◆ 狂牛病とプリオン/牛海綿状脳症(BSE) ◆
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[感染関連TOPIC]
羊のプリオン病、人にも感染可能性 国際研究チーム(朝日,2014/12/17) [NEW!]Jmolトピックス
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『情報の入出力を基本とした食の安全教育と「食育」』(教職研修 2005年11月号掲載)を転載
※新刊「プリオン説はほんとうか?」(福岡伸一,講談社ブルーバックス)を読むための参考資料作成



図1 PDBで参照できるHuman Prion Proteinの例(1QLX) … PDBデータ参照にはChimeが必要です(参考ページ
※上のデータは2002年ノーベル化学賞を受賞したビュートリッヒ博士のグループによるものです! → 2002年度ノーベル化学賞

※その他のPDBデータ例
Human Prion Protein Variant M166V(1E1J)Human Prion Protein Variant S170N(1E1S)Bovine Prion Protein Residues 23-330(1DX0)
※Prusinerらによる抗プリオンのデータ例: The Anti-Prion Fab 3F4(1CR9)The Anti-Prion Fab 3F4 In Complex With Its Peptide Epitope(1CU4)



図2 Human Prion Protein例1QM2の基準振動解析で振動が大きいとされる部分
GLN 227 および THR 190-GLU 200(ただしNMR構造を拡張MM2力場で構造最適化後の解析) → 今週の分子(53)
※以下を参考に作成:日本化学会 編,「実験化学講座 第5版 12 計算化学,pp.270-271,丸善(2004)

 2001年9月に日本国内で初めて狂牛病の牛が発見され,大きな問題になっています。ここでは関連情報を紹介したいと思います。
 もともと体内にあるタンパク質である正常型のプリオンタンパク質(prion)が異常型になって病原体となり,感染症を引き起こすのがプリオン病で,牛の狂牛病,羊のスクレイピー,人のクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)などがあります。
 図1は正常なヒトのプリオンタンパク質の構造例ですが,異常型ではα-へリックス(上図のピンクのらせん部分)が減ってβ-シート構造(上ではわずかにある黄色の部分)に富むようになり,熱や多くの試薬に対する耐性が高くなってしまいます。この異常プリオンタンパク質が正常プリオンタンパク質に作用すると次々と異常型になっていくために感染作用が現れると考えられているのです。


図3 ポリアラニンの場合で示したα-へリックス構造(左:赤点線は水素結合)とβ鎖構造(右);色の異なるのが各々アラニン単位
Chimeによる分子表示生体分子と水素結合



図4(参考) 酵母のプリオンタンパク質の構造例
2RNMのModel 1
酵母のプリオンタンパク質の構造が解明される(Yeast Prion Protein Structure Revealed)Science 319:1523-1526(2008) の和文要約(RICOHによる)
Molecule of the Month - Prions(PDB,2008/05)プリオン(PDBj今月の分子)Functional PrionsPrion Fibrils2RNM掲載
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