネルのウォッチメイキングにおけるユニークなクリエイティブキャンバスとしてあり続けた。このところは、毎年異なるテーマで展開されるカプセルコレクションを通じてJ12をベースにした独創的かつメゾンらしいさまざまなモデルをリリースしている。今ではハイエンドな自社製の機械式ムーブメントをも手がけるようになったシャネルなら、四半世紀、25周年を迎えるにふさわしいアニバーサリーモデルで楽しませてくれるのではないかと個人的には大きな期待を寄せている。

ブランドの詳細は、シャネル公式サイトへ

ジラール・ペルゴ ロレアート/50周年

ジラール・ペルゴ ローレアート 42mm グリーンダイヤル。画像はこちらの記事から。

ジラール・ペルゴにおける一体型ブレスレットウォッチ、いわゆるラグジュアリースポーツウォッチとしてコレクションの一角を担うロレアートは、ラグジュアリースポーツウォッチの元祖たるオーデマ ピゲのロイヤル オークが発表されてから3年後の1975年に誕生した。ジェラルド・ジェンタデザインによるパテック フィリップのノーチラスに、IWCのインヂュニア SLは1976年、ヴァシュロン・コンスタンタンの222は1977年にリリースされているが、ロレアートは、そうした当時のデザイントレンドの影響を受けて生まれたフォロワーのひとつだ。

いまや定番となり、一時期の過剰ともいえるラグジュアリースポーツウォッチの熱狂は落ち着いているが、50周年のアニバーサリーを迎えるロレアートを盛り上げるまたとない好機であるのは間違いなく、何らかの周年モデルが発表されることは想像に難くない。問題はその中身だ。オリジナルへと回帰するようなモデルとなるか、それとも現行のロレアートのスタイルに準ずるものとなるか。どんなものとなるか、そもそも周年モデルが発表されるかも定かではないが、チーフ プロダクト& マーケティング オフィサー(CPO&CMO)としてクレマンス・デュボア(Clemence Dubois)氏が製品開発、マーケティング、コミュニケーションを担う現在のジラール・ペルゴならきっとユーザーファーストな選択をしてくれるに違いない(その理由はインタビュー記事「ジラール・ペルゴ クレマンス・デュボア氏が語る、ブランドが大切に守り続けるコアバリュー」を読めばわかっていただけると思う)。

ブランドの詳細は、ジラール・ペルゴ公式サイトへ

ヴァシュロン・コンスタンタン 創業270周年

ヴァシュロン・コンスタンタン レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション。画像はこちらの記事から。

Ref.57260で打ち立てた記録を自ら更新し、2024年にに発表した18Kホワイトゴールド製のビスポーク懐中時計“レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション”を持って、世界で最も複雑な時計を製造するメゾンという称号を守り続けたヴァシュロン・コンスタンタン。US編集部メンバーの多くが“2024年の注目すべきコンプリケーションウォッチ”としてその名を挙げるほど、印象深い時計のひとつになったようだ。そんな同ブランドの創業は1755年、2025年は創業から270年というアニバーサリーイヤーとなる。これまでヴァシュロンは創業の周年にジュビリーコレクションとして記念モデルをリリースしており、今年も何らかの記念モデルが発表される可能性が高い。その時どきで旬のコレクションがアニバーサリーモデルのベースとなることが多く、一体どんなコレクションが選ばれるのかは想像しにくいのだが、どんなモデルで楽しませてくれるのかを想像するのもまた楽しい。

ヴァシュロン・コンスタンタンに限らず、2025年に創業のアニバーサリーイヤーを迎えるブランドは数多い。以下は、各ブランドが創業から何周年となるのかを書き出したもの(すべてのブランドではなく一部だ)だが、これらのブランドでも何らかの記念モデルが登場する可能性が高いため、注目しておいたほうがいいだろう。

ブランドの詳細は、ヴァシュロン・コンスタンタン公式サイトへ

【2025年にアニバーサリーイヤーを迎えるブランド】

A.ランゲ&ゾーネ 180周年(1845年創業)
オーデマ ピゲ 150周年(1875年創業)
ブランパン 290周年(1735年創業)
ブレゲ 250周年(1775年創業)
シャネル 115周年(1910年創業)
ショーメ 245周年(1780年創業)
ショパール 165周年(1860年創業)
グラスヒュッテ・オリジナル 180周年(1845年創業)
ウブロ 45周年(1980年創業)
パネライ 165周年(1860年創業)
ロジェ・デュブイ 30周年(1995年創業)
ロレックス 120周年(1905年創業)
ゼニス 160周年(1865年創業)

デニソンは豊かな歴史を誇るイギリスの時計ケースメーカーとして名を馳せてきた。

このデザインは、1953年にエベレスト登頂を果たしたエドモンド・ヒラリー卿(Sir Edmund Hilary)が腕につけていたデニソン製ケースの時計からインスパイアされたものであった。ムーブメントにはETA製Cal.2824-2を採用し、同時期のチューダー ブラック ベイやホイヤー カレラと同じキャリバーを使用していた。さらにケースはすべてイギリス国内で製造されたことも誇らしげにアピールしていた。以前のデニソンの価格は、おおよそ3500ドルから4050ドル(当時の相場で約38万~44万円)の範囲であった。

2024年のデニソン再始動と今回の新作は、スーパーコピー代引き 優良店2016年の製品とは完全に対照的であり、それは意図的なものである。トビー・サットン(Toby Sutton)氏はデニソン初の復活プロジェクトを率い、今回もその中心人物として関わっている。サットン氏は当時のDENCO53が市場に受け入れられなかったことを理解している…少々やりすぎだったのだ。彼はデニソンの熱心な愛好家であり、同ブランドのヴィンテージコレクターでもある。彼に“かつてのデニソンの重要性”について語らせたら止まらないだろう。最初の復活プロジェクトでは、彼自身にとって、そして時計愛好家にとって完璧な製品を提示したつもりだった。2016年当時、ヴィンテージ愛好家に“デニソンのケースはイギリスで製造されるべきか?”と尋ねれば、その答えは“当然だ”と返ってきただろう。しかし現実には、細部にまでこだわった製造はとてもコストがかかるものだった。コストは急上昇し、それに伴い小売価格も高騰したのである。

デニソンのアーカイブ資料には、1950年代のケース製造カタログや、さまざまなラグオプションが記載されている。

同じくヴィンテージウォッチ愛好家として、私自身も2016年のデニソンのようなブランド復活の夢を描いてしまうことがある。ヘリテージブランドがヴィンテージウォッチに精通したコレクター向けに、“完璧な製品”を生み出せなかったことを批判するのは簡単だ。しかし、たとえばバルジュー72の復活させたり、ウォッチメイキングの基盤がほとんど存在しない国でケースを生産したりすることにかかるコストを正確に理解するのは容易ではない。

サットン氏とそのチームは2016年の経験から学んだ。2016年のデニソンは非常に真面目なアプローチをしていた。当時の“本格時計”市場の激しい競争を考えれば、今回発表された2024年のA.L.D.コレクションはきわめて理にかなっている。今回の復活では、新たな視点を持つ先見性あるメンバーが加わり、これまで存在しなかった“もしも”のデニソン像が描かれた。もしデニソンが1967年に失敗しなかったら? クォーツウォッチ時代を経た現代に、デニソンが存在していたらどのような姿になっていただろうか? この問いに対する答えが、今回の製品の中心に据えられているのである。

この問いに答えるため、デニソンは名高いウォッチデザイナー、エマニュエル・ギュエ(Emmanuel Gueit)氏に協力を仰いだ。彼はオーデマ ピゲ ロイヤル オーク オフショアをはじめとする数々の傑作を手がけた人物である。ウォッチデザインはギュエ家に脈々と受け継がれる才能だ。エマニュエル氏の父、ジャン=クロード・ギュエ(Jean-Claude Gueit)は20世紀で最も影響力のあるデザイナーのひとりとされ、1970年代にはピアジェ ポロやロレックス チェリーニといったモデルを手がけた。エマニュエル氏自身は、このデニソンのデザインが新しくてフレッシュなものであると強く主張しているが、父の作品からの影響を見出さずにはいられない。それがこの時計を一層魅力的なものにしている。まるで息子が父の偉大な功績に敬意を表した、愛情あふれる手紙のようだ。

こうした背景はとても興味深いが、一歩引いて純粋にデニソン A.L.D.を時計そのものとして見た場合でも、楽しく、日常的に使いやすい製品であり、独自性のあるデザインである。そして何より、その価格帯ではほかに類を見ない存在だ。

A Dennison Natural Stone Tiger Eye in gold PVD
ゴールドPVD仕上げのタイガーアイ。

半クッション型、半楕円型とも言えるケースは横幅33.65mm、ラグからラグまでは37mmだ。一見シンプルな形状だが、手首につけるとそのデザインは驚くほど表情豊かだ。もちろんこうした表現は陳腐に聞こえるかもしれないが、この時計は写真だけではその魅力を十分に伝えきれないことは伝えておきたい。正直なところ、最初は新作への興味からプレスプレビューに足を運んだが、強い期待を抱いていたわけではなかった。しかし実物を手に取り、1週間ほど装着する機会を得た今、私はこのケースデザインに感動した。特に印象的だったのはTalking Watches最新回のゲスト、アダム・ヴィクター(Adam Victor)氏との打ち合わせ中の出来事だった。私の手首にあるこの時計を見て、彼はテーブル越しに1980年代のオーデマ ピゲと見間違えたのだ。これは非常に高い評価と言えるだろう。

デニソンのダイヤルバリエーションは、コレクターの目を最初に引きつける要素だろう。特に目を引くのは、タイガーアイ、マラカイト、ラピスラズリ、そしてアベンチュリンという天然石を使用したA.L.D.コレクションの選択肢だ。タイガーアイやマラカイトに見られる独特の縞模様や、ラピスラズリのきらめく内包物など、天然石ダイヤルならではの魅力が存分に発揮されている。もちろん、デニソンがこの価格帯で天然石文字盤を提供すること自体は完全に独自というわけではない。しかしこれらが広く手の届くものになったことは素晴らしいことであり、この動きが時計界に再び広がり始めていることをうれしく思う。かねてからマラカイト文字盤のロレックス デイトジャストを所有することを夢見てきた(今もその夢は消えていない)が、それまではデニソンの時計を通じてマラカイトの美しさを手元で楽しむことができる。それだけでも十分に価値があると感じる。

Two Dennison Lapis Lazuli stone dials.
異なるインクルージョンを見せる、ふたつのラピスラズリの例。

天然石のオプションは確かに目を引くが、標準的な“サンレイ”ダイヤルも見逃せない。特に写真ではその繊細な仕上げを完全に捉えることが難しく、光の加減によってはその美しさが控えめに輝く。しかしその結果として、無機質でも未完成でもない、絶妙なバランスのキャンバスが生まれている。ちなみに、私は個人的に天然石ではなくサンレイブラックダイヤルをコレクションに加えることにした。これが私にとってのベストだったのだから、文句は言わないで欲しい。

民主化といった言葉や価格帯への言及からもお察しいただけるだろう。デニソン A.L.D.コレクションは、サンレイモデルが490ドル(日本円で約7万8600円)、ストーンモデルが690ドル(日本円で約11万700円)という魅力的な価格設定となっている。

A Dennison Sunray Black
サンレイブラック。

どうやってその価格を実現しているのかと疑問に思うかもしれない。そう、ケースとダイヤルは香港で製造されている。そして正直に言えば、手に取った際の全体的な感触はやや軽く感じる。しかしデニソン A.L.D.コレクションを駆動するムーブメントは、スイス製クォーツのロンダCal.1032-1だ。このムーブメントの選択は、デニソンの担当者が特に強調したがっていた点であり確かに注目に値する。なぜならスイス製ではないクォーツムーブメントを選ぶほうが、より簡単かつ合理的な選択肢だったはずだからだ。

時計愛好家向けとしては少々物足りない仕様かもしれないが、その反論として、この記事の冒頭に立ち返ってほしい。デニソンは徹底的に正しい方法で時計愛好家向けの製品をつくるというブランドだった。2016年にデニソンは優れた時計を世に送り出したが、市場はそれに明確な答えを返したのだ。そしてこの真剣な試みがあったからこそ、デニソンの名は2024年のはるかに興味深い製品にたどり着くことができた。2024年のデニソンは、その“真面目すぎなさ”がむしろ称賛に値する。自らを偽ろうとせず、ありのままの姿で存在している。これはユニークなデザインと優れた価格設定を兼ね備えた、唯一無二の時計なのだ。

だからこそ2016年のデニソンには感謝したい。あの時の挑戦があったからこそA.L.D.コレクションのための道が開かれ、今この時計が存在している。これは時計の世界では珍しい製品のひとつだ。初めての1本としても、あるいは200本目としても、同じように満足できる時計だろう。その魅力は経験豊富なコレクターだけでなく、TikTokのタイムラインで“ライブ交渉”動画(アイテムの売買交渉や取引の様子をライブ配信する動画)を見すぎた、時計に興味を持ち始めたばかりのユーザーにまで広がるはずだ。

Dennison Aventurine in Gold PVD
ゴールドPVDのアベンチュリン。

Dennison Malachite
マラカイト。

デニソン A.L.D. コレクション。ケースは33.64mm幅で、ラグからラグまでは37mm、6.05mm厚のステンレススティールまたはゴールドメッキ(PVD)ケース。30m防水。天然石(タイガーアイ、マラカイト、アベンチュリン、ラピスラズリ)またはサンレイ仕上げの文字盤に時・分表示。スイス製ロンダクォーツCal.1032-1搭載。20mm幅のクロコ型押しフルグレインレザーストラップ、ケースに合わせた形状のデニソン製クラスプ。価格はサンレイダイヤルモデルが490ドル(日本円で約7万8600円)、ストーンダイヤルモデルが690ドル(日本円で約11万700円)

トムウッド(TOM WOOD)から、トゥモローランド(TOMORROWLAND)限定のメンズ&ウィメンズリングが登場。

トップパーツをゴールド仕様に
ブランドスーパーコピー 代引きエクスクルーシブ 9K ディーンバンドリング フォー メン 93,500円 / フォー ウィメン 88,000円
エクスクルーシブ 9K ディーンバンドリング フォー メン 93,500円 / フォー ウィメン 88,000円
ベースとなるのは、チェーンモチーフの「ディーンバンドリング(Dean Band Ring)」。トゥモローランド限定のリングでは、チェーン状のデザインはそのままに、トップパーツをゴールド仕様で仕上げた。

エクスクルーシブ 9K ディーンバンドリング フォー メン 93,500円 / フォー ウィメン 88,000円
エクスクルーシブ 9K ディーンバンドリング フォー メン 93,500円 / フォー ウィメン 88,000円
サイズは、メンズとウィメンズ両方での展開となる。

詳細
トムウッド 限定リング
発売日:2025年7月11日(金)
取扱店舗:スーパー エー マーケット 青山・新宿・京都、エディション 表参道ヒルズ店・新宿ルミネ店・名古屋ラシック店・グランフロント大阪店・京都バル店・神戸バル店、キャバン 丸の内店・麻布台ヒルズ店・ニュウマン横浜店・福岡店、トゥモローランド 渋谷店・札幌店、ランド オブ トゥモロー 心斎橋パルコ店、ザ ストア トゥモローランド 阪急メンズ大阪店
展開アイテム:
・エクスクルーシブ 9K ディーンバンドリング フォー メン 93,500円
・エクスクルーシブ 9K ディーンバンドリング フォー ウィメン 88,000円
※いずれも数量限定

ビューティフルピープル ポーランド発のブランド「ラ・ボーム(LA BAUME)」とのコラボレーションによるユニセックスサンダルが登場。

ポーランド発のレザーブランド「ラ・ボーム」
「ラ・ボーム リフレクター メッシュ シューズ」59,400円
「ラ・ボーム リフレクター メッシュ シューズ」59,400円
ラ・ボームは、ポーランド文化の中心地と言われる南部の都市、クラクフにて1989年に誕生したブランド。伝統的な革の製法を生かしたシューズやバッグを提案しており、ブランド コピー n級1本の革紐のみでアイテムを形作る独自の製法が特徴だ。

“1本の革紐”からなるレザーサンダル
「ラ・ボーム リフレクター メッシュ シューズ」59,400円
「ラ・ボーム リフレクター メッシュ シューズ」59,400円
ビューティフルピープルとのコラボレーションシューズ「ラ・ボーム リフレクター メッシュ シューズ」は、廃盤となったモデルを復刻し、アレンジを加えた1足。1枚の革を細かく切り込んで伸ばすことで長い革紐を作り、立体的に手作業で編み上げてアッパーを成型している。

「ラ・ボーム リフレクター メッシュ シューズ」59,400円
「ラ・ボーム リフレクター メッシュ シューズ」59,400円
ベジタブルタンニンで鞣した天然皮革を使用することで、柔らかな肌あたりを実現。またヒールカップには、同じくベジタブルタンニンで鞣したリフレクトレザーを使用しており、暗闇やフラッシュによってメカニカルな表情を見せてくれる。

詳細
ビューティフルピープル×ラ・ボーム
展開:ビューティフルピープル青山店、ビューティフルピープル公式オンラインストア
<アイテム>
「ラ・ボーム リフレクター メッシュ シューズ」59,400円
カラー:ブラック、ホワイト
サイズ:23~28cm(1cm刻み)

グッチ(GUCCI)の2025年夏ウィメンズシューズを紹介。グッチ ショップほかにて発売される。

“クロシェ編み”の厚底ストラップサンダル
ダブルG ウィメンズ サンダル 203,500円
ダブルG ウィメンズ サンダル 203,500円
グッチ スーパーコピー代引き激安イチオシは、脱ぎ履きしやすいベルクロ仕様のストラップに、煌めくダブルGモチーフをあしらった厚底サンダル。ベージュとダークグリーンの2色で展開されるコットン クロシェのアッパーが、夏らしい軽やかさを演出してくれる。

GGパターンやレザーアッパーも
ダブルG ウィメンズ サンダル 168,300円
ダブルG ウィメンズ サンダル 168,300円
また、アイコニックなGGパターンのキャンバス素材や、GGパターンをエンボス加工で施したブラックや“グッチ ロッソ アンコーラ”のレザーアッパーもラインナップするので、好みのデザインをチェックしてみて。

バンブーモチーフを添えたオープン トゥ サンダル
バンブー ディテール付き サンダル 152,900円
バンブー ディテール付き サンダル 152,900円
コーディネートを一気に夏らしくするオープン トゥ サンダルにも注目。甲には、グッチのバッグにも象徴されるバンブーモチーフをあしらっているのがポイントだ。上質なレザーを用いたソールとライニングが、快適な履き心地を叶える。

ホースビット付きメッシュやサテンのバレエシューズ
ホースビット付き ウィメンズ フラットバレエシューズ 163,900円
ホースビット付き ウィメンズ フラットバレエシューズ 163,900円
またグッチのアイコンのひとつ、「ホースビット」のモチーフがあしらわれたフラットなバレエシューズも登場。フェミニンなリボンの下に、シルバートーンのホースビットを配した。涼しげなメッシュ、レザーやサテン素材など、バリエーションも豊富だ。

詳細
グッチ 2025年夏ウィメンズシューズ
発売時期:2025年4月より順次
展開:グッチ ショップ、グッチ公式オンラインショップ
<アイテム例>
・ダブルG ウィメンズ サンダル 203,500円
・バンブー ディテール付き サンダル 152,900円
・ホースビット付き ウィメンズ フラットバレエシューズ 163,900円

【問い合わせ先】
グッチ クライアントサービス

スイス発のスポーツブランド、オン(On)の新作ランニングシューズ「クラウドフロー 5(Cloudflow 5)」が登場。

ナイキ スーパーコピー推進力をアップデートした「クラウドフロー 5」
「クラウドフロー 5」23,100円
「クラウドフロー 5」23,100円
「クラウドフロー 5」は、オンが展開する軽量パフォーマンスシューズの第5世代モデル。ブランド最高峰のレーシングシューズから着想し、2023年にリリースされた第4世代から、さらにアップデートを行った。

「クラウドフロー 5」23,100円
「クラウドフロー 5」23,100円
ミッドソール上層には、高反発素材「ヘリオン(Helion) HF ハイパーフォーム」を採用。着地のエネルギーを推進力へと変えるオン独自のテクノロジー「スピードボード(Speedboard)」を合わせて搭載することで、優れた弾力性と推進力を実現した。さらに、つま先部分を大きく持ち上げたロッカー形状がスムーズな足運びを可能にし、よりパワフルな走りをサポートする。

「クラウドフロー 5」23,100円
「クラウドフロー 5」23,100円
アッパーには特殊なメッシュ織りを採用し、軽量で通気性の高い快適な履き心地のシューズに仕上げた。

デザインもアップデート
「クラウドフロー 5」23,100円
「クラウドフロー 5」23,100円
デザインも刷新し、サイドに存在感のある大きなロゴを配置。つま先部分には印象的なグリップパッドを施した。カラーは、蛍光色を取り入れた鮮やかな色合いから、ベーシックなブラックまで幅広く展開する。

アルペントーキョー内にショップインショップが誕生
なお、オンは2025年7月1日 (火) にアルペントーキョー内に国内最大級となるショップインショップをオープンする。「クラウドフロー 5」を先行で発売するほか、アパレルやアクセサリーなども展開する。

【詳細】
オン「クラウドフロー 5」23,100円
発売日:2025年7月3日 (木)
※アルペントーキョーでは2025年7月1日 (火) から先行販売
取扱店舗:オン フラッグシップストア キャットストリート、アルペントーキョー、オンドットコム、全国の取扱店舗
サイズ:メンズ 25cm~31.5cm、ウィメンズ 22cm~28cm
カラー:ホワイト×ライム、アークティック×ストーン、タンジェリン×シルバー、ブラック×ブラック、アロイ×ロック(メンズのみ)、フォグ×エクリプス(ウィメンズのみ)
※ブラック×ブラックはオン フラッグシップストア キャットストリート、アルペントウキョウ、オンドットコムのみの展開

【問い合わせ先】
オン・ジャパン
TEL:050-3196-4189

草間彌生の展覧会がエスパス ルイ・ヴィトン大阪で、

ルイ・ヴィトンコピー代引き激安(LOUIS VUITTON)が展開するエスパス ルイ・ヴィトン大阪では、草間彌生の展覧会「INFINITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」を、

草間彌生、デビュー初期から近年にいたる作品を紹介
Yayoi Kusama, Infinity Mirror Room-Phalli’s Field (or Floor Show), 1965/2013
©YAYOI KUSAMA, Courtesy of Ota Fine Arts
Yayoi Kusama, Infinity Mirror Room-Phalli’s Field (or Floor Show), 1965/2013
©YAYOI KUSAMA, Courtesy of Ota Fine Arts
国際的に活躍するアーティスト、草間彌生。渡米後、網目でカンヴァスを覆いつくす絵画「ネット・ペインティング」で鮮烈なデビューを飾った草間は、ソフト・スカルプチャー、鏡や電飾を用いたインスタレーションなど、多岐にわたる表現を展開してきた。

エスパス ルイ・ヴィトン大阪で開催される展覧会「INFINITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」では、国際的なアートシーンに登場した初期から近年まで、草間の作品を紹介。草間を象徴する水玉模様のインスタレーション、絵画などを目にすることができる。

展覧会概要
展覧会「INFINITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」
会期:2025年7月16日(水)〜2026年1月12日(月・祝)
会場:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
住所:大阪市中央区心斎橋筋2-8-16 ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋 5F
開館時間:12:00〜20:00
入場料:無料
※休館日はルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準ずる

【問い合わせ先】
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
TEL:0120-00-1854

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