記事一覧

パネライ「ルミノール クアランタ」が初めてカーボテック™ケースを採用~

驚きの軽さ、ルミノール クアランタ カーボテック™ PAM01526

ルミノール クアランタは初めて、カーボテック™ケースを採用します。軽量かつ堅牢な性質で知られるカーボンファイバー由来の素材、カーボテック™の製造プロセスには、正確な温度と高圧で炭素繊維シートをPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)と圧縮する工程が含まれます。強度と寿命を高めるテクニカルポリマーと結合した複合素材であるカーボテック™プレートは優れた機械的特性と性能を誇ります。強度対重量比の点で、非常に快適な人間工学を可能にし、厳しい摩耗条件に耐え、外力や耐腐食性に優れています。カーボテック™ はスティールより80%、セラミックより73%、チタンより64%軽量です。プレートを断裁することによって得られる、パネライスーパーコピーマットブラックに筋目模様のある表面は、ケースによって個体差があり、各ピースに唯一無二の個性を与えます。

PAM01526はマットグリーンのサンドイッチダイヤルと組み合わせ、洗練されながらもダイナミックな印象を与えます。ホワイトのスーパールミノバ®X1がインデックスと針に塗布され、暗闇でグリーンに光り、いかなる照明環境でも高い視認性を維持します。

その心臓部には、自動巻きムーブメントP.900が搭載されています。P.900は信頼性が高く、驚くほど合理化されたプロポーションに、3日間のパワーリザーブをはじめ、様々な機能を備えています。直径12 1/2リーニュ(28mm)、厚さわずか4.2mmのこのムーブメントは、パネライのポートフォリオの中で最もスリムな自動巻きキャリバーで、3日間のパワーリザーブに必要なエネルギーは双方向回転錘によって供給され、シングルバレルに蓄えられます。テンプは毎時28,800回振動し、バランスコックにより確実に固定されます。キャリバーには正確な時刻設定を可能にするストップセコンド機能が装備されています。

サファイアクリスタルの窓付きチタンDLC製ケースバックからは、P.900のムーブメントを眺めることができます。驚くべきことに、時計の重さは100グラム未満と非常に軽量で、毎日軽やかに着用することができます。

ルミノール クアランタとしては初となる、30気圧(水深300メートル)の防水機能を備えています。表示よりも最大25%高い圧力をかけて、時計は厳密にテストされ、パネライの厳しい基準を満たしていることを保証します。あらゆるシーンでの実用性を実現するルミノール クアランタ カーボテック™ PAM01526には、革新的な機能が詰まっています。

ストラップはPAMクリックリリースシステム採用で、ミリタリーグリーンのラバーストラップと、1960年代のパネライのデザインに敬意を表し、カーフレザーのセカンドストラップが付属しています。

【仕様】
ルミノール クアランタ カーボテック™ 
Luminor Quaranta Carbotech™
PAM01526 
税込価格200万2000円 
発売中

Movement:P.900キャリバー(自動巻きメカニカル)
・12½リーニュ
・厚さ4.2mm
・171部品
・23石
・振動数28,800回/時
・インカブロック®耐震装置
・1バレル
・Power Reserve: 3日間
Functions: 時、分、スモールセコンド、日付
Case: 径40mm、カーボテック™
・サファイアクリスタル窓付き チタンDLCスクリューケースバック
・Water resistance: 30気圧(~300 m)
Dial:マットグリーンのサンドイッチダイヤル
・ホワイトのスーパールミノバ®
・3時位置に日付
・9時位置にスモールセコンド
Strap: ミリタリーグリーンのラバーストラップ
・チタンDLC台形ピンバックル
※Officine Panerai is not the registered owner of the Super-LumiNova® and Incabloc® trademarks.

【お問い合せ】
オフィチーネ パネライ
0120-18-7110

[Panerai]
パネライは1860年、時計工房兼時計店、そして時計学校としてフィレンツェに創業し、長い間イタリア海軍、特に特殊潜水部隊のための高度精密機器を納入していました。ルミノール、ラジオミールをはじめとする当時パネライが開発したウォッチは、何年もの間軍事機密扱いとされてきましたが、1997年にリシュモン グループの傘下に入った後、国際市場に参入しました。
今日、パネライはスイス、ヌーシャテルにある自社マニュファクチュールで自社製ムーブメントとウォッチを開発・製造しています。イタリアのデザインと歴史をスイスの時計製造技術が見事に融合したパネライウォッチは、独自の流通ネットワークおよびパネライ直営ブティックを通じて世界中で販売されています。

L’EPÉE 1839 × MB&F「アルバトロス(ALBATROSS)」~舞い上がれ、どこまでも遠くへ

L'Epée 1839とMB&Fのコラボレーションにより生まれた「アルバトロス」は、これまでの10年間に両社が手がけてきた15種類のクロックの中で、技術的に最も“攻めた”作品です。1,520もの部品で構成されたアルバトロスは、チャイムで正時を告げ、1回のベルで30分を知らせる時報機能と、毎時作動する16対のプロペラで構成されたオートマタ(自動機械装置)を備えています。

本作のデザイナーであるエリック・メイヤーのインスピレーションの源は、フランスの小説家ジュール・ヴェルヌの作品『征服者ロビュール』に登場する飛行戦艦「アルバトロス(邦訳:アホウドリ号)」でした。さらに、飛行機が実用化されていない時代に空を飛ぶことに憧れていたこの小説家が描いた、ロケットや熱気球などの「飛行物体」にもヒントを得ています。MB&Fではこれまでにも、ジュール・ヴェルヌの小説にインスピレーションを得た作品をいくつか制作してきました。レガシー・マシン コレクション、具体的に言えば、LMスプリットエスケープメントをベースに、エングレービング職人エディ・ジャケの彫刻を施したユニークピース シリーズがその一例です。

このクロックは技術仕様も格別で、部品数は1,520個、重さ17kg、幅60cm x 高60cm x 奥行35cm。時刻を告げると、32のプロペラが約7秒間回転し、飛行船は離陸の準備を始めます。

機体の内部には、2つのムーブメントと2つの巻き上げ機構が搭載されています。うち1つは、2つの香箱を備え、時計機能と時報機構に動力を供給。もう1つは、3つ目の香箱からプロペラに動力を供給します。1つ目のムーブメントは、飛行船の前方にあるプロペラを介して手動で巻き上げられ、時計回りに回すと時報用、反時計回りに回すと時計用の香箱が巻き上げられます。オートマタ用の香箱は、後方のプロペラにより巻き上げられます。パワーリザーブは、チャイム機能がオンかオフかにかかわらず、平均8日間。オメガ スーパーコピーオートマタは1日間駆動します。

本作は初の「プロペラアワー」クロックであるだけでなく、時計の内部に、将来のオーナーが動作のオン/オフを自由に切り替えられる機械機構も装備。ムーブメントが2つあるため、チャイムをオフにしていてもプロペラを回すことができ、反対に、プロペラが作動しなくてもチャイムを鳴らすことができます。時報とプロペラのオン/オフをそれぞれを個別に設定できる2つの「オンデマンド」ボタンも備えています。

プロペラをよく見ると、ペアで作動していることが分かるでしょう。2つ同時に回転しているため、実際よりも速く回っているような印象を受けますが、7秒で半回転、つまり14秒で1回転のスピードで動いているため、プロペラは常に目視でき、風が起きることもありません。この作品の制作は楽しいものだったというL’Epée社のCEO、アルノー・ニコラスは次のように話します。「プロペラに適した動力と回転速度を見出すために、何度か試作をしました。最初の実験では工房は大混乱でしたよ。まるで今まさに飛び立とうとしているヘリコプターのようになってしまったんです」

機体の左右に付いているプロペラは、それぞれ別の方向に回転し、まるで本当に離陸するかのように見えます。もう1つご注目いただきたいのは、時間になるとプロペラが瞬時に作動する点です。これは、アルバトロスが細部にまでこだわって製作されていることの証と言えるでしょう。

この作品に携わった「大人になった子供たち」は、子供心を忘れていないので、プロペラの操作を誤っても壊れることがないように、フェイルセーフ設計を施しています。舷窓の後ろには、ダッシュボードと舵輪を備えたミニチュアコックピットも備え、好奇心旺盛な子供たちの目を楽しませます。当初、飛行船のキャビンにダッシュボードを設置する計画はありませんでしたが、シースルーにするというアイデアが出ると同時に、この密かなディテールを追加せずにはいられませんでした。

時計の素材には、真鍮、スティール、アルミニウムを使用。ブルー、レッド、グリーン、シャンパン、ブラックの5色展開で、各色8点限定生産となります。彩色には、エナメルのような素材である半透明のコールドラッカーを使用しているため、ラッカーの下の多彩な仕上げを見ることができます。一般的なアルマイト処理と比べ、より深みのある表現を可能にするこの彩色技術は、L’Epée社が何年もかけて完成させたものです。

からくり時計と、正確に時を告げるチャイム機構という稀有な組み合わせにより、他にはない独特の存在感を放つアルバトロスは、かつてジュール・ヴェルヌが抱いた探求と冒険の精神を今に引き継ぐ作品であり、世界各地のオーナーのもとに届いた後も、間違いなく、人々にインスピレーションを与え続けることでしょう。

【技術仕様】
アルバトロス
ALBATROSS
アルバトロスはブルー、レッド、グリーン、シャンパン、ブラックの5色展開で、各色8点限定生産となります。

[機能]
時間と分は、それぞれ別の回転ディスクに表示。
チャイムで正時を告げ、1回のベルで30分を知らせる時報機能。
毎時作動する16対のプロペラから成るオートマタ。
チャイム機能とプロペラ機能はオン/オフの切り替え可能。
2つの「オンデマンド」ボタンで、時報とプロペラを個別に設定。

[ムーブメント]
L’Epée 1839が自社で設計・製造した2つのムーブメントおよび2つの巻き上げシステムを搭載。1つは時計機能と時報機能、もう1つはオートマタ(プロペラ)に動力を供給。
ムーブメント仕上げ:サテンおよびポリッシュ。

[時計および時報ムーブメント]
インライン8日間パワーリザーブムーブメント
テンプの振動数:2.5 Hz / 18,000 bph
石数:11
インカブロック衝撃保護システム
巻上げ:飛行船の前方のプロペラで手巻き。時計回りで時報機能、反時計回りで時計機能に動力を供給。
時計機能とチャイム機能に動力を供給する2つの香箱。

[オートマタムーブメント]
巻き上げ:後方のプロペラで手巻き。
パワーリザーブ:オンの場合、オートマタは1日間作動。
オートマタムーブメント専用の香箱を1つ搭載。

[部品数]
合計1,520個

[サイズ]
幅600mm x 奥行350mm x 高600mm
重さ:17kg

[ボディ/フレーム]
素材には、真鍮、スティール、アルミニウムを使用。
カラー:半透明コールドラッカー(ブルー、レッド、グリーン、シャンパン、ブラック)

【お問い合わせ】
シャリス・ヤディガログルー - cy@mbandf.com/ アルノー・レジュレ - arl@mbandf.com
MB&F SA, Route de Drize 2, CH-1227 Carouge, Switzerland
電話番号: 41 22 786 36 18

[L’EPEE 1839]~スイスを代表する置き時計メーカー
L'Epée 1839は、185年の歴史を持つ有数の時計製造会社であり、今日では、高級置き時計製造に特化したスイスで唯一のメーカーとなっています。1839年にフランスのサント=シュザンヌでオーギュスト・レペによって創設されたL'Epéeは、もともとオルゴールと腕時計の部品の製造に専念していましたが、当時から、完全手作業の部品製造メーカーとして知られていました。
1850年からは、エスケープメント製造のリーダー企業となり、目覚まし時計、置き時計、ミュージカルウォッチ用の特殊な緩急針の開発をスタート。その後、同社は名声を博し、特にアンチノッキング、オートスタート、コンスタントフォースシステムに使用される特殊なエスケープメントで多数の特許を取得。L’Epée 1839はいくつもの有名置き時計メーカーの主要サプライヤーとなり、国際見本市で数多くの金賞を受賞しています。
20世紀、同社は最高級旅行用携帯時計でその評判を高めましたが、多くの人にとってL’Epée 1839は影響力と権力を持った人が所有する時計であり、フランス政府関係者が上流階級のゲストに贈る品としても選定されていました。1976年に超音速航空機コンコルドが商業就航した際、機内キャビンで乗客たちに時刻を知らせていた掛け時計はL’Epée 1839製でした。1994年には、世界最大の振り子時計「ジャイアント・レギュレーター」を製作してチャレンジ精神を世間に示し、ギネスブックに登録されました。
現在、スイスのジュラ山脈(ドレモン)を拠点とし、CEOのアルノー・ニコラスが率いるL’Epée 1839は、完全自社製造のユニークな時計彫刻に情熱を注ぎ、その驚くべきノウハウを今も守り続けています。
技術力の高さ、フォルムと機能の融合、ロングパワーリザーブ、卓越した仕上げは、ブランドのシグネチャーとなっています。
2023年、L’Epée 1839は独創性と高い技術を兼ね備えたクローム仕上げのクロック「タイムファストII」でジュネーブ ウォッチ グランプリ(GPHG)の「機械式クロック」部門賞を受賞しました。


L’Epée 1839のコレクションは、3つのテーマで展開されています。
クリエイティブアート:芸術性を重視したコレクション。時には外部のデザイナーと共同制作されることもあります。これらの時計は、目の肥えたコレクターをも驚かせ、インスピレーションをもたらし、ショックを与えることさえあります。意識的にあるいは無意識に、唯一無二の逸品を求めている人々のための時計です。
コンテンポラリーなタイムピース:時代を反映したデザインを誇るテクニカルクリエーション(Le Duel、Duetなど)や、ミニマルでアヴァンギャルドなモデル(La Tour)は、レトログラード・セコンド、パワーリザーブ表示、ムーンフェイズ、トゥールビヨン、チャイム機構、パーペチュアル・カレンダーなどの複雑機構を搭載しています。
キャリッジクロック:「オフィサーズ・クロック」とも呼ばれる携帯用置き時計。ブランドの継承に由来するこれら歴史的モデルもまた、チャイム機構、ミニッツリピーター、カレンダー、ムーンフェイズ、トゥールビヨンなど、複雑機構を搭載しています。


[MB&F]~コンセプトラボの誕生
2005年に設立されたMB&Fは、世界初の時計製作専門コンセプトラボとして傑出した創造性を誇ります。ブランドはこれまでに20種類以上の秀逸なキャリバーを開発し、それらをベースにして製作されたオロロジカル・マシンとレガシー・マシンは高い評価を得てきました。そして現在も、創業者でありクリエイティブディレクターでもあるマキシミリアン・ブッサーのビジョンに基づき、従来の時計作りの殻を破ってキネティックアートを思わせる立体感豊かな作品を生み出し続けています。
マキシミリアン・ブッサーは15年間にわたり高級腕時計ブランドをマネージング。2005年ハリー・ウィンストンのマネージングディレクターの職を辞し、MB&F(マキシミリアン・ブッサー&フレンズ)を創立しました。MB&Fは、ブッサーが尊敬し、働く喜びを分かち合うことのできる才能あるオロロジカル職人を集め、先鋭的なコンセプト・ウォッチのデザインと小規模生産を行う芸術的なマイクロエンジニアリング・ラボです。

2007年、MB&Fは初のオロロジカル・マシンであるHM1を世に送り出しました。HM1の彫刻のような立体的なケースと美しく仕上げたエンジン(ムーブメント)は、同社の風変わりなオロロジカル・マシンの基準となり、時を告げるためというより、「時を語る」マシンが数多く生み出されました。こうして製作された奇想天外なオロロジカル・マシンを通じて、宇宙やSF、大空、スーパーカー、動物王国、建築といった多様なテーマを探求してきました。
2011年には、MB&Fはラウンドケースのレガシー・マシン コレクションを発表。MB&Fとしてはクラシカルなスタイルを採用したこれらのモデルは、19世紀の腕時計製造の卓越性に敬意を払いながら、往年の偉大な時計製造革新者とは異なる視点で複雑機構を解釈することにより、現代的な芸術品に仕上がっています。また、一部のレガシー・マシンには、コレクターのアクティブなライフスタイルに合わせて防水性と耐衝撃性を高めたEVO(エヴォ)エディションも誕生しました。MB&Fは現代的で型破りなオロロジカル・マシンと、歴史からインスピレーションを得たレガシー・マシンを交互に発表しています。
MB&Fの「F」が「フレンズ」(Friends)を表していることから分かるように、優れたアーティストや時計職人、デザイナー、様々な分野の製造業者をブランドにとっての「友人たち」と考え、協力関係を築くことはごく自然な成り行きでした。
そうした姿勢がブランドにもたらしたのが、パフォーマンスアートとコラボレーション作品という新たな2つのジャンルでした。パフォーマンスアート・モデルは、創造性豊かな社外のフレンドがMB&Fのマシンをベースにしてアレンジを加え、新たな形で表現した作品。一方のコラボレーション作品は、腕時計ではなく別のタイプのマシンで、MB&Fのアイデアとデザインに基づいて独創的なスイスのマニュファクチュールが設計、製造を行います。レペ1839と共同で製作されたクロックなど、コラボレーション作品の多くは時間を知らせるマシンとなり、リュージュやカランダッシュとのコラボレーションでは別の種類のメカニカル・アートが創作されました。
ブッサーは、こうして誕生したあらゆるマシンにその魅力を発揮できる舞台を与えるため、従来型のブティックに陳列するのではなく、他のアーティストによる多彩なメカニカル・アートとともにアートギャラリーに展示することを思いつきました。このアイデアにより、ジュネーブに最初のMB&F M.A.D.ギャラリーが設立され(「M.A.D.」はMechanical Art Devices:メカニカル・アート・デバイスの略)、その後、ドバイにもM.A.D.ギャラリーがオープン。また、シンガポール、台北、パリ、ビバリーヒルズには、より小規模なスペースに限られた数の作品を展示するMB&Fラボが誕生しました。
MB&Fがこれまでに成し遂げた革新的な成果に対しては、いくつもの権威ある賞が与えられてきました。いくつか例を挙げると、名高い「ジュネーブ ウォッチ グランプリ」においては、その年の最も優れた時計に授与される最高賞「金の針賞(エギュイユ・ドール)」を含めた、9つものグランプリを獲得しています。2022年、LM シーケンシャル エヴォが「金の針賞」を受賞。またM.A.D.1 レッドが「チャレンジウォッチ賞」を受賞しました。2021年にはLMXが「ベスト メンズ コンプリケーション賞」を、オメガ コピーそしてLM スプリットエスケープメント エディ・ジャケ「Around The World in Eighty Days」が「アーティスティック・クラフト賞」を受賞。2019年にはLM フライングTが「ベスト レディース コンプリケーション賞」を受賞し、2016年にはレガシー・マシン・パーペチュアルが「ベスト カレンダー ウォッチ賞」を、2012年にはレガシー・マシン No.1が「パブリック賞(時計ファンによる投票)」と「最優秀メンズウォッチ賞(プロの審査員による投票)」をダブル受賞しました。また2010年には、HM4サンダーボルトで「最優秀コンセプト&デザインウォッチ賞」を受賞。さらに2015年には、HM6スペースパイレートが国際的な「レッドドット・デザイン賞」において最優秀賞である「レッドドット:ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞しています。

パテック フィリップが、新コレクション「Cubitus(キュビタス)」を発表した。

同社が新しいコレクションを世に問うのは1999年の「Twenty~4」以来、実に四半世紀ぶり。その「Cubitus」というコレクションネームからわかるように、シェイプは意表をつくスクエアだった。
そのデザインを巡っては賛否の声がいろいろ交錯するだろうが、思い起こせば「ノーチラス」のデヴュー時も、そして「アクアノート」の誕生時も、それ以前のパテック フィリップを愛してきた世代からは否定的な声があった。しかしその2つのコレクションが今どのような存在となっているかをみれば、推して知るべしというか、そこにあるパテック フィリップの先見性には、ただただ恐懼するばかりである。

思うに、長い歴史を持つパテック フィリップをわたしたちは伝統を重んじるブランドとして、そこに古典的な郷愁をイメージしがちだ。だが実際のところ、パテック フィリップは常にコンテンポラリー、つまり同時代に向けて時計を製作し続けているのだと思う。わたしのようなおじさん世代には"行き過ぎ"と感じられるのは、それが次世代のスタンダードを突いているからだとも言える。生まれた時から、スマートウォッチを使いこなしてきた世代にとって、時計のイメージといえば、ラウンドよりもスクエア、という認識が当たり前の時代に至る頃に、「Cubitus」がエグゼクティヴなアイテムとしてどのようなステイタスを持ち、どのようなスタイリッシュな存在となっているか…おじさんには想像もつかないけれど、もしかしたらこれは、世界最高の機械式時計ブランドから贈られたスマートウォッチへの回答なのかもしれない…。
…なぁんて妄想はさておき、おじさん世代はやは、時計と言えば習慣的に真っ先に歯車とかゼンマイ関係が気になってしまうため、まずは新コレクション中の最も複雑機能を持つモデル、5822P-001をみてみる。

瞬時送り式大型日付、曜日、ムーンフェイズ表示5822P-001モデル
まったく新しいコレクションに登場した新しいコンプリケーション

新しいCubitusコレクションの目玉として、パテック フィリップは瞬時送り式大型日付表示、曜日表示、ムーンフェイズ表示の組み合わせを特徴とする新しいモデルを発表した。
1977年に発表された機械式時計における偉大なクラシックである名作キャリバー240[※1] の進化形として、6 件もの技術特許が出願されている新ムーブメントを搭載する5822P-001。

同社初となる大型日付を備えたムーブだが、普通に考えればデイト モジュールを載せるとなると、ムーブは厚くならざるを得ない。しかしパテック フィリップは「時を超越したエレガントなケースの創作に欠くことのできないムーブメントのスリムさ」を目指し、それを見事に達成している。この新しいムーブメントの厚さはキャリバー240 PS IRM C LUの3.99 mm厚に対して4.76 mm厚、104個もの部品が追加されたにもかかわらずわずか0.77 mmしか増えていない。

ロレックススーパーコピー代引き同時代性における最優先案件であるスリム化という目的のために、パテック フィリップ技術陣は、基本キャリバーを改変し、2つの表示窓による大型日付表示のための瞬時送り式カレンダー機構という複雑な機構が追加されたにもかかわらず、例外的な薄さを維持したのだ。

[※1]キャリバー240は、そのスリムさ、信頼性、パフォーマンスによりアイコニックなムーブメントとなっている。追加機能を備えたいくつかのバージョンが創作され、現行コレクションの多くのモデルに搭載され、その価値と汎用性を証明してきた。例えばキャリバー240 PS IRM C LU (部品総数249個)は、10時30分位置にパワーリザーブ表示、7時位置に日付指針表示とムーンフェイズ表示、4時位置にスモールセコンドを備え、2006年以来ノーチラス5712モデルに搭載されている。新しいCubitus 5822P-001モデルにおいては、12時位置の大型日付表示と4時30分位置のスモールセコンドに加え、7時位置のサブダイヤルに指針による曜日とムーンフェイズが同軸表示される。こうして伝統と革新が完璧に融合した新しい自動巻ムーブメント、キャリバー240 PS CI J LU (部品総数353個)が誕生した。

さて、ここから先、5822P-001モデルのさらなる特筆点については、プレスリリースの引用で進めていくことをお許しいただきたい。

18 ミリ秒で同時にジャンプするカレンダー表示
スリムさという要件に加え、完璧な読みやすさは大型日付表示のための不可欠な条件である。異なる表示間の時間差を防止するため、パテック フィリップは、大型日付表示のみでなく、曜日とムーンフェイズ表示も含んだ瞬時送り機構を開発することにした。

これらすべての表示の変更は、24時間車によって駆動される大型レバーによって制御される。この24時間車は大型レバーを連続的に引き上げるカムを備えている。真夜中になると、強力なバネのおかげで、大型レバーの爪がカムの頂点から落下する。大型レバーは、これらの表示の変更を行うために、さまざまな部品を介して日付星車、曜日星車、ムーンフェイズ星車をそれぞれ1歯分回転させる。これらの表示はすべて、1日を通して蓄積されたエネルギーのおかげで、毎晩真夜中に瞬時に、同時に18ミリ秒でジャンプする。

大型日付表示のコプレナー・ディスク
大型日付表示の最も平らで最もエレガントな表示システムを実現するために、パテック フィリップ技術陣は、ディスクの非審美的な重なり合いを防ぐコプレナー・ディスク(完全に同一平面上に配置されたディスク)を備えたキャリバーを設計した。毎晩真夜中に、大型レバーのもたらすエネルギーは、10の位のディスク(0、1、2、3の数字が2組)と1の位のディスク(0から9までの数字)を駆動する2つの輪列の間で分配される。キャリバー31-260 PS QL (2021年のインライン表示永久カレンダー5236モデルにて導入)に関する技術特許から踏襲されたこの機構は、一部の歯が取り除かれた歯車により1を静止させたまま、31から01へのジャンプを制御することができる。また2021年に特許を取得した1の位の《ダブル・ジャンプ防止》システムは、衝撃または日付修正の際に日付のダブル・ジャンプを回避する。

複雑なエネルギー管理
2枚のコプレナー・ディスクによる大型日付表示は大きなエネルギーを必要とするため、日付表示のこれらの2枚の大型ディスクだけでなく、ムーンフェイズと曜日表示を駆動し、瞬時にジャンプさせるために十分なエネルギーを蓄積する必要があった。また時の経過と共に起る大型日付表示のジャンプの3つの異なるタイプに応じて、機構が適切にこのエネルギーを分配するようにしなければならなかった。
第1のタイプは、1の位のみが送られる場合(例えば11から12に変わる場合)である。この場合、1の位のディスクのみが回転する。第2のタイプは、同じ月において10の位も送られる場合(例えば09から10に変わる場合)である。この場合、2枚のディスク(10の位と1の位)が回転する。第3のタイプは、月に1回、31から01に変わる場合である。この場合、10の位のディスクのみが回転し、1の位のディスクは動かない。

特許出願中の6 件の技術革新
これらすべての課題に応えるるため、パテック フィリップの技術陣は新しい技術的解決法を開発し、その結果、特定分野の合計6件の技術特許出願が行われた。これらの技術革新により、とりわけ大型日付表示数字の完璧なアラインメントを常時保証し、31から01への日付変更中または衝撃の際に10の位のダブル・ジャンプを回避し、さらにムーブメントが損傷したり、調整が狂ったりする危険なしにすべての表示(時刻と曜日を含む)を1日のどの時刻でも修正することができる。これらすべての進歩はパテック フィリップの完全にユーザー指向の設計思想に準拠したものであり、さまざまな機能の信頼性、読みやすさ、操作の容易さを最大化することを可能にした。

ムーブメントは、ケース側面に設けられた3つの調整ボタンにより日付、曜日、ムーンフェイズを調整できる。本モデルはシンプル・カレンダーであるため、ユーザーは3月、5月、7月、10月、12月のそれぞれ1日に日付を調整する必要がある。ムーンフェイズ表示は、真の月の満ち欠けサイクルから1日ずれるのに122年かかるほどの高精度を誇る。新しいキャリバー240 PS CI J LUの計時精度は2024年春、マニュファクチュールが公式発表したすべての強化された規準に準拠しており、パテック フィリップ・シールの規定が定める通り、日差は-1〜 2秒である。

個性と読みやすさを兼ね備えた文字盤

新しいCubitus瞬時送り式大型日付、曜日、ムーンフェイズ表示5822P-001モデルは、ソレイユ装飾と水平エンボス・パターンの施されたブルー文字盤を備えている。大型日付表示は、ベベルカットされたエンボス・フレームを備え、12時位置に並んだ2つの表示窓上に行われる。ブルーをバックに、7時位置に曜日とムーンフェイズが同軸表示され、非対称な4時30分位置にスモールセコンドが表示される。ホワイトゴールド・バトン型植字アワーマーカーとホワイトゴールドの丸みを帯びたバトン型時・分針には昼間はホワイト、夜間はグリーンに輝く夜光コーティングが施され、読みやすさが強化されている。

高貴なプラチナ仕様

新しいCubitusのプラチナ仕様ケースは、両側に2つの結合部を備えた2体構造となっており、45 mmの直径とエレガントな薄いプロフィール(9.6 mm)が特徴である。角が丸みを帯びた正方形の個性的なデザインは、《縦サテン仕上げ》によるベゼルの平らな表面とケースの上面、およびポリッシュ仕上げによるベベルカットされたベゼルの側面とケース本体の側面が生み出すコントラストによって強調されている。

パテック フィリップのすべてのプラチナ・モデルと同じく、新しい5822P-001モデルはベゼルの6時位置にダイヤモンド(今回初めてバゲットカット・ダイヤモンドを採用)がセッティングされている。

透明なサファイヤクリスタル・バックを通して、新コレクションのシグナチャーといえる、文字盤と同じ特徴的な水平のパターンが施された22金偏心マイクロローター搭載の新しいキャリバー240 PS CI J LUを鑑賞することができる。

タイムピースのモダンで技術的かつ《カジュアル・シック》なスタイルは、ネイビーブルー、エンボス加工ファブリック柄の優れた耐性を誇るコンポジット・バンド、およびこれとコントラストをなすクリーム色のステッチによって引き立てられている。プラチナ仕様の折り畳み式バックルには、Cubitusコレクションの名が刻まれている。

パテック フィリップは、この時計にマッチする新しいCubitusカフリンクスもコレクションにラインナップしている。ホワイトゴールドのフレームはケースのフォルムに呼応し、ブルー・ソレイユ・センターには水平エンボス・パターンが施されている(205.9821G-001)。

キャリバー240 PS CI J LUに関する6 件の新しい技術特許
キャリバー240 PS CI J LUの開発により、特定分野の合計6件の技術特許出願が行われた。

• タンジェント・ロック(欧州特許出願 EP4328674)
毎月末、日付が31から01に変わる際、1の位は不動のままでなければならない。そのため、この際エネルギーは2つの輪列(10の位と1の位)の間で分配されるのではなく、10の位のみに伝達される。10の位の輪列に統合されたこのタンジェント・ロック機構は、3から0への移行中に人為的な過剰消費を引き起こす。こうして10の位のディスクに向けられた余分なエネルギーを吸収することで、後者のダブル・ジャンプを回避することが可能となる。

• ダブルレバー修正システム(特許出願 CH719977)
この安全機構は、10の位の輪列が瞬時送り機構からのエネルギーを得ることができない09から10、19から20、29から30、31から01への移行中、10時位置のコレクターによって日付を手動で修正することを目的とする。第2のレバー(10の位のディスクの動きを完了させる柔軟なフィンガー)の存在により、いつでも、コレクターに加えられる力の量にかかわらず、確実に10の位のディスクをジャンプさせることができる。

• フレキシブルな曜日コレクター(欧州特許出願 EP4246247)
このシステムは、1日の任意の時刻、とりわけ午後9時30分と午前12時の間、曜日星車を回転させる大型レバーの爪によりコレクターの復帰がブロックされている時でも、曜日の修正を可能とした。この解決法は、回転爪を配置するには薄すぎるスペースに、格納式のコレクターを配置することを可能にする。

• ダブル・ファンクション・スプリングを備えたカム・セッティング・ホイール(欧州特許出願 EP4312083)
24時間車でカムを駆動するように設計され、ダブル・ファンクション・スプリングを備えたこのカム・セッティング・ホイール・システムは、完璧な精度で真夜中に日付をジャンプさせると共に、より大きな摩擦(トルク)に抗することができる。また24時間カムが大型レバーの爪に当る際、クラッチ・リリースシステムに設けられた柔軟なフィンガーが格納されるため、ユーザーはムーブメントを損傷するリスクなしに、真夜中を超えて前方または後方にいつでも時刻合わせを行うことができる。

• ディスク表示の配置機構および柔軟なロッキング・プレート(特許出願 CH720028およびEP4336273)
大型日付表示においては、10の位と1の位の数字がわずかに視覚的にずれても表示は見苦しくなる。エキセントリックと柔軟なプレートで構成されるこの新しい機構は、最終的な文字盤が取り付けられた後、2枚のディスクの位置を個別に調整することを可能にする。したがって2つの数字は完璧に表示窓の中央に配置され、最適な読みやすさを実現する。このシステムにより、張力を維持し、これらの位置を恒久的に固定することが可能になり、着用中の衝撃に耐え、完璧な表示位置を維持することができる。


キャリバー31-260 PS QLから踏襲された技術特許
新しいキャリバー240 PS CI J LUは、2021年に発表されたインライン表示永久カレンダー5236P-001モデルに搭載されたキャリバー31-260 PS QLのために開発された2件の技術特許を踏襲している。

• 時計ムーブメントの衝撃防止および/またはダブル・ジャンプ防止機構(欧州特許出願 EP3786724)
この機構は、衝撃や日付変更の際に日付が2度送られるのを防止することにより、日付表示の信頼性を強化し、2枚のディスク間の完璧な同期を実現する。

• 日付表示:31から01への移行(欧州特許EP3786723B1)
この機構は、31日から翌月の1日への移行時に、31歯から2歯が切除された日付プログラム車などにより、1の位の数字が変化しない。