泣いても笑っても今シーズン最後の試合。
J1J2入れ替え戦の第2戦である。
第1戦は神戸ウイングで行われ、0−0の結果。
相対的に見れば神戸の優勢だったように見える。だが、第1戦が神戸のペースだったからといっても何にもならない。すべては2戦総合しての結果なのだ。
この入れ替え戦での勝利の条件は、
条件1 : 2試合での勝利数
条件2 : 得失点差、条件3:2試合におけるアウェイゴール数
である。
最終的にはこのルールが大きく影響する結果となった。
試合開始後、1分すぎ、三浦アツが元神戸の佐伯に倒されてFKを得る。おお、いきなりチャンスだ。
と思ったが、三浦のキックは大きく枠を外す。それもとんでもない外し方だ。大場外ホームラン。 さすがの三浦アツでも緊張しているのか。
8分あたりには今度は河本がファールを取られ、福岡のFK。荻はゴール前低くバウンドするボールをキャッチしたが、雨のコンディションではワンバウンドのボールは扱いづらいだろう。キーパーに行ったボールは気が抜けない。
神戸は中盤から前線へのボールが全然つながらない。前線への深いボールがすぐ相手にとられる。
このあたり、両チームともロングボールの入れ合いでパスがつながらず、大味な展開である。
もっと締まった試合をしてくれい!!!。
でも後半になってもなかなか締まった展開にならない。
いったいこの試合はどういう結果になるのか全くわからないなあ、と思っているうちに感涙の瞬間が訪れる。
60分。左から三浦アツのセンタリングを北本がゴール前で相手と競って、福岡DFがクリアするそのボールが甘く、詰めていた近藤がボレーで痛烈に蹴りこんでキーパーの足に当てながらも福岡ゴールにねじ込んだ。
うおーーー!! と叫ぶワシ。
よーし!。このまま逃げ切れば勝利、J1復帰だ。でもまだまだ時間がある。もう1点くらい取ってくれなければ安心できないぞ。 なんだか涙が出てきてテレビがよく見えない。
しかし、ここで、この入れ替え戦のルールが効いてくる。アウェイゴール方式という考え方だ。
この2戦目、神戸が1点でも取った場合、福岡は1−1で終わった場合でも延長戦にはならず、神戸の勝ちになるのだ。アウェイゴールというルールなので神戸が1点取った場合、福岡は2−1で勝たないとだめなのだ。
ここからが神戸の怒濤の守り(笑)になる。
65分あたりだったか、布部が神戸のゴールネットを揺らすがオフサイドの判定。
これはひやりとしたが、スロービデオで見てみると神戸DFは見切っていた。でも福岡は確実に神戸のゴールに近づいてきている。
一方神戸はほとんどチャンスらしいチャンスは全くない。いったいどうしてしまったのか。
福岡の右からのセンタリングに佐伯のシュート。ゴールわずか左に外れる。
また、福岡アレックスがミドルシュートも荻がパンチングで防ぐ。
悪い流れを替える意味か神戸のベンチが動く。81分に朴がガブリエルと交代だ。交代コールのあと、靴ひもを結び直し、時間稼ぎをする朴にイエローが出る。それでもゆっくり歩きながらなかなかフィールドの外に出ない。明らかな時間稼ぎに福岡の選手が怒る。
ワタシが見ていても目に余る時間かせぎだわと思ったぞ。テレビの実況では松田監督もその行為に怒っていた、と伝えていたが、もしレッドで退場にでもなったら目も当てられない。ひやひやの行為だ。
その直後、福岡のFK、替わったばかりの藪田が反応するもゴールならず。
せっかくガブリエルを入れても全然試合の流れは変わってないやん。
そして、最も恐れていた福岡の同点ゴールが決まる。84分のことだ。
元神戸の布部のヘッドだった。これは力負けだったなあ。布部の位置取りもよかったしシュートもよかった。
でも、1点返されたもののこのまま同点で試合終了なら神戸のJ1昇格が決まるのだ。まだまだ有利。
あと残り時間は6分+ロスタイム。
なんとか我慢してくれーーーー!
でも福岡の猛攻は全然止まらない。
変わった藪田がゴール前でセンタリングのボールをヒールでそらす。ひぇーーーー!
かろうじて枠の外にそれるが、その向こうに福岡の選手がフリーでいたし、危なかった。
そしてそしてロスタイムの表示4分。
ちょっと長すぎるのんちゃうのん?
神戸は平瀬投入。たまに神戸側に出たボールをコーナー付近で必死のキープするもあまり効果はなく自分で外に出してしまう始末。
で、この試合、いや今シーズン、いやいやヴィッセル神戸というチーム結成以来最大のピンチが訪れる。
福岡がゴール前で混戦に持ち込む。
荻のパンチング、ゴール枠内ぎりぎりでの北本の左肩でのクリア、田中?の身体を呈してのクリアなどで福岡の猛攻をなんとか防ぐ。
これはめちゃくちゃ危なかったわ。
この数秒が今年のヴィッセル神戸の運命の分かれ道だったと思う。
ここで入れられていたら時間も時間だし、確実に終わっていた。
そして、そして神戸サポーター数万人の、屈辱の1年を歓喜の瞬間に変える試合終了のホイッスルが雨の福岡博多の森に鳴り響いた。
J1復帰が決まった瞬間だ。
ああ、よかった。。。
ヴィッセル神戸のサポーターでよかった。
神戸市民に生まれてよかった。
という熱い思いで三浦アツのインタビューを見ていたら、彼の涙に誘われてワタシも泣いてしまった。
本当に長いシーズンだったわ。。。
色んなことがあったもんなあ。
来シーズンのことを考えるのはまだ早いが、
ワタシは
それでもヴィッセル神戸を応援する。
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