◆ Log Pをポケットに! ◆


〔左〕オクタノール-水系(メチルレッドとメチレンブルー),〔中〕オクタノール-水系(メチルレッド),〔右〕サラダ油-水系(メチレンブルー)
※キャップは接着剤で固定し,アクセサリになるように好みの鎖などをつけて完成!
※図上にマウスを置くと表示されるlog PInteractive LogKow Demoの推参値と文献値
★どなたか商品化を一緒に考えてみませんか?


    
赤と緑で“水と油”;身近なものによる分層教材の例(有機概念図参照;中と右の図はクリックで関連ページへ)
上層:緑色のマーカーでプラシート上に厚く塗り乾いてからオクタノールまたはサラダオイルで溶かして。
下層:温湯に食紅を溶かして。
※上層をサラダオイルにしたものを用いて公民館サイエンスカフェ『生命を支える美しい分子たち』(2012/03/03)で話をしました。


参考:アミノ酸および特性基の親水性・疎水性
アミノ酸 特性基 R log P 酸性・塩基性 極性・非極性 Cleftの分類 等電点
O I I/O
Ile I イソロイシン 80 0 0 -1.70 中性 非極性(疎水性) Aliphatic 6.02
Leu L ロイシン 70 0 0 -1.52 中性 非極性(疎水性) Aliphatic 5.98
Val V バリン 50 0 0 -2.26 中性 非極性(疎水性) Aliphatic 5.96
Ala A アラニン 20 0 0 -2.85 中性 非極性(疎水性) Aliphatic 6.00
Phe F フェニルアラニン 140 15 0.107 -1.38 中性 非極性(疎水性) Aromatic 5.48
Pro P プロリン 60 10 0.167 -2.54 中性 非極性(疎水性) Pro & Gly 6.30
Met M メチオニン 100 20 0.200 -1.87 中性 非極性(疎水性) Aliphatic 5.74
Cys C システイン 60 20 0.333 -2.49 中性 極性(中性) Cysteine 5.07
Trp W トリプトファン 180 130 0.722 -1.05 中性 非極性(疎水性) Aromatic 5.89
Tyr Y チロシン 140 115 0.821 -2.26 中性 極性(中性) Aromatic 5.66
Lys K リシン 80 70 0.875 -3.05 塩基性 極性(塩基性) Positive 9.74
Gly G グリシン 0 0 -3.21 中性 非極性(疎水性) Pro & Gly 5.97
His H ヒスチジン 80 152 1.900 -3.32 塩基性 極性(塩基性) Positive 7.59
Arg R アルギニン 80 190 2.375 -4.20 塩基性 極性(塩基性) Positive 10.76
Thr T トレオニン 40 100 2.500 -2.94 中性 極性(中性) Neutral 6.16
Glu E グルタミン酸 60 150 2.500 -3.69 酸性 極性(酸性) Negative 3.22
Gln Q グルタミン 60 200 3.333 -3.64 中性 極性(中性) Neutral 5.65
Asp D アスパラギン酸 40 150 3.750 -3.89 酸性 極性(酸性) Negative 2.77
Ser S セリン 20 100 5.000 -3.07 中性 極性(中性) Neutral 5.68
Asn N アスパラギン 40 200 5.000 -3.82 中性 極性(中性) Neutral 5.41
※log Pは
On-Line Log P Calculation掲載の実験値
※極性・非極性はChimeのProtein選択様式と関連(参考ページ
《参考》1文字アミノ酸配列から各種HTMLデータを作成する秀丸マクロ


 化合物のオクタノール-水系への分配係数 P の自然態数値log P は,その化合物の生理活性や生物濃縮の可能性などを知る上で重要な指標の一つです。ここでは,環境問題への関心を高めるためにもそのことを広く知ってもらえるように,アクセサリーとして身に付けることを考えてみました。
 キャップ付きの澄明プラスチック製の小さな試験管(ガラス製は割れるので不可)を使って作成すれば,きっと人の目を引き付けることができるでしょう。質問されたら生物濃縮性のことなどを説明するといいですね。また,分液ロートを使った液液抽出の話などにも展開できます。
 オクタノールは手に入りにくいので,サラダ油など捨てる時にも気を使わなくていいものを選び,溶かす色素もいろいろ考えて見るのも楽しいと思います。液体の組み合わせや振り方によって異なる分層の過程も興味深いものがあります。
 ところでこれを無重量状態の持ち込んだらどうなるでしょう? → 参考:毛利衛さんの宇宙での実験(JAXA)マシュマロとチョコレートを使った無重量の実験(下写真はその縮小版)PDF資料自然界の4つの力(KEK)


※毛利衛さんに写真転載のお願いをしました(日本科学未来館あれこれ参照)



若田宇宙飛行士「おもしろ宇宙実験」(続編):無重力で水と油を混ぜると?(JAXA,2009/06/25)
ビデオ



log P の詳細(分子と分子の相互作用)IE以外のブラウザでご覧ください



オクタノール-水系に溶解したメチルレッド(右分子)の分層



オクタノール-水系に溶解したメチルレッドとメチレンブルー(右分子)の分層



中央左から,サラダ油-水系に溶解した紅ショウガの汁,梅干しの汁,カレー粉 → 水っぽい色,油っぽい色



“水と油”のデモンストレーション(サラダ油-水系,簡単に手に入る色素)



生活環境化学の部屋「分子の形と性質」学習帳