吹越

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980124

吹越

「吹越(ふっこし)だから、つもらねえ。」と夕方になって、とうちゃんが言った。

それでも、昼頃から舞い始めた雪は庭を白くした。

小さな小さな雪の粒が、上か下かどこに行くのか定まらずに舞っている。

十二ガ岳(1201メートル)を北に背負う”おれんち”(標高322メートル)は、雪が降る境目となる。

三国山脈を越え、十二ガ岳を越える頃にはすっかり吹越となる。

今日のような日は、寒気団が日本海で十分な水分を集め、新潟に上陸すると沢山の雪を降らせ、

群馬に入り、赤城を下る頃にはすっかり乾燥して群馬名物の”赤城おろし”の空っ風となるのだ。

前橋に1年ほど通っていた時、広い構内で帽子をとばされ、しばらくの間帽子を追いかけ回したの

を思い出す。

群馬名物の気象的名物は、この空っ風と夏前後の夕立に伴う雷だ。

群馬では聞かないが、新潟では夜、雪と共に雷がなると聞いた。

群馬の山のギャラリー juntoshi@mxb.mesh.ne.jp